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神殺人殺  作者: ナノ
52/85

第52話 隠し要素2

とりあえずは2人で皆の元へ戻り、俺達二人で行動出来るように会話を誘導する。


「ごめん皆、急に飛び出しちゃって」


謝罪をする冬川を皆は暖かく迎えてくれた。



「じゃあ、冬川さんが戻ったことだし対策会議を再開しましょう。」


「対策と言っても、この学校を防衛するだけじゃないのか?」


「そうね。基本的にはここを防衛するだけで良いわ。けど、それだけの事も今の状況的に厳しいことは矢野君も理解しているでしょ」


「そうだな、俺達12人でどこまで守れるか・・・」


結局この議論はここから話が進まない。

それもそのはず、俺達は12人という少数で第2ステージに挑んでいる。

そのため、純粋な防衛では隠し要素のクリアは難しい。

それならば、仲間を増やすという考えもある。

だが、仲間を増やそうにも、そう簡単なことではない。

まず、信頼できる仲間を探すのが困難だ。

俺たちと状況が似たような防衛チームと連合を組むことも考えたが、そいつらでさえ裏切る可能性は十分にある。


俺が実力を出せば、隠し要素をクリア出来なくもないが、全員守れる保証もない。

それに、俺には雷鳴を壊滅させるという使命がある。

この隠し要素は俺と冬川抜きで攻略しなければならない。

だが、雪はともかく他の仲間は実力が不十分。


こうしている間にも、他のチームが攻めてくる可能性だってある。

俺は本来使うつもりのなかった作戦を実行に移す。


「防衛の事なんだが、俺と冬川は学校の外、皆から距離を置こうと思う。」


俺のその発言に冬川を除いた全員が驚愕する。


「どういうことだ?それは自殺行為だろ」


「いや、そうでもないさ。俺はここで全員で協力して防衛するよりも、核プレイヤーである冬川と他のメンバーで距離を置き、敵の戦力を分散させた方が生き残る確率が高くなると思う。」


「確かに、暁の言う事も一理あるが、暁が冬川さんについていく理由はなんだ?」


「役不足かもしれないが、一応はボディーガードのつもりだ。」


「一番危険な役目だぞ」


「分かってる」


俺が折れないことを確信したのか勇人は説得をやめた。


「栗花落はそれでいいな?」


雪が拒否しないと分かっていながらもこのチームのリーダであるため、表面上は許可を取っておく。


「え、ええ」


雪の動揺がこちらにも伝わってくる。

あとで、諸々の事情を説明するとしよう。





ある程度の作戦が固まり、各々戦闘準備に取り掛かる。

戦闘準備と言っても、やることはほとんどない。

心の準備と言ったところか。



その間、俺と雪と冬川は屋上に来ていた。


「で、どういうことなの?」


やはり雪は俺の発言がおかしいことに気づいていた。

そう、俺はあの時、核プレイヤーである冬川と他のメンバーの距離を置くことで敵の戦力を分散させた方が勝率が高いといったが、俺の実力をある程度知っている雪からすれば、この作戦はおかしい。

俺の実力であれば、連合が相手だろうと勝利することが出来る。

それは雪も理解している。

だから、あの時の俺の発言が引っかかっているようだ。



この作戦の意図を説明するために、俺は雪に諸々の事情を話した。

俺が元最強の殺し屋だという事、冬川が元雷鳴という殺し屋組織に所属し命を狙われていること。それと、冬川にも同時に俺の本当の能力についても伝えた。


これは俺にとってかなりのリスクだが、この2人は信用できると確信している。

例え、拷問されても俺の本当の能力は秘密にしてくれるだろう。


「まって、色々予想外すぎて頭が混乱しているわ」


数秒で状況の整理が出来たようで、雪は落ち着きを取り戻した。


「つまり、その雷鳴って組織の人間が私たちを殺しに来る可能性があるという事?」


「そうだ。厳密にいえば、冬川狙いだが冬川と同じチームの雪たちを殺す可能性も十分にある。まあ、雪たちを始末するのはおそらく雷鳴の中でも下っ端の連中だからあまり警戒する必要はない。」


「で、彼方でも私たちを守りながらその雷鳴って組織を相手にするのは難しいの?」


「正直厳しい。無理ではないが、全員を守りながらだとさすがに骨が折れる。それに、この機会に雷鳴は潰しておきたい。今後、俺達の障害になる可能性だって十分にある」


「分かったわ。こっちの防衛は任せて。それと・・・気を付けてね」


「了解」



話を終え、お互い自分のやるべきことに取り掛かる。


「でも、どうするの?雷鳴についての情報がほとんどないから手の打ちようもなくない?」


「それなら、多分大丈夫だ。」


そう言って俺は神に配布された端末を起動し、ある人物に電話を掛ける。

電話相手はついこの間連絡先を交換した人物。

俺の元同僚であり、頼れる仲間。

闇影イクリプス、元Ω部隊所属α6。

数回のコールが鳴りα6は電話に出た。


「久しぶり。君から掛けてくるとは思わなかったよ。」


その、聞きなれたきざな声が俺の耳をくすぐる。


「悪いな、急に。それよりも、頼みがある」


そうして、俺はα6に雷鳴についての情報を聞き出した。

俺の予想通り、α6は雷鳴についての情報をたくさん持っていた。

いや、α6だけではない。

現在α6の近くにいるα5やα4の声も聞こえた。

懐かしい仲間の声に心を打たれるが、今はそんな暇はない。


「君の事情的に有益になる情報はこのくらいかな」


「助かった。それと、あと一つ頼みがあるんだが・・・」



一通りの話を終え、電話を切る。


「雷鳴の情報を入手した。拠点の場所もつかんだ。今から行くぞ」


「え、どうやって」


冬川は驚いている。

それもそのはず、情報漏洩に厳しい組織である雷鳴の情報をいともたやすく手に入れたのだから。


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