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その日、俺はとんでもなく疲れていた。最後に休んだのは一体いつだったか。それすらももう覚えていない。
俺の名前は竹中サトル。齢にして二十六歳、ファミリーレストラン『ガイア』の駅前店の店長をやっている。
どうしてこんなにも疲れているのかと言えば簡単な話で、アルバイト不足だ。
駅前に店を構えており、アルバイトの数には困らないはずなのだが、他の駅前の店に取られているのが現状た。おかげで俺は休みを犠牲にしてでも出勤しなければいけないという悲惨な現状なのだ。
そんわけで自宅へ帰るべく車を走らせているわけだが、疲れから眠気がすごい。このまま運転を続けるのは危険だと感じ、眠気覚ましを買おうとコンビニへ立ち寄ろうとしたその時だった。
ドンッ
車の前方から鈍い音が聞こえてきた。猫でも轢いてしまったのだろうか、ああ、嫌だ嫌だ。仕事終わりにこんな思いをしなくてはならないなんてな。
一度停車し、確認するため運転席を降り、車体前方に目を向けた瞬間、俺は青ざめた。
「ひ、人じゃん……」