洋菓子カンフー部！！
正宗が部活に入ります！
後々、百合平に話を聞くと、アイツは受験会場にスマホを持ちこみ、解答を検索していたらしい。そのとき、俺がフルチンになっていることに気づき、撮影したのだというのだ。
てかアイツ、完全にカンニングしてんじゃねぇか…
それともう一つ分かったことがあった。 俺の能力についてだ。あれから色々調べてみたところ、いくつかのルールがあることが判明した。
①能力はフルチンにならないと絶対に発動できない。
②どんな能力もフルチンを隠すことには絶対に使えない。
例えば、創造の力でパンツを作ることや、記憶改変の力を使って相手から俺がフルチンだった記憶を消すことも決してできない。だから、受験中、俺は幻覚を使っていたにも関わらず、百合平にフルチンだとバレていたのだ。
俺の能力には他にもまだまだルールがありそうだ。
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菊宮が教室へと入ろうとすると、桜部が出てくる。
「あ、おはよう、菊宮くん」
「(桜部さんに話しかけられた！！！今日も何て美しいんだ！！！)」
「おはよう桜部さん…！！」
初めて会話をした…！これが俺たちが付き合うまでの第一歩だ…。いや〜、楽しみで仕方ないぜ〜！！
席に着く菊宮。
「おはよう、菊宮くん」
「(ゲッッ、百合平潤…！)」
「お、おはよう〜ゆ、ゆ、百合平さん」
「今日の放課後、部室で部員の顔合わせがあるから来てちょうだい」
「りょりょりょうかいで〜す…」
ヤバイ、このままじゃ本当に洋菓子カンフー部に入ってしまう…。どうしよう…。
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(放課後)
恐る恐る部室へと入る菊宮。
「失礼します〜…」
「おう、よく来たぞい！！君が菊宮くんか！！私は洋菓子カンフー部の部長にして3年の朱崎奏じゃ！！部長と呼んでくれ！！」
どう見ても中学生に見える少女がそこに立っていた。
「よろしくお願いします…！」
「コイツは2年の梨倉虎太じゃ！」
「よろしくな菊宮」
梨倉が菊宮に手を振ってくる。
「そこの可愛娘ちゃんが、虎太と同じく2年の桃原麗ちゃんじゃ！」
「よろしくお願いします〜」
桃原が菊宮に一礼する。
「ほんでそこで寝ているアホが3年の紫藤仁じゃ！」
「うぃ〜」
紫藤は寝たまま手を上げる。
「さっさと起きんかアホ！」
朱崎が紫藤の頭を思いっきり叩く。
「痛ッテェェェェ〜〜！！！！」
紫藤が部室の端で悶絶している。
「あと1人、副部長がいるが、今は訳あって休学中じゃ。このメンバーに菊宮くんと、百合平ちゃんを合わせた計7人が洋菓子カンフー部の全メンバーじゃ！このままじゃ部員が規定数の6人以下になって廃部じゃった！助かったぞい！」
「はぁ…」
思ったよりみんな普通の人だな…。
けど本当にここ何をする部活何だろう…。
「ドンドンドンドンッ‼︎‼︎‼︎‼︎」
部室のドアを勢いよくノックする音が聞こえる。
「1年の麦川です！俺を洋菓子カンフー部に入れて下さい‼︎‼︎」
えぇ！？こんな部活に入りたい奴いるの！？
けど、もしコイツが俺の代わりに入れば、抜け出せるんじゃ…！
「嫌じゃ！！！！！！」
エェェェェ〜！？！？断んの〜！？！？廃部寸前なんでしょ！？少しでも部員は多い方が良いんじゃないの！？
「あの〜部長、入れてあげても良いんじゃないですか…？」
「絶対嫌じゃ！！！」
断られた〜！！！！どういう基準で勧誘してるのかが全く分からん〜！！
「分かりました…」
怒りを滲ませたような様子で部室から引いていく麦川。
「まぁ、変な奴も来たところで、本格的な活動は明日からじゃ！どんどんやっていくぞい！」
本当に大丈夫かこの部活…？
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通学路を1人歩いて帰る菊宮。
結局、何の部活だかさっぱり分からんかったな…。
にしても何で俺は強制入部なのに麦川君は入部拒否なんだよ…って、ん？あそこにいるのは麦川くんか？
ん？女子生徒を追いかけてる？しかも手にカッターナイフ持っていないか！？助けてないと！！！！
急いでパンツを脱ぐ菊宮！
「瞬足！！！！！！
テメェ女子襲ってんじゃねぇよォォォ！！！」
「バッコォォォン！！！！！」
菊宮思いっきり麦川をブン殴る。
麦川は気絶して地面に倒れる。
「何だったんだよ…コイツ。ってヤベェ、ズボン履かないと…」
菊宮が下を見るがパンツもズボンも何も無い。後ろを振り返ると、瞬足の風圧でズタズタになったパンツとズボンの布切れが宙を舞っていた。
その瞬間、助けた女子生徒がこっちを振り向く。
「助けていただいてありがとうございました…！」
「え？え？え？さ、さ、さ、桜部さん！？！？！？」
「き、菊宮くん…？」
桜部さんがフルチンの俺に礼を言ってきた。ゴミを見るような目で礼を言ってきた。
俺の学園生活、終わったァァァァァァァァァ！！
