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神殺人殺  作者: ナノ
38/85

第38話 実家3

困ったものだ。

俺の年齢は今年で18歳となるが、この年でもう結婚の事を考えなければならないとは。



一度考える。

いや、考えるふりをする。

俺の結論はすでに決まっている。


「お断りします」


「何故だ?私が言うのもなんだが、娘の顔はかなり整っている部類だと思うぞ。」


確かに雪の顔はかわいい。

モデルと言っても過言ではないほどに。



それからお互い意見をぶつけ合う。



「分かった。それじゃあ、今は結論を出さなくていい。だが、前向きに検討するという事でどうだ。」


これ以上言い合ってもお互いの時間が無駄になるだけと判断し妥協案を飲むことにする。


「分かりました。まあ、神殺人殺が終わるまで生き残ればの話ですけどね。」


そう、この話も神殺人殺で死んでしまっては意味がない。

全部クリアする頃にはほとんどの人間が死んでいると考えられる。

それに、仮に生き残ったとしても結婚どころではないはずだ。

そのことを俺も雪の父も分かっていながら今の会話をしていた。


「じゃあ、俺はこれで失礼します」


そう言って部屋の扉を開ける。


「雪の事頼んだぞ。」


俺は無言で頷き部屋を後にする。

最後までは世話を出来ないが神殺人殺で生き残れるくらいには強くする予定だ。




バカでかい玄関に到着すると雪が待っている。


「どうだった?」


「まあ、結婚は許してもらった」


雪の不安げな顔は安心と喜びの表情に変わっていく。


「それで、あんたは私と結婚してくれるの?」


俺の顔を見ずに聞いてくる彼女に俺はこう答える。


「前向きには検討する。」


このあいまいな返答に不満を漏らすと思ったが実際は「ありがとう」という言葉が返ってきた。



「そういえば服とか持って帰らなくてよかったのか?」


「ああ、あれは嘘だから」


「だろうな」


「なんだ、気づいてたの?」


「ああ、家に行く理由として服の調達と言っていたが、雪の性格からしてそんな理由で行動を起こさない。他に何か理由があるだろうとは思っていた。まあ、まさかそれが親に俺を紹介するものだとは思わなかったが。」





俺たちが病院に戻るとすでに夜になっていた。


病院の中に入りとりあえず歩たちがいる男部屋に行く。

雪は隣の愛奈たちがいる女部屋に行った。



何やら騒がしいな。

扉を開けるとそこには勇人がいた。

目を覚ましたのか。


部屋の中に入ると勇人がこちらを見て近づいてくる。


「心配かけたな。」


「ああ、心配した」


勇人にやつれた様子はない。

心配していた心の方の傷もあまり深くなさそうだ。

俺が帰ってくる間に歩たちが傍にいてくれたのが良かったのだろうか。



そのあと俺達は神殺人殺の事を忘れたように友人同士の他愛もない会話をし、やがて眠りにつく。

第一ステージが終了するまであと3日。

明日からは星の獲得に専念するか。




そうして朝日が昇り朝を迎える。

俺は最近やっていなかった日課である指一本腕立て伏せをしている。

その隣で雪は腕立て伏せを100回している。


「どうした?まだ2セット目だろ。こんなんじゃ第2ステージで死ぬな」


「うるさいわね。普通の人間は腕立て100回を5セットなんて出来ないから」


「そうか?アスリートなんかはやってそうだけどな。」


「いや、私アスリートじゃないから。」


「確かに。」


そういう無駄な会話をしながら着実に回数を重ねていく。

俺が1000回終わったところでようやく雪も5セット終了したようだ。



「それで、今日は何するの?」


「俺は適当に星を集めておく。雪は皆の護衛をしつつ俺が言ったトレーニングをしておいてくれ」


「了解」


そうしてひとまず別行動をする。





とは言ったものの星を獲得しすぎてもう上限に達したような感じがする。

いや、おそらく上限に達したのだろう。

俺の現状の星の数は6090個。

6000個を超えたあたりから能力の成長が止まっている。

そんな事を考えていると愛奈がこちらに向かって走ってくる。

愛奈とは仲良くなり2人でいても気まずさがない。

とはいえ、陽キャすぎて少し会話が疲れるのが難点だ。



「暁―!」


愛奈は近づくにつれ声を出し手を振りながらこちらに向かってくる。

周囲に人はいないがこうも大声で自分の名前を呼ばれると少し恥ずかしい。

愛奈は俺に抱き着き上目遣いをする。

こういう時、雪が近くに居たら止めてくれるのだが生憎さっき別れたばかりだ。

振り払えないこともないが、まあ、このままで良いだろう。


「今日はこれから何するの?」


愛奈には俺が一人で星を獲得するためにゲームに挑戦することを伝えていない。

雪以外には俺の実力を知られないためだ。


「今日は予定がないな」


「そう、それで、昨日は雪ちゃんとどこに行ってたの?」


とても困る質問だ。

雪の家に行っていたなんて言うと俺たちの関係を誤解されてしまう。

かといって雪と俺で行きそうなところと言えば。


「昨日は2人でゲームに挑戦していた。栗花落は俺の能力が使い物にならないと判断しているのかもな。だから、少しでも能力を強化させようとしている。」


俺と雪が2人でやっていてもおかしくないこと。

すなわちゲームだ。

この思考にたどり着いた自分をほめてやりたい。




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