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神殺人殺  作者: ナノ
27/85

第27話 塔7

「俺の過去の事まで把握してるのかよ」


「当然です。神ですから。ですが残念です。こんなに優秀な方を殺さなくてはならないとは」


ヨネアは俺を何が何でも殺す気のようだ。

まずいな。

俺が本気を出せば倒せるか?

いや、気配だけでも目の前にいる神は俺を凌駕している。

こいつを倒すには少なくとも星1000個は必要だろう。

だが、倒す以外にこの窮地を抜け出す手段はないな。

そう結論付け俺は戦闘態勢を取る。

本気を出すのはいつぶりだろうか。


「やっとやる気になりましたか。私も楽しみです」


俺は地を全力で蹴りヨネアの眼前まで高速で移動する。

そしてナイフをヨネアの心臓めがけて突いた。

だが、いとも簡単に躱された。


「能力は使わないのですか?せっかく差し上げたのに。能力なしでは私に勝てませんよ」


ヨネアの挑発に乗るわけではないが確かに能力を使わなければ攻撃が当たる気がしない。


「そうだな。じゃあ俺の新技を試させてもらう。」


「どうぞご自由に」


ヨネアは余裕の表情を浮かべている。

俺が生み出した技。

星を集め能力が強化されることで出来るようになった今俺が出せる最高火力。

人差し指に圧縮させた空気を集める。

限界まで圧縮させたことにより空間に歪みが発生した。

そして能力を使いヨネアの背後に瞬間移動する。

今度は避けられないようにヨネアの首をもう片方の手でつかむ。

手を銃の形にし、人差し指をヨネアに向ける。


「死ね」


俺はそう小さく呟いて圧縮した空気球を放った。



その威力は絶大で周囲に砂ぼこりが立つ。

手ごたえで分かる。

確実に命中した。



やがて砂ぼこりが落ち着き周囲が見え始める。


「嘘だろ」


久しぶりの絶望が俺を襲う。

確かに命中はしている。

その証拠にヨネアの右腕は欠損している。

だが、彼女は何事もなかったかのようにこちらを見て笑っている。


「今のはかなり良かったですよ」


そう言いつつヨネアは欠損した腕を一瞬で復元した。


「考えましたね。空気を圧縮しそれを放つとは。もう少し能力が強化されていれば私でも死んでいたかもしれません」


今の攻撃で無理ならもうヨネアを殺す手段はない。

いや、絶望するにはまだ早い。

俺はまだ死んでない。

そうして再びナイフを強く握る。

奴にも弱点は存在するはずだ。

それを見つければ勝機はある。


「あら、まだ諦めていないのですね。じゃあ、そろそろ終わりにしましょうか」


ヨネアはどこからか剣を召喚させ構える。

構えは素人そのものだが油断は出来ない。

次の瞬間、目の前からヨネアの姿がなくなった。



俺は咄嗟に頭上を防御した。

俺のナイフとヨネアの剣の衝突音が周囲を轟かせる。

目にも見えない速度、おまけに殺気も消してきている。

ほぼ経験上の勘を頼りに防御したが何とかうまくいったようだ。

だが、これが何回も続くはずがない。



俺は能力を使い周囲の空間の全ての情報を脳に直接流し込む。


「クッ」


とんでもない激痛が走る。

全ての情報、すなわち空間に存在する分子の構造、軌道、流れ全てが俺の脳に入ってきているのだ。

常人では処理できずに脳の回路が焼き切れているだろう。

だが、俺なら数分程度は耐えられる。

この数分で勝負を決めなければ。



空間の情報を脳に入れることによりヨネアの高速移動の軌道が感じ取れるようになってきた。

改めて相当早いな。

ヨネアは今度は正面から俺の首めがけて剣を突いてきた。

俺はそれを躱し、ついでにヨネアを地面に叩きつける。

すかさずヨネアの両手を切り落とし心臓を一突き。

だが、俺が次の動作を行う前にヨネアは俺から距離を取った。

ヨネアの両手足は再生し、心臓への刺し傷も綺麗に完治している。

まったく、どうしようもないな。


「ステージ1の段階で私にここまで傷を付けれた人間は彼方が初めてですよ」


ヨネアの表情はまだ余裕だ。

対して俺はというともう限界に近い。

脳の何処かに異常をきたしたのか目や口からの出血が止まらない。

これが最後の攻撃か。

そうして俺はヨネアに特攻する。

正真正銘の最後の攻撃。

目的を果たせず死ぬのは悔しいが神が相手では仕方がない。



そして俺の攻撃はあっけなく受け止められた。

全身の力が抜けその場に崩れ落ちる。

もう一歩も歩けない。

意識も遠くなっていくのが分かる。



「私は彼方の事が気に入りました。」


遠くなる意識の中、ヨネアの声が聞こえた。

とどめを刺さないのだろうか。

まあ、どっちにしろ、もう脳が正常に働いていない。

ほっといても数秒後には死ぬだろう。



そう確信した次の瞬間、完全回復した。

意味が分からない。

いや、だれが俺を癒したかは分かる。

そう、目の前にいる神ヨネアだ。



「どういうことだ?」


「さっきも言ったじゃないですか。私は彼方が気に入ったと。彼方をここで死なせるのはあまりにも惜しすぎる。ですが、あなたが違反を犯したのも事実。という事で私に貸し1つという事で手を打つことにしましょう。まあ、私のミスでもあるわけですし」


「つまり、俺を見逃すという事で良いんだな?」


「はい、その通りです。先ほどの戦いでのあなたの成長は神に匹敵する成長率でしたよ」


「で、貸しとは?俺は何をすれば良いんだ?」


「そうですね。それは彼方が自力でこの神殺人殺を中盤までクリアしてから教えます。まあ、あなたなら余裕でクリア出来ると思いますよ。あと、あなたの端末に私の連絡先を入れておいたので仮に神と名乗るものが接触してきたらすぐに連絡してください。」




そう言ってヨネアは姿を消した。

俺は助かったらしい。

最後にヨネアが言った神と名乗るものというのが気になるが今は神を相手にして生き残ったことを素直に喜ぶとしよう。


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