隣の席に幼馴染を寝取られた復習を誓うBSS野郎がいる
カクヨム甲子園ように投稿した小説になります。
温かい目で見てください。
BSSとは『僕が先に好きだったのに』の略です。
放課後の教室。
冷房の効いた室内で放課後に残ってまで私は勉強をしていた。
スーパーのお惣菜などの値引きが6時半からあり、家に帰ったら間に合わなくなるので、近くの学校に残るのは当然のことだ。
自慢じゃないが私は料理ができない。それも一人暮らしをする条件に『絶対に料理をしないこと』と言われるほどだ。
そんな私だが、今良くわからないような状況にいる。
隣の席の高藤くん(だった気がする)が泣いているのだ。
今6時ちょいくらいで、5時ごろになんとも言えない表情で戻ってきたので、そこからかれこれ1時間くらいは泣き続けていることになる。
羞恥心とかないのかな?
スーパーに10分前からスタンバイしておきたい。
時間的にも勉強の進捗的にも丁度いいので、今日はここで切り上げてスーパーに行こう。
ロッカーにA5の教科書を並べて、家でやるようにいくつか冊子を手に取り学校指定のかばんの中に入れる。
後ろの扉から出ようと思い、高藤くんの後ろを通りかかった時に、普通に気になったので覗いてみたら、私の予想以上に机が涙で濡れていたので、高藤くんの後ろの机にかばんを置き、かばんの中からポケットティッシュを取り出した。
「高藤くん、このティッシュあげるから拭きなよ。」
「ありがとう」
高藤くんは私の手からティッシュを受け取ると、『ビーーーーー』と鼻をかんだ。
私はその様子に満足し、かばんを背負って教室を後にした。
決して早くスーパーに行きたかったからではない。
「今日席替えがあって明日から別の人が使うんだから、ちゃんと机を拭いてもらわないと。」
その後大好物のカツカレーがいつもの半額で買えた喜びで、素で高藤くんのことを忘れていた。
◇
次の日、私はいつもよりも1時間ほど早くに目が冷めてしまったので、早めに家をでて学校へ向かった。
学校につくと、何人かの生徒がグラウンドで部活動の朝練をしていた。
私はそれを横目に学校の校舎へ入っていく。私は部活に所属していないので、朝早く起きて部活動に精を出す人たちを見ると眩しく感じる。
3年間ずっと同じ競技をし続ける精神力は見習いたい。絶対に朝練とかしたくないけど。
教室に入ると、高藤くんが教室にいてきのうまでの私の席の右隣に座っていた。
私は今日からの自分の席に座り、高藤くんに声をかける。
「おはよ。高藤くんって席、前回と変わってないんだね。」
「おはよう。一番うしろの席なのはありがたいね。運がいい。はぁ」
くまのキーホルダーのついたスマートフォンを手に取り、友達に『朝早く起きちゃって早く学校に来ちゃった!』と送ると、ちょうど高藤くんが口を開いて話し始めた。
「聞いてほしいことがあるんだ。」
「ん?何?」
「昨日、放課後に好きだった幼馴染に告白したんだけど、その娘が『私たちってそんなに仲良かったっけ?』って言われて、幼稚園の時にした結婚の約束だって何のこと?って覚えてないし、挙句の果てには僕の名前間違えるし……ひどいと思わない?桜さん!!」
「その振り方はひどいと思うけど、別に幼稚園のことを忘れるのは普通じゃない?私だって覚えてないし。」
「でも僕は1日だって忘れたことないのに!!」
それはそれで怖いんだけど。
「桜さん!手伝ってほしいことがあるんだ!」
「できる範囲なら良いけど……何するの?」
「復讐したいんだ!!」
「え?」
何を言ってるのこの人?普段話したことないからどんなノリなのかがかからないんだけど。
「髪を切ったり、イメちゃんしたり、学校1の美少女と付き合って、告白してきた節見さんにザマァ!って言ってやりたいんだ!!」
「舞菜に告白したの?高藤くんって?」
「そうなんだよ!幼稚園からずっと一緒だったのに、結婚の約束だってしたのに……」
いや、結婚の約束引っ張りすぎでしょ。
「桜さん、もちろん手伝ってくれるよね!」
ここで私の堪忍袋の尾が切れた。
というより、もともと切れていたのかもしれないが、なんて言えば良いんだろう。腹たった。
「ごめん。絶対に嫌だ。」
「なんで!?」
なぜ断った理由を理解しないんだ……
「なんでそこまで仲が良くないのに高藤くんのイメチェンの手伝いをしないといけないの?私達ってそこまで話したことないよね。あと、前髪を切っただけでイケメンになるわけないじゃない。人生舐めすぎでしょ。」
「でも、小説だったら。」
「小説のようになるわけ無いじゃん。何言ってんの?現実でありえないから小説に書いてるだろうに、自分が主人公だと思ってるとか自惚れすぎでしょ。それに、舞菜には彼氏いるし。」
「僕はそんなこと聞いてない!」
「というか私は舞菜に幼馴染がもうひとりいた事を初めて聞いたんだけど。舞菜と話してて一回も高藤くんの話題出たことないし。」
「でも僕は!」
「というか舞菜の彼氏も小学校からの幼馴染だから、高藤くん出る幕ないんじゃない?」
「小学校だろ!僕が先に好きだったのに」
「いや、先に好きだったとか関係ないでしょ。別に話しかけたりとかなかったんでしょ。」
怒りに任せてどんどん思ったことを口に出しそうになったが
「桜花!おっはよー」
「舞菜ちゃん!おはよう!」
「桜花今日は早いんだね。いっつも一緒に学校に行こうって言っても眠たいとしか返ってこねいのに。」
「なんか今日早く起きちゃったし。」
「誘ってくれたら良かったのに〜」
「登校デートしてるのに邪魔しちゃ悪いでしょ。自販機にジュース買いに行こっ」
「もちろん!一緒に行こ」
私は舞菜と隣に並び、1階の自動販売機へと向かった。
高藤くんはその場に立ち尽くして次に教室に来た人がびっくりしたらしい。
舞菜が来たことにより、私の興味は舞菜に行き、自動販売機についたころには高藤くんのことをすっかり忘れていた。
「ねえ、舞菜。」
「ん?なに?」
「BSSってなんかめんどくさいよね。」
「何のこと?」
「なんでもない」
BSSってめんどくさいよねって話。
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↓↓雑な説明↓↓
桜桜花
・考えてることがコロコロと変わる。
・節見舞依が彼氏と付き合う手伝いをした。
高藤
・BSS
節見舞依
・桜桜花の親友枠。
・高藤って誰?
椿るいでした。またの機会に!
2021/09/04ーpt50