第11話 バトルロワイヤル5
「おい、どうなってやがる。まだ一日も経ってないんだぞ。餓死や脱水で死ぬには早すぎる。」
男が少し大きな声で俺に聞いてくる。
「参加者を殺し周ってる奴がいるんだろうな。」
この程度の事は想定済みだ。
むしろ、俺が参加者を殺そうかと思っていたから好都合だ。
だが、早すぎる。
残りの生存者は俺とこの男を含めた9名、つまり犯人が同一人物であるならこの短時間で71人殺したことになる。
少なくとも一般人ではないことは確かだ。
「お前の仲間は大丈夫なのかよ」
「大丈夫だ。まだ生きてる。だが、このままだと近いうちに死ぬだろうな。」
「なんで、まだ生きてるって言いきれるんだよ」
男は焦っているのか少し早口になっている。
「気配だ。ちなみにお前たちを見つけたのも能力じゃなくて気配で察知した。」
「気配って、お前何者なんだよ」
「無駄話は終わりだ、今からは俺の指示通りに動け。ちなみに逃げたりしたら気配で分かるからな。」
--------------------------------勇人視点------------------------------------
暁が森の奥に入って5時間ほどが経過しただろうか。
そろそろ戻ってくるはずだ。
取りあえずもうすぐ暗くなるだろうし焚火の準備でもするか。
そう思い遊んでいる2人に声を掛ける。
「2人とも焚火の準備をするから手伝ってくるれ」
俺のその呼びかけに2人は走ってこちらに近づいて来た。
「分かった。何をすればいい?」
「とりあえずは、燃えやすそうな木の枝を、、、」
「待って」
俺が指示を出している途中に晴翔が俺の口元を手で防いだ。
「今、近くで足音が聞こえた。」
そういって晴翔は手を俺の口からはなし周囲を警戒している。
「暁じゃないの」
歩が、小声で晴翔に意見を言う。
この意見には俺も賛成だ。
「多分違うと思う。4人の足跡が聞こえた」
「てことは別のチームか」
「そうだろうね」
「でもなぜそこまで警戒する」
「僕たちはこのゲームを持久戦で勝とうとしているけど他のチームは違うんじゃないかな。例えば自分のチーム以外のチームを全員殺すとかね。」
晴翔の発想に驚愕する。
確かにあり得ないことではない。
むしろその方が勝率が高いチームもあるだろう。
だが、そんな簡単に人が人を殺すのか。
いや、そんなこと考えている場合じゃない。
可能性があるなら対処しろ。
「分かった。とりあえず俺の作戦を聞いてくれ」
俺は最悪の事態に備えて作戦を2人に伝えた。
どうか晴翔の予想が外れてくれ。
足音がこちらに近づき4人の男女が姿を現した。
3人が男で1人が女、だが厄介なのは3人の男のうち一人がボディビルダーのような体格で肉弾戦になれば俺たちに勝ち目はない。
4人は晴翔を見つけて近づいている。
俺の作戦通り晴翔は4人に話しかけようとする。
だが、晴翔と4人の距離が1メートル付近まで近づいたところで晴翔の片腕が宙を舞った。
最悪だ。
晴翔の予想が当たってしまった。
一瞬思考停止したが自分の顔を殴って冷静さを取り戻した。
落ち着け、作戦通りにやればきっと勝てる。
晴翔の腕が地面に落ちたと同時に木の後ろに隠れていた歩がその運動能力を生かして全速力で4人の後方から不意打ちを仕掛けた。
だが、ガタイの良い男によって歩は赤子のように持ち上げられてしまった。
数秒と立たずに歩は気絶させられた。
ここまでは想定内。
俺は能力を使い透明になりガタイの良い男の後ろに立ちサバイバル用のナイフを男の背中に突き刺した。
クッソ、ナイフの根元まで刺したつもりなのに男の筋肉によって内臓までは届かなかった。
だが、ダメージはある。
俺はその男からナイフを抜き取り隣にいる女めがけて走った。
その習慣俺はバランスを崩したのか地面に倒れてしまった。
下半身に痛みを感じ見てみると足がついていなかった。
その現実と向き合った途端とんでもない痛みが俺を襲う。
痛みをこらえながら、歩と晴翔の方を見ると2人も気絶している。
「くそ、ここまでか」
そういって俺の意識も徐々に薄れてきて1分もしないうちに視界が真っ暗になった。
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