7/27-ゆるふわな休憩時間
解体は書くとグロくなりそうなのでカットで。
こういうゆるい話の方が書きやすいです。
「……平和だねー。」
「……落ち着く。」
今僕とスーは、街中にある喫茶店のテラス席でのんびりだらだら休憩中。
組合にはもう顔を出して、一通り解体のことは教えてもらったから、あとは実践あるのみ。
こうしてゆっくりすることで、スーと2人、解体を教えてもらう時に消費した精神力を回復させてるところ。
「ケーキもとっても美味しいなー。」
「ゲームの中なのに不思議……。」
僕が頼んだのは紅茶とショートケーキのセット、スーが頼んだのはココアとチョコロールケーキのセット、二つ合わせてお値段大銅貨8枚。
高いのか安いのかは分からないけど、美味しことには違いないのであまり気にしない。
それにしても味覚の再現がやばい。
ケーキの甘さと紅茶の苦味がいい感じにマッチしてる。
……これ今は美味しいもの食べてるからいいけど、不味いもの食べるときはきついね。
ふぅ……、嫌なこと想像しちゃった。
スーに癒されなきゃ(使命感)
「スー、ショートケーキは如何かな?」
「……くれるの?……ほしい。」
スーの目が期待に満ち溢れてキラキラしてる。
可愛くって頭をなでなでしたくなるけど、ぐっと我慢してショートケーキを差し出す。
「はい……あーん。」
もちろんフォークに刺してだよ。
できるチャンスがあるなら、しないなんて選択肢はないのです。
「あぅ……それは、恥ずかしい」
ふむ?普段そういうのをあまり気にしないスーだけど、どうやらテラス席という人目を引く場所もあって、珍しく照れてるみたいだね。
「あーん。」
だからってやめないけどね?
癒されるって決めたからには癒してもらはないと。
「う、うぅ…………」
「早く食べないと、もっと注目されちゃうよ?」
スーはもちろん美少女だし、僕も今はそれなりに美少女だと自負してる。
美少女が2人、喫茶店のテラス席にいて、いちゃいちゃしてたら、当然注目されるわけで。
もうすでに周りの席の人や通行人がチラチラこっちを見てきてる。
「ほーら、早く食べてよ。腕が疲れてきちゃったし。これくらい友達なんだから普通だよ?」
「う、うん…………あ、あ〜」
スーが観念したのか、目を瞑って口を開き、赤くなった顔を僕の差し出したフォークに寄せてきた。
雛鳥みたいで心臓にキュンとくる。
このまま見てるだけで癒されるけど、そうすると確実に拗ねちゃうから、フォークをスーの口に入れる。
「〜んむ。…ん〜!」
「美味しい?」
「……おいひい。」
もぐもぐしてる時はショートケーキの甘さを堪能して、顔の赤さも引きふにゃふにゃ笑顔を浮かべるスー。
だけど僕が声をかけると、今自分がしたことと周りに見られていたことを思い出したのか、また赤くなって俯く。
端的に言って可愛い。
「ふふっ♪かわいいな〜もう。」
「むぅ〜〜〜」
僕が笑ってるのが気に入らないらしく、俯いた顔を少し上げ僕を見るスー。
本人的には睨んでるつもりなんだろうけど、普通に上目遣いになってるから可愛いだけなんだよね。
あと頬もちょっと膨らんで不満を主張してるんだけど、余計に小動物感がでて僕は庇護欲が溢れ出そうで大変だよ。
「……リラにも、ロールケーキ……一口上げる。」
「え、ほんとに?僕も食べてみたいなって思ってたんだ〜、ありがとね、スー。」
スーが誰かに自分の食べ物を分けるなんてこれまた珍しい。
いつもはスーが満足するまで、僕や鈴火、桜が与え続けるんだけどね。
もう満足したってわけじゃないだろうし、ショートケーキのお礼って感じだろうけど。
まあスーが美味しそうに食べてるとこ見て僕も食べたくなってたから、お言葉に甘えて一口貰おうかな。
なんて思いながらスーの前にあるロールケーキにフォークを伸ばした時。
「だめ。」
「んえ?」
だめ?やっぱり食べちゃダメってことかな?
ここで前言撤回はちょっとひどくないかい?
僕の方はもうロールケーキを求める口になってるんだけど。
「自分で食べちゃだめ。」
「んんー?」
自分で食べちゃダメって言うのは一体……?
…………あっ、いや、まさかね、そんなはず……。
「わたしが食べさせてあげる。さっきのお礼。」
「……そう来たか〜。」
お礼と言うかお礼参りの方だよ、それ。
一体誰が純粋無垢のスーにこんな返し方を教えたのか……いや心当たりあったわ。
昼会ったら鈴火の目の前で黒歴史さらしてやろう。
「スー、わざわざそんな事する必要ないよ?だってほら、僕には立派な腕がついてるんだから。」
「そんなんで誤魔化されない。これは決定事項、大人しくわたしにあーんされる。」
……さて、どうしようか。
周りはさっきのやりとりの後、こっちをチラ見する人が結構いる。
ていうか待ち合わせのフリして立ち止まってる人いるんだけどバレてるからね?
「はい、……あーん」
「いやいやいやいや、スーにあーんされるのは嬉しいけど、ここでするのは違うんじゃないかなーって思うんだよ。人もいっぱい見てるし、ね?」
「さっき自分で言ってた。友達同士なら普通だって。」
……これがほんとの墓穴を掘る、か。
でも流石に2人きりならともかくこの衆人環視の中でやるのは恥ずかし過ぎる。
「……さっきの言葉は嘘だったの?」
「食べさせていただきます、ハイ。」
悲しげな顔をするスーに一瞬で敗北する僕であった。
うん、これ以上の抵抗は無理だ、人がもっと集まる前に食べてしまおう、それで解決だ。
「あーーん」
「……あむ。……んむんむ。」
……美味い。
周りにめっちゃ見られて恥ずかしいけど、それでも分かる美味しさだ。
チョコクリームも生地も甘くて美味しいけど、ロールケーキの上からかかってるチョコがちょっと苦味があって、それがまた甘さを引き立ててる。
「んふふふふ♪桜の言った通り、やっぱりリラは押しに弱い。」
「んくっ、……桜ぁ、必ず後悔させてやる。」
黒歴史を公開してね!
………………ごめんなさい聞かなかったことにしてくださいお願いします。
「……どうしたの?」
「いや、気にしなくて良いよ。……ロールケーキ、とっても美味しいね。」
「うん。今まで食べたロールケーキの中でも上位。」
スーがそこまで言うってことは、スーの中でトップクラスに入ったんだろうね、ここのチョコロールケーキ。
「僕はスーにあーんして貰ったから、それも含めて今までのロールケーキの中で一番美味しかったよ。」
「……恥ずかしい。」
照れてる照れてる、小さくなって恥ずかしがるスーにグッとくる。
あーんはされる方も恥ずかしいけど、する方もそれなりに恥ずかしいからね、仕方ないね。
僕も恥ずかしいのは恥ずかしいけど、拍によくされるから少し慣れてきた。
「それじゃ、そろそろ観光しよっか。」
「……ん」
それからスーの食べるペースが何故か早くなったこともあり、数分ほどでそれぞれ食べ終えた僕とスーは、街へ散策に出るのでした。
めでたしめでたし
あ、会計は僕が払ったよ?
スーからのお代は癒しを貰ったからね。
明日はデート回か、昼まで時間を飛ばすか……悩みどころです。




