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15/30

7/26-VRゲームで死んだらトラウマになりそう

ぎりぎり間に合いました……。

1分くらいは誤差ですよね。



「せっかくなんだ、森の中での移動、戦闘も経験しておかないか?」




あれから街道を、フォレストウルフを倒しながら進むこと30分ほどが経過した。



そろそろ帰ろうかという話になって、急に鈴火がそんなことを言い出した。



確かに一度位は経験しておくべきかもしれない。

 でも無事に街まで戻るよりも死ぬ可能性の方が圧倒的に高い。

 最悪死んでもデスルーラしたことになって、帰り道の時間短縮にはなる。

 経験を得ながら時間を短縮する、両方を取れる効率的な案と言えなくもない。



ただ問題もある。

 とても大きな問題だ。



このゲーム、感覚までなるべくリアルに作ったらしく、痛覚軽減率の最低値が0%まで存在するんです。

 ちなみに、他のゲームでは大体最低値が70%です。



僕とスーの軽減率は30%、つまり大怪我しても普通にめちゃくちゃ痛いくらいで済む。



推奨は50%だけど、僕は体の動きに違和感があったから、スーは魔力の動きを正確に把握するために、7割の痛覚を残すことになった。



鈴火と桜の軽減率は0%、つまり大怪我したら普通に発狂する可能性がある。



2人は感覚が鈍るからとか言ってた。

 改めてこの2人の頭のおかしさを再確認した。



まあつまり何が言いたいのかというとね。


"死んだら痛い"



30%とかなんの気休めにもならないでしょ。

 結局7割痛いんだし。



設定を変更しようにも、一度いじると2日は変更できなくなるんだよね。

 だから気軽に何度も変えられないし、死ぬときだけ100%まであげてリスポンしたら戻すっていうのが出来ない。



「普通に死にたくないから嫌なんだけど。」



「私は良いと思いますよ?死ななければ良いだけですから。」



「…私も、森の中でも使える魔法の参考にしたいから、行ってもいいと思う。」



「…なんでさ。」



桜が賛成するのは読めてた。

 まあ言ってることは分かる。理解できないけど。



スーが賛成なことにはびっくりした。

 魔法を楽しそうに使ってはいたけど、その魔法のために自分から危険な場所に行こうとするとは。



「みーちゃん。」



スーが僕の服の袖を掴んで、まっすぐに僕の目を見る。



「…なに?」



「私も、ちゃんとみんなの役に立ちたい。一緒に戦いたい。足手まといは嫌。だから、手を貸して欲しい。迷惑…かもしれないけど…。」



スーの声は段々萎んでいき、目は潤んでいく。



「はぁー……。分かったよ。だからそんな泣きそうな顔しないで?」



スーの頭をなでなでしながら答える。

 いやこれは勝てないって。

 可愛い妹分の泣き顔とか反則もいいところだよね。



「っみーちゃん!」



「ぐふぅッ!」



スーが感極まったように抱きついてくる。



ここで一つ思い出してほしい。

 鞘がある鈴火と桜はともかく、僕とスーはインベントリに戻さない限り武器を手に持つ必要がある。

 そして僕たちはさっきまで戦闘中だった。

 つまり、僕とスーは今も武器を手に持っている。



結論、背中に杖が当たってめっちゃ痛い!

 スーに正面から抱きつかれ、背中には杖の先端が当たり、お腹と背中をそれぞれ圧迫してくる。



「で、出る……、内臓でるぅぅぅ。」



「スー、もうそろそろ離してやれ。流石に友人の口から臓器が飛び出る瞬間は見たくない。」



「え?…あっ!ご、ごめんなさい。」



「き、気にしなくていいよ。…………し、死ぬかと思った…。大丈夫だよね?僕の背中へこんでないよね?」



鈴火ナイス!よく止めてくれた。タップも出来なかったからほんとに助かった。

 危なかった。もう少しで新しい何かが生まれるところだった。

 ていうか小さな女の子に抱きつかれて死ぬとか、字面がやばい。



スーの肩をぽんぽんと叩いて気にするなと伝えた後、桜に確認してもらう。



「大丈夫、いつも通り前も後ろも綺麗に真っ平らですよ。」



「貴様桜ぁッ!言ってはならんこと言ったなッ!」



戦争か?戦争だよなぁ!

 人が気にしてることを言いやがって!



「てか桜も僕とそう変わらないまな板でしょ!」



「なぁっっ!言いましたね、言ってしまいましたね!いいでしょうお望み通り街まで送ってあげます!この刀でねっ!」



「盾で押し潰して、もっと平たくしてあげようか?」



「斬り刻んで、もっと小さくしてあげますよ?」



桜と2人、お互いフォレストウルフに負けないレベルでガルルッて睨み合う。

 この頭のおかしい斬るkill娘に勝てるとは思わないけど、簡単に負けてやるつもりもない。



「ちょっと落ち着け2人とも、私は2人くらいのサイズが丁度いいと思うぞ?」



「……私も、2人くらいのがよかった。」



……一時休戦だ、と桜と視線で伝え合う。

 頷きあってから、お互いにそれぞれの標的に向かって行動を開始する。



「中学に入ってからは同じものしか口に入れてないはずなのに、なんでこんなに違いが出るんですか!?私の知らないところで何をやったんですか!?」


「きゅ、急に何だ!?ちょ、やめ、…揉むな!?」



「生意気なことを言う子にはこうだよ?」


「ご、ごめん…失言、だった、謝る、から…やめて。」



桜が鈴火早口に捲し立てながら、僕は静かにスーに詰め寄って、どことは言わないけどもみもみする。







「………もうやめません?」


「………同感。虚しくなってきた。」



「やっと……終わったのか…。」


「うぅ……、みーちゃん、恐ろしい子。」



格の違いを分からされて、段々悲しくなってきた。

 もう早く次に行こう。



「さ、気を取り直して帰ろうか。なるべく死なないようにね。」



「安心しろ、私と桜がいる。いざという時は囮になるさ。」



「私と鈴火ならフォレストウルフ程度、森の中でも問題ありませんから。」



「魔法…もっと上手く使えるようにならなきゃ。」



「新しい魔法、今度一緒に創ろうね、スー。」



「うん!」






なんとか1日1話を守り切りました。

明日もなんとかやってみせます。

私、やればできる子なので。

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