第54話 隠し要素4
闇影拠点
???「で、コードの傍にいる人間の情報を手に入れたか?」
???「はい。部下2人を使い戦闘を試みました。その結果、奴は一般人以上の実力を持っていることが分かりました。それも、闇影の幹部クラスの実力を持っているかと」
???「他には?」
???「それが、能力を使わせる間もなく殺されてしまったのでこれと言った情報は入手できませんでした」
???「そうか」
男は高価な椅子から腰を上げ、一瞬にして目の前にいる男の首をはねた。
首をはねられた男は自分が死んだことにすら気づいていない。
それほどにその男の殺しの技術が一級品だったことを示している。
???「やりすぎですよボス。ただでさえ戦力が足りないのに」
「ファントムか。なに、役立たずを始末したまでだ。役立たずは闇影には必要ない」
「そうですか。それよりももうすぐこちらに昔の仲間が到着しますよ」
「分かっている。盛大に歓迎してやれ。元仲間を」
「了解」
-----------------------------------暁視点----------------------------------------
それから俺たちは闇影の刺客に遭遇することなく闇影の本拠地に到着することが出来た。
闇影は俺たちの位置情報を常に把握できる状態にある。
つまり、俺たちが現在闇影の本拠地の正面にいることは闇影のボス含めた幹部に知られている。
だが、誰一人として俺たちを殺しに来る気配がない。
まるで俺たちを歓迎しているかのようだ。
闇影の拠点は意外にも高層階のビルだ。
それも、周囲には一般企業の建物が並んでいる。
一般企業に紛れて活動していたと言う分けか。
「準備はいいか?」
「うん」
「一応確認だが、今回の目的は闇影の解体。つまりボスと幹部を倒せば任務完了だ」
そう、何も闇影の人間を全て殺す必要はない。
主要な人間を殺せば自然に解体されるだろう。
「分かってる。」
俺と冬川は気を引き締め、闇影の本拠地に侵入する。
中に入ると正面には受付の窓口がある。
勿論、受付の人間はいない。
表向きには銀行のような事をしていたようだ。
「冬川、ボスの居る場所の見当はついてるか?」
「多分、社長室にいると思う。ボスの性格的に私たちが来ていても危機とすら感じてないから身を隠すとかはしてないはず」
「分かった。じゃあ向かう先は社長室だな」
とはいえ社長室は64階。
エレベーターはもちろん使えない。
電気が通ってないからな。
よって階段で行くしかないが冬川は体力があまりない。
そこで俺は一つ良い案を思いついた。
「冬川、悪い」
「え?」
俺は冬川を両腕で抱え高速で階段を駆け上がる。
冬川視点だと命の保証がないジェットコースターに乗っている気分だろう。
ふと顔を見ると今にも気絶しそうな表情をしている。
だが、そんなことはお構いなしに俺は階段を駆け上がる。
不思議なことに敵が全く襲ってこない。
俺の情報がある程度伝わっていると考えると幹部クラス以下では足止めすら出来ないと判断したのだろうか。
50階まで駆け上がるとようやく敵のお出迎えだ。
気配だけでもかなりの実力者であることが伝わってくる。
数は4人。
「コードを連れてきたことを感謝する。後は私たちに預けてその場を立ち去れ。」
その言葉には指示に従わなければ殺すという意味も込められている。
俺は冬川を地面に下ろし、少し前に出る。
「気を付けて。その4人が闇影の幹部だから。」
「了解。それじゃあ、すぐ終わらせるからそこで待っててくれ」
そうして俺はさらに前に出て前方にいる4人に告げる。
「冬川は俺の仲間だ。死んでも渡さない。」
俺のその言葉をかわきりに戦闘が開始される。
道中で遭遇した2人の刺客の実力と異なり一人一人が洗練された動きをしている。
それに、不可解なことに先ほどから能力が使えない。
恐らく4人のうちの誰かの能力が一定の範囲の人間の能力の使用を制限する能力なのだろう。
その証拠にこの場にいる誰も能力を使おうとしない。
これは俺にとっては好都合だな。
素の実力であれば俺に分がある。
敵の4人は連携が取れていて一筋縄ではいかない。
個々の実力はもちろん厄介なのがこの連携だ。
俺が一人を攻撃しようとしたら残りの3人がすかさずカバーに入る。
かといって俺が攻撃を止めると4人が一斉に詰めてくる。
狙いはおそらく俺の体力切れ。
それに、俺が攻めるに攻めれない最大の要因が冬川の存在だ。
4人はところどころチャンスがあれば冬川を狙っている。
俺が攻めに徹すると冬川がやられる可能性が高い。
このままでは埒が明かないと判断し一度冬川を抱えその場を離れる。
勿論4人は俺たちを追ってきたが、足の速さは冬川を抱えたままの俺に分があり途中で諦めたようだ。
ある部屋に身を潜め、気配を消す。
そして、俺は冬川に一つの作戦を伝えた。
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