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神殺人殺  作者: ナノ
48/85

第48話 チームリーダー

「全員、読み終えた?」


代表として雪が発言する。

このチームのリーダーは表向きには雪と冬川だが、冬川と雪には基本的には雪主導でチームを指揮して欲しいと頼んである。


歩と白石以外が読み終えているようだ。

雪は歩と白石を無視して話を続ける。


「第2ステージのルールなんだけど、今の私たちにはぴったりだわ。この12人でチームを組みましょう」


そうして、俺達全員はチームの承認を済ませた。


「リーダーなんだけど、私は如月君を推薦するわ」


「何故だ?暁には悪いが、リーダーは栗花落さんが良いと思うぞ」


雪の突拍子もない発言に勇人含め全員が困惑している。


「確かに、普通のリーダーであれば私か冬川さんがなるべきね。でも、今回のルールではリーダーにチームの欠片が配布され、それを破壊されたら全員が死亡するというのがあるわ。私と冬川さんは前線で戦う可能性が高くなると思うの。だから、私たちはリーダーにならない方が良いと判断したわ」


雪はそれっぽい理由を言った。

何故雪がこんな提案をしているかというと俺が雪と冬川にメールで指示を出したからだ。

第2ゲームの肝はチームの欠片を破壊されないことにある。

俺であれば、よほどのことが無い限りチームの欠片を破壊されることはない。

雪か冬川にリーダーになってもらうのも考えたが、雪はまだ成長途中で、冬川は雷鳴の人間に狙われているのと、シンプルに身体能力に難がありすぎる。

以上の事を踏まえると俺がリーダーになるのがベストだと考えた。

だが、全員が納得してくれるかは別の話だ。

現に今、勇人が反発している。

勇人だけではない歩も言葉にはしてないが、表情を見れば不安を隠せていない。

だが、よく見るとこの2人以外はあまり反対ではなさそうだ。

晴翔と八乙女は何を考えているか分からないがとりあえず反対という表情をしていない。

白石は俺の実力をある程度知っているおかげで黙っている。

愛奈、椿、笠原も俺がLv10のゲームをクリアしたという実績を知っているから特段反対ではないようだ。

安藤はそもそも意見を出すような性格ではない。

よって、俺がリーダーになるためには歩と勇人を納得させなければならない。

まあ、雪と冬川に任せておけば大丈夫か。


「栗花落さんの意見は分かった。だけど、暁を選んだ理由を教えて欲しい」


「それは、如月君は命令に忠実だからよ」


「俺たちは栗花落さんたちの命令に従わないって言うのか?」


勇人のこの発言に冬川が笑いながら反論する。


「気づいてないのか。現に今、矢野君は雪ちゃんの意見に反発しているよ」


「それとこれとは別だろ」


「別じゃないさ。君は全員の命がかかった状態に陥ったときもそんなことを言うのかい?」


その発言に勇人は唇をかみしめて黙った。

さりげなく俺がリーダーになるよう誘導するように頼んだはずだが、最悪の空気になってしまった。


「じゃあ、決まりね。早速だけど、チームリーダーの承認を済ませてくれる?」


雪はこの空気を気にしていないように俺に指示を出す。

俺は、端末を開きチームリーダーと書いてある場所をタップする。

すると、掌に手のひらサイズの結晶が出現した。

堅そうだが、本気を出せば壊せそうだ。

俺は、その結晶を試しに雪に渡してみたが、雪の手に渡ると同時に俺の手に戻った。

どうやら、俺の身体から離れると自動的にチームリーダーのもとに戻るらしい。

失くす心配はなさそうだ。

それよりも、まだ問題は解決していない。

この地獄のような空気を何とかしなければ。



一度全員解散し、俺はすぐに勇人を屋上に呼び出す。


「悪いな。あんなこと言ってしまって」


勇人は開口一番謝罪してきた。

いつもの勇人ならあの場の空気を悪くせず、理論的に語っていたはずだ。

原因は何となくわかる。

勇人は2度の失敗をしている。

1度目はバトルロワイヤル、2度目はbeastに誘拐されたこと。

どちらも勇人がリーダーの時に起こったことだ。

全てが勇人の責任だとは言わないがリーダーであれば責任は問われる。

勇人をbeastから救って目を覚ました時は普段通りにしていたが、やはり心に傷を抱えてしまったようだ。

心の傷というのもは物理的な傷に比べ修復が難しい。

俺は慎重に言葉を選ぶ。


「ああ、勇人のせいで空気が最悪になったな」


俺はあえて勇人を責める。

ここで優しい言葉をかけても意味はない。


勇人は黙ったままだ。


「勇人が本調子じゃない理由を当ててやろうか。それは、自分の無能感を実感したからだ」


俺は確信を突く。

勇人は学校で成績上位なこともあり自分を優秀な人間だと思っていた。

だが、実際こうした場面に合うと何もできていない。

何なら、チームに迷惑をかけている。


「それは、、、」


反論しようとしたが、言葉が出ないようだ。

俺はさらに追い打ちをかける。


「栗花落が仲間になったことで自分の上位互換に嫉妬したんじゃないのか?」


「違う!!」


そう言った勇人の声は震えている。


「何も間違っていないだろ。今のお前は自分の存在意義が分かっていない」


「・・・」


俺は勇人の肩に手を乗せ、言葉を掛ける。


「焦らなくていいんだ。勇人は栗花落にないものをたくさん持てる。その強みをゆっくりと見つけろ。そうすれば、自分を認められるはずだ」


最後そう言葉をかけ、俺は屋上を後にする。

これからどう成長するかは勇人しだいだ。

だが、一度落ちた人間が仮に上がってきたら思いもよらない成長を成し遂げることがある。

そのために俺は勇人を一度どん底に落とした。

これで、落ちたままだったらその時はその時だ。

だが、俺が今まで勇人を見てきた限りだと、このくらい難なく乗り越えてくるはずだ。



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