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神殺人殺  作者: ナノ
23/85

第23話 塔3

「皆少し待ってて」


そう言った雪は持ってきていたメモ帳とペンをバッグから取り出し何か計算をしているようだ。

恐らくこの迷路の変わっていく経路を数式化し次の経路を予測しているのだろう。

まあ、常人には全ての変わっていく経路を暗記し、次の経路を予測することは至難の業だからな。


そして数分待つと雪は計算が終わったのかメモ帳とペンをバッグに直した。


「何となく分かったわ。おそらくこの迷路は全120パターンを5秒ごとに変わっている。けどそれはランダムじゃない。この120パターンを5グループに分けて・・・」


それから雪は自分の計算式を事細かに説明したが説明を受けている俺を含めた3人は何も分からなかった。

これが天才と凡人の差というやつなのだろう。

まあ、とりあえず「私についてこい」という事だ。


雪に黙ってついていくと計算式が合っていたかを示すよう少しずつ前に進んでいるのを実感する。

この間にも俺の前で3人は雑談をしている。

3人の会話で分かったことと言えば栗花落雪は超が付くほどのお金持ちだという事だ。

どうやら大企業の社長の一人娘らしい。

その親がかなり厳しい教育を施し今の彼女の頭脳と洞察力があるわけだ。


「到着ね」


そんなこんなでこの階層のゴールを示す魔法陣が設置されている。



魔法陣を踏むと前回と同様に別の階層に飛ばされた。

違うところと言えば4人全員で踏んだはずなのに今ここに俺しかいないことだ。

状況から察するにこの階層は全員バラバラに転送されたはずだ。


「まずいな」


俺と栗花落雪は大丈夫だとしてもLv7のこの塔で八乙女柚と一色愛奈を一人にさせてしまった。

神殺人殺の電話機能を試してみたがこの階層ではそういった機能が全て使えないようになっている。

彼女たちは能力的に1人で戦うには厳しいだろう。

それに頭脳面だって俺や勇人そして栗花落雪には遠く及ばない。

一刻も早く助けに行かなければ。


そう思ったが一度考える。

2人を助けるメリットはなんだ?

どうして俺はここまで焦っている。

俺に必要なのは友人の勇人、晴翔、歩そして俺の目的を果たすための存在である栗花落雪だけだ。

2人は栗花落雪を仲間にするための条件として引き取っただけだ。

ここで2人が死んでも栗花落雪は俺を責めることは出来ないだろう。

第2ステージからはもっと困難なゲームを強いられることになる可能性だって十分に考えられる。

それに2人が足手まといになって俺の目的の邪魔になる可能性だってある。

ここで2人を見捨てたほうが俺にとってはメリットが大きいのではないか。


俺は一度深呼吸する。

冷静になれ。

ここで2人を見捨ててしまったらまた、以前の俺に戻ってしまう気がする。

以前の不要なものは仲間であろうと家族であろうと躊躇なく殺す冷徹な自分に戻ってしまう。

昔の思考は捨てろ。

そう自分に言い聞かせて全速力で走り出す。


まず助ける必要があるのは一色愛奈だ。

彼女は八乙女柚に比べ洞察力や戦闘IQが劣っている。

それに能力だって一人での戦闘ではあまり役に立たない。

そう判断し一色愛奈を探す。


だが、まったく手掛かりがない。

とりあえず走り回りながら情報を集めるとしよう。


少し走ると目の前に宝探しゲームの時に各陣地を守っていた守護神が出現した。


「このレベルの敵が出てくるのか」



俺はその守護神を能力を駆使し瞬殺した。

そしてまた走り出す。


数分後見つけ出したのは栗花落雪だった。


「お前か・・・」


「お前かって何よ。私で悪かったわね」


「声に出てたか。それよりも今の状況は最悪だぞ」


「そうね。早く2人を探さないと」


「手掛かりはなかったか?」


「そうね、2人を探す手掛かりはなかったけどここから10分くらい歩いた場所に出口のような扉があったわ。けど、その扉は4人揃わないと開けられない仕組みになっていた。そのことから考えるにこの階層の目的はバラバラに転送されたチームを見つけ出し脱出することよ」


なるほど、チームに探知系の能力持ちが居ればこの階層は簡単だったが生憎俺たちのチームには探知系の能力者はいない。ルールを聞く限りしらみつぶしに探し回るしかないか。



とりあえず俺と栗花落雪は2人で行動することにする。

2手に分かれても再度合流できる保証は無いからな。



そうして二人で探していると再び守護神が現れた。

この階層の敵は守護神という事か。



「私がやるわ」


雪はそう言って水の刃を守護神に放った。

水の刃は守護神に確かに当たったはずだが少し傷ついただけであまりダメージを与えられていない。


「これが利かないの??じゃあ、今度はこれで」


雪は先ほどの水の刃よりも高圧で圧縮させた刃を掌で生成させ守護神に放とうとするが、俺はそれを止める。


「時間が惜しい、俺がやる」


俺は雪の放とうとした刃が守護神に通用しないことを経験則で予測し雪に余計な体力を使わせないためにも制止させた。

そして俺は能力を使わずに守護神に突っ込み持ってきていたナイフで首を切り落とした。

さすがに能力を使わずに守護神の懐に潜り込むのは集中力が必要だがまあ、慣れたものだ。

雪にも俺の実力を少し見せてしまったが問題ないだろう。

こいつの口の堅さは信頼している。


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