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神殺人殺  作者: ナノ
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第65話 平和な日常3

そして、数分の話し合いの結果、歩の長所はやはり運動能力という結論に至った。


一般的に見れば歩の運動神経は上位層だからな。


「まあ、この結論になることは予想していたよ。それで、具体的な作戦っていうのは・・・」


冬川の作戦は少しばかり大掛かりなものだが、歩の長所を生かすという面では申し分ない。





私立姫百合女学院屋上にて、俺含めた10人。つまり、この学院を拠点とする仲間全員が集合している。


「で、急に屋上に集合させて何か用か?」


皆を代表して勇人が俺に聞いてきた。


「そうだ。詳しくは冬川が話すらしい。」


冬川は全員の前に立つ。


「ここ数日、他のチームが攻めてくることもなく、平和な日常が続いているから皆体が鈍っていると思ってこんな企画を用意してみました!」


冬川が手に持っていたノートパソコンのエンターキーを勢いよく押すと全員の端末が一斉に鳴った。


そこには[鬼ごっこ(改)]と書かれてあり、スクロースるとルールが記載されている。


鬼ごっこ(改)

・ルール

基本的には普通の鬼ごっこと同じ

ただし、鬼に捕まったら屋上に集合

制限時間:1時間

範囲はこの学院内ならどこでも

能力の使用は不可


・勝利条件

逃げ側:一人でも生き残る事

鬼側:全員捕まえること


・特殊ルール

ゲームマスター(冬川)の気分次第で定期的に追加される


以上



「ルールは大体理解できたかな?それじゃあ、鬼をランダムで選ぶよ」


再び冬川はノートパソコンのエンターキーを勢いよく押す。


モニターにはルーレットが大きく表示されていて、冬川以外の全員の名前が表示されている。


ぐるぐる回るルーレットはやがて勢いをなくし、矢印が示す方向には如月暁と書かれてある。


「じゃあ、鬼は暁で。とりあえず25分後に開始という事で他の人たちは今のうちに逃げてね」


皆、以外にも乗り気なようですぐに屋上から姿を消した。



「ここまでは作戦通りだね。」


「だな。」


勿論この鬼ごっこは俺たちが歩の告白を成功させるための作戦の一つだ。


鬼を決めるルーレットはもちろん冬川がプログラミングをして確実に俺になるように設定した。


歩にもこの作戦の全貌を話そうか迷ったが、ボロを出しかねないので最後のクライマックスのプランだけ話してある。


「じゃあ、私は隠れて指示を出すから」


「了解」



20分経過し俺は動き出す。


「じゃあ、とりあえず音楽室に雪ちゃんが隠れているから捕まえようか。雪ちゃんさえ捕まえれば作戦を問題なく遂行することが出来るし。」


耳に着けている超小型イヤホンから冬川の声が聞こえる。


この姫百合女学院には冬川と俺しか知らない監視カメラがいたるところに設置してある。


目的はもちろん防犯のため。


皆にこのことを話さないのは監視カメラがあることで落ち着いた生活が出来ないと考えたからだ。


日常生活はいざという時に影響を及ぼす。


いつでも最大のパフォーマンスを出せるというのはこの神殺人殺ではかなり大きな要素だ。


ただ、今回はこの監視カメラを悪用させてもらう。


目的のためらな手段を問わない。これが殺し屋の常識だ。




とりあえず、冬川の指示通り音楽室へ向かう。


扉を開け、一応探すふりをする。


「前方の大太鼓の後ろで縮こまってる。」


これだけ近づくと気配でも察知出来た。



「残念だったな。」


そう言って俺は雪の背中を軽く叩いた。


「え、」


雪はこんなに早く捕まるとは思っていなかったのか困惑の表情を浮かべている。


俺はそのまま音楽室を後にする。


「待って」


後ろを振り向くと雪は少し怒ったような表情になっている。


「何か用か。悪いが俺は全員を捕まえなければならない。」


「分かったわ。じゃあ、手短に話すわね。あなた、いや、あなた達、この学院に監視カメラを仕掛けてるわね」


「いや、そんなことはしてないが」


ここまで言うからには監視カメラがあることを確信しているのだろう。


ただ、ここは否定しておく。


「鬼ごっこ(改)が開始してからおおよそ2分。屋上から音楽室まで歩いて丁度2分程度。つまり、あなたは迷いなくこの場所まで来た。これはどういう事かしら。」


「音楽室にいるだろうと思ったんだ」


「嘘ね。まず、私のところに真っ先に来たというのが怪しいわ。恐らく、あなた達は何か企んでいて、それを遂行するためには私という不安要素を先に潰したかった。こんなところかしら。」


全て的中している雪の推理に素直に感心する。


俺や冬川と共に過ごすことでもともとポテンシャルのあった雪の才能が開花しているのか?


ここまで当たれたら否定するのも難しい。


ここは正直に話すのが得策か。


「良い推理だ。雪の言う様にこの学院には至る所に監視カメラが設置されている。例えば、この真上にも設置してあるぞ」


「え、何処?」


「そこの隅だ」


冬川の設置場所は言われても気づかないほど的確だ。


「あんなところに!言われないと気づかないわね。って、今はそんなことどうでも良いのよ。いつから設置していたわけ?」


「俺たちがここに引っ越してすぐだな。」


俺がそう言うと雪は顔を真っ赤にした。


「安心しろ。冬川は知らんが、俺は殆ど監視カメラの映像を見ていない。」








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