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神殺人殺  作者: ナノ
41/85

第41話 愛奈3

明らかに罠だが、踏んでみよう。

俺はその細い糸を足で軽く引いた。

その瞬間、自作であろう警報機が辺りを轟かせる。


「やばいよ」


さすがに愛奈も怯えている。


「大丈夫だ。それよりも離れるなよ」


そう伝え、警戒する。

周囲の気配を探ると、2人が近づいてくる。

俺はそいつらが来る前に両手を上げ降伏を示しておく。

無駄に戦闘するのも良くない。

それに、愛奈に俺の実力をあまり知られたくない。



2人が俺を視認し攻撃の構えを取る。

だが、こちらの意思が伝わったのか攻撃の構えを解き、ゆっくりと歩いてきた。

お互の間合いギリギリの距離になり動きを止める。



「こんなところで何か用か?」


「悪い、特に要は無い。ただ、暇だったから歩き回っていただけだ。」


「ここは女子高だぞ。」


2人も男なのによく言えたものだ。



その言葉を聞き、俺の背中に隠れていた愛奈が出てきた。


「私が通っていた高校だから大丈夫」


「なんだ、もう一人いたのか?」



「それで、お前たちはなぜここに居る?」


「ここはには良い設備があって罠も張りやすい。それにもしもの時に脱出する避難経路が複数ある。今の治安は最悪だからな、ここで暮らしてるんだ。」


「全員で何人のチームなんだ?」


「4人。いや、4人だった。」


だった?

ゲームで一人か二人死んだのか?

とりあえず深くは聞かないでおこう。


「分かった。邪魔して悪かったな。」


そう言って俺は愛奈を連れて引き返そうとする。


「待ってくれ!!」


目の前の男は何やら焦っている様子だ。

俺は一度立ち止まり話を聞くことにする。


「助けてほしい」




俺と愛奈は目の前の男の案内する場所についていく。

廊下には数々の罠があり、男たちは罠があるたびに忠告してくれる。

誰が張った罠か分からないが、非常によくできている。

特に人間の意識外に設置しているため警戒していても普通の人間であれば気づかない可能性が高い。



「此処だ」


そうして案内された場所は校長室。

各教室ほど広くはないが4人程度なら快適に生活できるほどの大きさだ。



「ただいま」


男たちは部屋に入り中にいる女に話しかける。


「敵じゃなかった。安心しろ」


女は安堵の表情を作る。


「君たちも入ってくれ」



そう言われ「邪魔します」といって中に入った。


「ようこそ」


女は俺と愛奈を歓迎してくれているようだ。


「じゃあ、早速本題だが俺たちの仲間を助けてくれ。」


そうして男は話し出した。



内容は神殺人殺なら特に驚かないような内容だ。

いつも通り4人でゲームをしていた時、俺たちに話しかけてきた男がミスをし、一人の女がゲームの世界に閉じ込められた。

その女を助けるためにもう一度挑戦したが、司令塔の役目を今までその女がしていたため、ゲームにクリア出来ずにいるらしい。

後2日で第一ステージが終わることから早く助け出したいとのことだ。



俺はその話を聞き、疑問点が生まれた。


「質問なんだが、なぜお前らはゲームに失敗して生きている。基本的にどのゲームでも失敗したら死ぬだろ」


俺が今まで挑戦したゲームは失敗したら死だった。

ルールには明記されていなくても基本的に失敗すると死ぬ。

ゲームに色々挑戦する中で失敗した人間は体が内側から爆発する。

恐らく第一ステージで星の獲得数が10個未満の人間はこのように死ぬのだろう。



「ああ、そうだな。基本的にはどのゲームでも死ぬ。だけど、俺たちが挑戦したゲームは失敗したらゲームに閉じ込められるというルールがあった。それに、いつでもノーリスクでリタイア出来た。」


そういうゲームもあるのか。

ノーリスクでリタイアできるのに失敗しゲームに取り残されたという事はこの男が何かしらの失敗をし、リタイア出来ない状況になったという事か。


「それで、どのゲームなんだ?」


俺がそういうと男は端末をこちらに向けてきた。



ゲーム名:ラッシュ

ルール:クリア条件 全て撃破

    リタイア有 (リスク無)

    参加人数10人以下

難易度:Lv10



なるほど。

このゲームはこいつらではクリア出来ないな。

まず、Lv10というのがおかしい。

BeastのリーダーだったKINGでもLv10のゲームをクリアするのは無理だろう。



「なんで、Lv10のゲームに挑戦したんだ?」


「それは、始めはLv10じゃなかったんだ。最初に挑戦した時はLv5でルールも少し違った。それで、あいつがゲームに閉じ込められて助けに行こうとしたら難易度がLv8になっていた。それでも挑戦したが開始10分でリタイアしてしまった。そしたら次はLv10になっていた。」



俺はその話を聞いて内心でため息を付いた。

自業自得だな。

それに何の考えなしにゲームに挑戦した結果もさらに状況が悪くなっている。

前職でも感じていたことだが、最大の敵は有能な敵ではなく無能な味方という言葉が一番しっくりくる。

少し同情するが助ける義理は無い。



「悪いが、Lv10は無理だ。」


そう言って俺は立ち上がりその場を後にしようとする。

が、愛奈が止めてきた。


「助けてあげようよ」


「Lv10のゲームだと俺たちも死ぬ可能性があるんだぞ」


そう言っても愛奈は引き下がらない。

よく見ると少し泣いているようだ。



感性が豊かだと苦労するな。





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