第12話 バトルロワイヤル6
-----------------------暁視点-----------------------------------------
俺は少し遠くで勇人たちが4人の参加者に殺されそうになっている様子を観察していた。
勇人の足が切断されたと同時に動き出す。
勇人たちが死ぬまでおそらくあと30分持たないだろう。
それまでには決着を付けなければならない。
俺が、4人の前に姿を現すと殺気が押し寄せてくる。
「お前、こいつらの仲間か?」
歩を倒したガタイの良い男が話しかけてきた。
「ああ、そうだ。」
俺が短く返事すると大げさなほど笑い始めた。
「そうかそうか。見ろよこの傷、あそこで気絶してるゴミに付けられた傷だぜ。だから今俺はとても気分が悪い。お前でストレス発散させてくれよ」
「やってみろよ、やれるもんならな。」
俺はそう言いながら4人に殺気を放った。
普通の人間なら俺の殺気を食らったら萎縮し行動できなくなるが、こいつらは萎縮どころかむしろ俺への警戒心が強まった。
予想通りこいつらは人殺しに慣れている。
それも相当な場数を踏んでいるのだろう。
「お前、何者だ?」
ガタイの良い男が訪ねてくる。
「普通の高校生だ」
「笑わせるな普通の高校生が俺たちですら鳥肌が立つような殺気を放てるわけないだろ」
このガタイの良い男は相当おしゃべりが好きなようだ。
だが、のんびりし過ぎると3人が死んでしまう。
そう思い俺はガタイの良い男の後ろと今いる位置の空間の座標を入れ替え同時に自分の手元にナイフを出して男の首を切断した。
「「「!!!」」」
3人は驚愕している。
だが、この技2度目は通用しないだろう。
背後を警戒されたら一般人でも数千回に一回は避けることが可能だ。
特にこいつら、おそらく殺し屋だ。
この程度の攻撃、警戒していたら容易く防がれてしまう。
「あのMの首を一撃で切り落とした?」
「気を引き締めなさいL、相手が相当の手練れであることは確かだけど人数はこちらが勝っている。勝てない相手ではないわ」
女がそういうとLと呼ばれた男は俺を鋭い目で見てきた。
言動から察するにどうやらこの女がリーダーらしい。
そう判断し俺は女に向かって全力で走り女との距離が2メートルを切ったところで腕を伸ばしナイフを急所に刺そうとしたが、目の前に無数の刃が現れた。
その光景を前に一瞬で足を止めた。
その瞬間、横から音速で何か飛んでくるような気配を感じ能力を使いその場から離れた。
俺が1秒前にいた場所には刃物はなく代わりに飛んできた何かによって木が切断され倒れている。
飛翔物が飛んできた方向から予測するとLと呼ばれた男の能力は斬撃を放つ能力だろう。
しかも目に見えなく音速を超えている。
女の能力は幻覚を見せるタイプだろうか。
あと一人の男の能力はこの短期間でほとんどのチームが全滅してるのと何もしてこないことから察するに探知系と見ていいだろう。
一通りの分析を終え俺は再び女に向けてナイフを構える。
「私の能力の想像は出来たと思うけど、分かっていても対処できないと思うわよ。何しろ死を恐れない人間なんてこの世に存在しないんだから。」
「そうか」
短くそういって再度俺は女に接近した。
女に近づくと再び無数のナイフが目の前に現れたが、俺はそれを無視して突っ切り女の心臓にナイフを刺した。
「あなた、死が怖くないの」
女は薄れゆく意識の中言葉を振り絞って俺に聞いてくる。
「少なくとも俺は死を恐れていない」
俺の答えを聞いたと同時に女は息を引き取った。
さて、あと2人か。
俺は残った2人難なく殺し、手で合図を出した。
俺の合図を見て男は俺に近づいて来たが少し怯えている。
「お前マジで何者なんだよ」
俺はその質問を無視して男に命令を出す。
男は俺の命令に従い、勇人、歩、晴翔を能力を用いて治療した。
勇人の無くなった足も晴翔の無くなった腕もこの男の能力によって完全に治っている。
「傷は治したからもう少ししたら目を覚ますと思うぞ」
「ああ、助かった。」
俺はナイフを握る。
男は察したのか目をつむった。
「最後に一つだけ教えてくれ、お前は何者なんだ?」
男は目をつむったまま聞いて来た。
「悪い。それは答えられない」
「そうか」
最後の会話を終え俺は出来るだけ痛みを感じない方法で男を殺した。
するとスマホから通知が鳴った。
確認するとゲームクリアの文字と一緒に獲得した星やポイントなどが書いてある。
一分ほど経過し、ゲーム開始時と同様に体が粒子化し始めた。
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