7/26-テンプレ的な冒険者ギルドの治安悪すぎ問題
傭兵組合の後に魔法系の話を書きます。
初戦闘はまだまだ先になりそうです。
「おぉー、これが傭兵組合、なんか要塞みたいだね。」
「ん、扉の上にあるの、鉄格子?」
「ふむ、街中に敵が攻め込んだ時の一時的な避難所にはなるか。」
「非戦闘員を手早く保護するには合理的ですね。」
たどり着いた傭兵組合は、それそのものが城壁のようだった。
屋上にはプールの飛び込み台のような出っ張りがいくつもあり、全ての窓には外側から鉄格子がはめられ、扉は木製だが金属で補強され、その扉の上には鉄の棒がいくつも並んでいた。
ちなみに扉は両開きで、もう既に開いていた。
リンカには来る途中で傭兵組合のことを話した。
「この中に突入するわけだけども。」
「なにか問題が?」
「女4人だからねぇ。絡まれても面倒だから、リンカとサクラは武器出しといて。」
戦えるのが2人はいるってのを示しとかなきゃね。
「僕とスーじゃバカにされるか疑われるかだけど、リンカとサクラなら腰にさしてれば、実力の証明にはなるでしょ。」
ある程度強い人なら、リンカとサクラの立ち居振る舞いで察してくれるだろうからね。
「…仕方ないか。"来い"。」
「"おいで"。…うふっ、これでお揃い…ですね?」
「…そう、だな。」
「………スー、先に行ってようか。」
「いいの?」
「邪魔しちゃダメだからね。」
邪魔したらめちゃくちゃ怒る人がいるからねぇ。(実体験)
リンカたちを置いて、スーと2人、手を繋いだまま歩き出す。
「いやまて、おいていくな。」
「私たちも一緒に入りますよ。」
慌てて追いかけてくるリンカたちだけど、サクラがスーの右につくと、リンカが僕の左についた。
「なんでこっち来てんの?サクラの隣は空いてるよ。」
「い、いや……ほら!挟んでいた方が威嚇になるし、守りやすいだろ!?」
「はいはい言い訳言い訳。……恥ずかしがってても先には進まないよ(ボソっ」
「うぐぅ…。」
なんてことを言いながらリンカの手を引いて、スーの隣でこっちを見てた(コワイ)サクラにリンカの手を差し出す。
サクラは嬉しそうに笑ってリンカと手を繋ぎ、強引に自分の隣にリンカを持っていく。
「なんで敵と戦う前からヘイト管理してんだろ…?」
「それが運命。」
そんなこんなで傭兵組合の中へ入ったわけですが…うん、人はそんなに居ないね。
正面に見える受付は、銀行とかの窓口みたいな感じで6個あるけど、今は3人しかいない。
傭兵っぽい人は5人いて、うち2人は受付の人とそれぞれ話してる。
それ以外の受付の人と傭兵の人から視線を感じる。
「…もっとガヤガヤしてるもんなんじゃないのか?」
「いま昼間だし、他の傭兵さんたちは仕事中なんじゃない?」
「酒場もない。」
「酒飲みながら仕事したり、探すわけにもいかないでしょ。」
「なんでそんなとこまでリアルなんですか……。」
酒場はなく、必然的に酔っ払いもいない。
健全な職場だ。
絡まれるのがテンプレなのに、その気配が微塵もない。
「……ソロしかいない?」
確かに。今組合の中にいるのは全員個人の傭兵っぽい。
仲間にしては全員距離がある。
傭兵の人はまだチラチラ見てくるけど、受付の人は顔を下に向け、手を動かして何か作業をしている。
「とりあえず受付に行こうか。」
「あぁ、さっさと登録を済ませよう。」
「時間が経つと他のプレイヤーであふれかえりそうですからね。」
「人混みは好きじゃない。」
話しながら空いている受付まで歩いていく。
近づくと顔を上げたが、受付の人は男性のようだ。
20代くらいの若い人で、青い髪の涼しげな人だ。
「傭兵組合になにか御用でしょうか?」
男性にしては高い声だ。
メイクして女装すれば女性と間違えそうな容姿に合ってる。
「傭兵登録ってやつに来ました。」
僕が前に出て話す。
傭兵組合の話を聞いたのは僕だからね。
「登録ですね。お一人での登録ですか?」
「いや、後ろの三人含め4人での登録だよ。」
「……なるほど。承りました。ではこちらの紙に記入をお願いいたします。あちらが記入スペースとなっています。終わり次第、また私どもにお渡しください。」
受付の人は僕とスーを見た後、リンカとサクラに視線を向けると納得したように頷いて、紙を差し出した。
紙を受け取ってリンカたちと一緒にペンの置いているテーブルに座る。
「えーと、名前に性別、主な使用武器に使用魔法の系統、ねぇ。」
ふむ、名前はリラ、ミルキーウェイ、性別女、武器は盾、魔法は無しっと。
「魔法…。早く覚えたい。」
「スーは魔法使い志望だもんねぇ。」
僕も片手間で使える補助系の魔法とか覚えたいなぁ。
リンカのは…ん?鈴火・刀道?漢字?妙に日本人っぽいとは思ったけど、漢字で名前作れたんだ。
ていうか……。
「リンカって鈴に火でリンカなんだねぇ?」
「くっ………あまりつっこまないで欲しいんだが…。」
「ぶっちゃけ意識した?」
「す、少しだけ……わ。」
「ほんとですか!?嬉しいです!結婚しましょう!」
「なっ!?け、結婚って、……いやいや、お、女同士は出来ないだろ。………そ、それより全員書けたな!?受付に行くぞ!」
あ、逃げた。
待て鈴火!こんな危険物放置するな!
くぅぅ、僕がなんとかするか……!
「うふっ♪うふふふふふふふ♪」
「つんつん……。」
もう手遅れかもしれない。やっぱこの子ヤバいわ。
ちらっと紙見たけどファミリーネームがそのまま篠宮だった。
「ほら行くよ?スー。そんな危ない人、ツンツンしちゃいけません。」
見えてる地雷を踏みには行かない。
触らぬ神に祟り無し。
スーの手を引いて鈴火の後を追う。
「うふふふふふふ♪」
もちろん爆弾は放置してね。
ショートSSの内容が思いつかないので今回はお休みです。
また思いついた時に書きます。




