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神殺人殺  作者: ナノ
40/85

第40話 愛奈2

晴翔は端末をスクロールし自信ありげにある服を推薦する。

俺はその服を購入し、早速着た。


「どうだ?」


2人に感想を求めたが、返事がない。

数秒の間が空き、ようやく返事が返ってきた。


「何というかいつも通りだな。」


「そうだね」


晴翔が選んだ服は黒の服に黒のズボン、いつも俺が着ている服とほぼ同じだった。

違いと言えばフードがついているかの違いしかない。

きっとこれでは合格はもらえない。



だが、困ったな。

晴翔ならセンスがあると思っていたが、俺と同じ感性を持っていたとは。



仕方なく俺は2人にお礼を言ってとある場所に向かう。



リハビリ室から少し歩いて女子部屋に行く。

ノックをするとどうぞという声が聞こえ扉を開ける。



中には八乙女柚が居た。


「どうしたのですか?」


「急に来て悪いな。」


一言謝罪し、同様の相談をする。



「なるほど、お出かけに着ていく服ですか。」


「そうだ。勇人たちには相談したが、あまり良い成果がなかった。こういうのは女の方が得意だと思ってな」


「いい判断です。」


八乙女は嫌な顔をせず俺の相談に乗ってくれる。

実によくできた人間性だ。

八乙女は手際よく俺の端末をスクロールし、とある服を推薦する。

前回と同様それを購入し早速着てみる。

俺は、勇人や歩の時と同様にその場で着替えようとしたが踏みとどまれた。

人前で服を脱ぐのにあまり抵抗がないため無意識に脱ごうとしたが、さすがに女の前ではセクハラと言われてしまうかもしれない。

八乙女なら笑って許してくれそうだが、紳士としての配慮だ。

そうして一度、男部屋に帰り着替えて女子部屋、つまり八乙女がいる場所に戻った。


「どうだ」


感想を聞いてみる。


「すごく良いと思いますよ。似合ってます。」


八乙女はそういうが、彼女ならどんな服装でも似合ってると言いそうだ。

むしろ、似合ってないというマイナスな発言を彼女がするとは思えない。

だが、少しめんどくさくなったこともありこのまま愛奈がいる場所まで行く。



かなり待たせてしまった。



病院の入り口に愛奈は立っていた。


「待たせたな」


「遅い。でも、合格」


合格という言葉に安堵を覚える。

やはり、ファッションの事は女に聞くのが良かったようだ。



そして、俺たちは2人で病院の外に出る。



この辺一帯はbeastの管理以下だったため少し荒れている。

そこら中に能力を使った痕跡がある。

小さな建物は崩壊し、ビルなどの大きな建物は一部が欠落している。



こんな場所を歩いて楽しいのか?



だが、さらに歩くと普段通りの町の風景が広がっていた。

勿論人はいないが。

殆どの人間は家に閉じこもっているか、どこかの組織に入りその拠点にいるはずだ。




適当に雑談しながら歩いていると目的地に到着したのか愛奈は足を止めた。

目の前には見覚えのある建物が立っている。

そう、ゲーム名;塔 で最終階層の舞台になった学校だ。

その時に聞いた話によると雪たちが通っていた学校だそうだ。

外観は俺が通った高校に比べとても大きく清掃が行き届いているのかかなり綺麗だ。

さすが、お嬢様校と呼ばれるだけある。

学校名は確か、私立姫百合女学院しりつひめゆりじょがくいん

全国の社長令嬢が集まっているのだとか。

教師人もかなり優秀なようで有名大学を卒業したものですらそのほとんどが首になっているらしい。


「じゃあ、入ろうか。」



そうして2人で学校の校門を通り、校舎へ向かう。

俺が入ってもいいのだろうか。

そんな疑問が頭をよぎったが、今は人がいないことだし大丈夫だろう。

そう結論付ける。



「何で、ここに来たんだ?」


「うーん。私が通っていた学校を暁にも見せたかったから。」


意味が分からない。

俺にこの学校を見せて何になるというのだろうか。

これが女心と言うやつなのだろうか。



階段を上り一つの教室に到着した。

3年5組。

それが愛奈のクラスらしい。

それに雪、八乙女、安藤も同じクラスだという。



中に入り周囲を見る。

俺が通っていた高校とは大きく異なりまず黒板がモニターだった。

それに、机にタブレットが埋め込まれている。



これだけの設備、いったい学費はどれくらいするのだろうか。



そして、愛奈は自分の席から、雪、八乙女、安藤の席を俺に教える。

雪の席は一番後ろの端、雪らしい位置取りだ。

勉強なんて自分で出来ると言わんばかりに授業中は窓の外ばかり見ていそうだ。



愛奈の席はど真ん中。

これも予想通り。

周囲にいる友人たちと授業を盛り上げている様子が目に浮かぶ。



その後も愛奈は学校の中を案内してくれた。

家庭科室、音楽室、美術室、全ての教室が規格外だ。



3階を案内すると言って愛奈は階段を駆け上がる。

俺もそれを追う様に階段を上がったが、人の気配を感じた。



俺は愛奈の腕を掴み、足を止めさせる。


「誰かいる。」


愛奈にそう伝え、俺は愛奈の前に出て警戒する。

雪の時とは違い、愛奈は俺の背中に隠れるように身を縮こませた。



ゆっくりと気配の方へ近づく。

気配的に手練れではなさそうだが、それは能力次第だ。

3階に上りきるとトラップの様に紐が一本足元に仕掛けられている。

常人なら気づかないような細い糸だ。



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