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神殺人殺  作者: ナノ
36/85

第36話 実家

俺と雪は気配のする方向へ進む。


階段を上り長い廊下の先へ進むと他とは少しだけ違う扉がある。


この中から複数の気配を感じる。



「開けていいか?」



一応確認を取る。


「ちょっと待って。ここはお父の書斎だから私から行くわ。」


「それは危険だ。さっきも言ったように仮にこの中にいるのが犯罪者だったらどうする。」


雪はとなりため息を付き、俺の生死を振り切りドアをノックし扉を開ける。


「失礼します。」


俺は雪の後ろで警戒し、もしもの事態に備える。

だが、その心配も必要なかった。

扉の中には一人の人間が堂々と座っており、その周囲には黒服を来た5人の人間が立っている。

本当に雪の父とその護衛だった。


「お父様ただいま戻りました。」


挨拶をする雪に対し無視を決め込む雪の父。

あまり良好な親子関係でないことが一瞬にして分かった。

雪は無視されたことをさほど気にしていない。

きっといつもの事なのだろう。

黒服の人たちも動揺していない。

数秒の沈黙。

雪の父は持っていたペンを置き雪の方を見る。


「生きていたか」


それが、久々に会った娘に対しての第一声だった。


「ええ、良い仲間に巡り合うことが出来ましたから。」


「で、何の用だ。」


「お父様に紹介したい方がいるので連れてきました。」


ん?

今、紹介したい方がいると言ったよな。

現状この場には俺と雪、そして雪の父とボディーガードの黒服しかいない。

状況から察するに紹介したい人とは俺の事になる。

俺を紹介してどうするつもりだ。



雪は後方にいる俺を睨み、挨拶をしろと目で伝えてくる。

ここで、挨拶をしなければ後々めんどくさいことになりそうだ。

だが、挨拶してもめんどくさいことになる。

どっちも同じなら、とりあえず挨拶だけはしとくか。

そう思い俺は扉の前に立つ。


「初めまして、如月暁です。雪さんとは同じチームとしてゲームをクリアしてきました。」


雪の父は俺を睨みつける。

目つきの悪さはこの父親譲りだな。

何故睨みつけられているかは何となく想像できる。

俺の今の服装だ。

雪は訓練の後、着替えをしていてかなりおしゃれな格好をしているが、それに比べ俺の格好は黒のズボンに黒のパーカー。

まるで今から犯罪でも犯すのかと言わんばかりの服装をしている。

こんな立派なお屋敷に行くと伝えられてればもう少しマシな服装をしていたのに。

まあ、雪の父とは金輪際会う事はないだろうから評価なんとどうでも良いが。


「お前の目も腐ったな。こんな奴を仲間にするとは。」


目の前で馬鹿にされた。

だが、ここで反論する俺ではない。


「いいえ、私の目は確かですよ。彼は強い。それも、お父様の周囲にいる黒服の方々よりも」


雪がそう言うと黒服の人たちは少し怒ったのか気配が変わった。

自分よりも、ひとまわりも小さい少女に言われたのだから仕方がない。

だが、俺の見込みだと黒服が全員で相手をしたとしても能力を使った雪に分があると思う。

まあ、それも黒服の能力次第だけどな。


「ほう。お前がそんなに言うとは珍しいな。」


「ええ、私が認めた方ですから。それよりも、私は彼と結婚するのでそのつもりでお願いします。」


俺は黙って栗花落親子の会話を聞いていると不思議な言葉が聞こえた。

今、彼と結婚すると言ってたよな。

彼というのは言わずもがな俺の事だろう。

否定したいがそんな空気ではない。

とりあえず、ひと段落付くまで黙っておくか。

弁明はいくらでもできる。


「ダメだ。お前には私が決めた相手と結婚してもらう。それが栗花落家に生まれた者の宿命だ。」


「お父様が選んだ相手は確かに家柄は良いかもしれませんが、本人は何の努力もせず親のすねをかじっているだけではありませんか。そんな方と結婚したくありません。」


雪の父は席を立ち雪に近づく。

そして拳を振り上げ雪を殴ろうとする。

今の雪では避けれない。

家庭の事情に首を突っ込むのは良くないと思い黙っていたが相手から俺を巻き込んできたのだから話は別だろう。

俺は雪に拳が当たる直前にその拳を止めた。

俺が雪の父の拳を握ると黒服が一斉に近づいてきて俺の腕を掴む。

相手は力を入れているのだろうが、その程度じゃ俺には効かない。

俺は雪の父の拳を軽く握る潰すのも良いと思ったがさすがにそこまでする必要はないと判断し手を緩め拳を解放した。


「強いというのも嘘ではないようだな」


「では、彼との結婚を認めてくださるという事ですか。」


「ダメだ。いくら強かろうがやはり大事なのは家柄だ。お前の両親は何の仕事をしている」


雪の父はこちらを向き質問してくる。

だが、生憎と俺に両親はいない。


「両親には会ったことありません。自分は国からの支援を受け一人でここまで育ちました。」


俺は半分嘘をついた。

確かに両親には会ったことがない。

いや、小さいころに会ったのかもしれないが覚えていない。

それに俺を育ててきたのは、屈辱だがボスだ。

まあ、俺の養育費は自分で稼いだけどな。



雪の父は論外と言わんばかりに深いため息を付く。


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