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神殺人殺  作者: ナノ
17/85

第17話 宝探し3


「お疲れ様」


ゲームを終え挑戦したゲーム機の前に転送されると早速晴翔が労いの言葉をかけてきた。

まあ、俺自身は何もしてないけどな。


「お手伝いありがとうございました。では、約束通りの報酬です。受け取ってください。」


そういって案内役の女は俺たちにCランクの宝物1個とBランクの宝物1個、計30Pt分の宝物を渡してきた。


「ああ、確かに受け取った。」


俺がそれを受け取ると案内役の女は一度微笑みチームメイトを連れて何処かに行ってしまった。


「俺達は何もしてないがチームとしてはこれで合計50Ptだ。このペースだと時間内には終わるだろう。」


勇人はそう言ってまた宝探しを再開するように俺たちに促した。




色々な場所を探し回って残り10分ほどの時にようやく俺たちは100pt分の宝物を集めることが出来た。


「やっと終わったー」


歩の安堵と喜びの声が俺たちのいるフロアに響く。


「あとはここで休憩するだけでゲームクリアだよね」


「そうだな。一つ懸念点があるとすれば他のチームが俺たちの宝を奪いに来ないかという点だ。だが、今いる陣地には俺たち以外を攻撃するというこの守護神がいるから大丈夫だろう。それに俺たち以外の2チームの内1チームはもう宝物を集め終えたはずだ。彼女たちが俺たちの宝物を狙うメリットは皆無に等しい。」


ここで勇人が言った彼女たちとはさっき俺たちが宝探しを協力した女4人組の事だろう。

勇人、晴翔、歩の3人は歩き回って疲れたのかその場に腰を下ろしている。


「暁は座らないのか?お前もへとへとだろ」


「ああ、ちょっと悪い。トイレに行ってくる。」


「“またか”。すぐ戻って来いよ」


「了解」


そういって俺は3人の視界から消える範囲まで移動した後トイレとは反対の方向へ走っていった。

本来ならこの時点でこの宝探しは終わりだが、気が変わった。

俺の目的を果たすために少しだけ行動を起こすとしよう。





------------------------------------暁を睨んだ女視点-------------------------------


「何で...」


それはあの男たちと別れた後の事だった。

私たちはAランクの宝物を入手し自分たちの陣地に帰ろうとした。

けど、帰る途中にもう一つだけAランクの宝物を入手できる手掛かりを見つけた。

時間も十分に残っていたから皆でAランクの宝物を持って帰ろうという話になった。

けど、その判断が間違っていた。

結局その手掛かりはフェイクで私たちはただ時間を無駄にしただけで何も成果が得られなかった。

そして皆で自分たちの陣地に戻ってあの男たちと協力して入手したAランクの宝物を宝箱に入れようとし、宝箱を開けたらなんと空だったのだ。

確かに嫌な予感はしていた。

何でかって、私たちの陣地にいたはずの守護神が居なくなっていたのだから。

私は頭を高速回転させて考える。

今までのゲームだってそうしてきた。

お世辞にも運動神経が良いとは言えないこのグループで勝ち残ってこれたのは私がこの頭脳を生かしてゲームの抜け道を見つけてきたからだ。

私を信じて付いてきてくれたこの3人を死なせたくない。

残り時間は約10分。

私たちは現在あの男たちと協力して入手したAの宝物1個、つまり50pt分しかない。

よってゲームをクリアするには残り50ptが必要になる。

普通に集めていたら絶対に間に合わない。


ゆきちゃん・・・」


考え込んでいた私を心配してくれたのかつむぎが私の頭をなでてきた。

この子はいつも私を心配せてくれる。

絶対に守らないと。


「あれ雪ちゃんその胸ポケット入っている紙何?」


この子は何を言っているのか私は胸ポケットに紙なんて入れて・・・

そう思いながら胸ポケットを見ると確かに紙が入っていた。

だけどこんな場所に紙なんて入れた記憶がない。

とりあえず中を見ることにする。

私はその紙に書いてある事を確認して全力で走り出す。



---------------------------暁視点-------------------------------------------------


俺はとある目的を果たすためにこのゲーム会場であるショッピングモールの屋上にいる。

待つこと数分で彼女はやってきた。


「予想より遅かったな」


そういって彼女のほうを見る。

相変わらず俺を睨んでいる。

そう、今俺のもとに走ってきた女とはAランクの宝物を入手するのを手伝ったときに俺を睨んできた女だ。


「この馬鹿げた手紙を書いたのはあなたってことで良いのよね?」


「そうだ」

俺は短く返事した。

手紙の内容はいたってシンプル。

屋上に来い。ただそれだけだ。

だが、それだけで彼女は察することが出来るだろう。

現にこの場所に来たという事は俺の意図が伝わったという事だ。


「で、私は何をすれば良いわけ?」

「話が早くて助かる。お前には俺たちの仲間になってもらう」


そう言うと彼女は少し考えこんだ。


「仲間になるってどういう意味?」

「そのままの意味だ。お前には俺たちと共にこのゲームのクリアを目指してもらう。ただそれだけだ。」


「ただそれだけって、あなたにはどんなメリットがあるの?それに私にそんな価値があると思う?」


「俺へのメリットはまだ言えない。だが、お前の価値は教えてやる。それは頭脳だ。俺たちのチームにも頭脳担当の人間がいるがお前の才能はそれ以上だと俺は確信している。」


「私が頭脳担当って、私から見たら貴方のほうが向いていると思うわ」


「そうだな。確かに現時点ではお前より俺のほうが上だろうな。」


そういうと女は少しムッとした表情になった。

しかしもう眼は俺を睨んでいない。


「このゲームを通してお前にはその長所を伸ばしてもらう。お前の観察力や計算力には目を見張るものがあった。」


そう言うと今度は少し照れたような表情になった。

以外とわかりやすい奴なのかもしれない。


「分かったわ。でも一つだけ、私の仲間もあなたのチームに入れなさい」


正直この女一人のほうが扱いやすいがこのくらいの願いくらい聞いてやったほうが今後のためか。

そう判断し俺はそれを了承した。


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