6話
「あれ〜おかしいですね?」
ギルドへ来ていた僕たちは登録に手こずっていた。
「この召喚獣の種類がスキャンしても出てこないのですよ」
「なんだって?ちょっと俺がやってみるよ」
僕は再び魔法陣の上に置かれて調べられる。
「おかしいな・・君これ本当に召喚したの?」
こんなのおかしいと思ったのかギルド員がサクヤを疑っていた。
「はい!召喚しました‼︎」
サクヤは本当何事にも動じないよな・・
「おいおい、お前たち何をしてるんだ?」
「ギルド長⁉︎」
何やら奥から気だるそうに赤髪の眼帯をした女性がでてきた。
「どうやらこの召喚獣が魔法陣でスキャンしても種類が判別できないようで」
「はぁ?そんなことあるわけないだろ」
そう言って彼女は同じように試すがエラーが出てしまう。
「本当だ・・・もしかして新種か⁉︎」
彼女は驚いていた。それを聞いていた周りの人たちも騒めき出す。
「おい、なにやら新種の召喚獣がでたみたいだぞ・・・」
「え?どれ?」
「あれあれ!」
「なにあれかわいい〜」
周りの冒険者がどんどん集まってきた。
僕とサクヤは有名な人になったかのように囲まれた。
サクヤはどうもどうも〜と終始手を振っていた・・・
「おい!召喚獣の主人、召喚獣連れて中に入れ!」
「は、はい!」
僕たちはギルド長の部屋に通された。
「さっきは大声出して悪かったね〜」
「いえいえ!大丈夫ですよ」
「なら良かった!ちょっと君の召喚獣が気になるから見させてもらってもいいかな?」
「どうぞどうぞ〜」
サクヤは僕をギルド長に渡した。
「ありがとう!ちょっと大人しくしててね」
そう言うと彼女は眼帯を外して僕を見つめた
その目は紅く何もかも見透かされいるような感覚に陥った。
「君、この召喚獣を召喚した時一体だったかい?」
「いえ!一体と一人でした!」
「え⁉︎一人⁉︎」
「はい!ボロボロの人が一緒に召喚されてきたので合体させました‼︎」
「合体⁉︎」
どうやらギルド長はサクヤが話すことに驚いていた。
暫く黙り込みなにやら考えこんでいた。
「この召喚獣の中には二つの魂がある。それは君がその召喚された一体と一人を合体ではなくこの召喚獣にその一人を封じ込めたという方が近いかもしれない」
「そうなんだ!あの時助けなきゃって思っていろいろやってたから何をしたのかはあまり覚えてなかったんだ」
サクヤ・・・あの時助けようといろいろやってくれてたんだな
本当いろいろと・・・
なんとなく複雑な気分だった。
「でも、この召喚獣は見たことないわね〜」
「珍しいんですか?」
「ええ、見た目もそうだけど、能力も何もない召喚獣なんて・・・」
「え⁉︎そうなんですか?」
「私の目は魔眼でねそういったものが見えるんだけど、この召喚獣から見えるのは二つの魂があるってことだけ」
うん、だって犬だもん・・能力なんてあるわけないよ・・・
「なるほど・・・」
真顔で答えてるけど絶対わかってないだろうなー・・・
「それに比べて貴方はその若さにしていろいろと能力を持っているようで感心したわ!それなら召喚獣の力を借りなくても大丈夫かな」
意外だ、サクヤは結構強いようだ!
なら、僕は戦わずに済むかもしれない・・・
「えへへへ、ありがとうございます‼︎」
「とりあえず、この子は新しい召喚獣として登録しておくわ!何か変化とかあったら教えてちょうだい」
「はい!」
僕たちはギルド長の部屋を出てロビーに戻った。
「召喚獣に人が封じられているか・・・久しぶりに面白いことになりそうだ!」
ギルド長は部屋で一人でにつぶやいた。
「聞いたよ!サクヤ‼︎新種の召喚獣なんだって⁉︎」
ロビーに行くと昨日のメイという女の子が話しかけてきた。
当然ドラゴンも一緒にいやがる・・・
「うん!そう見たい‼︎それでね・・・」
二人が話している中僕はドラゴンにずっと見られていた・・・
僕に緊張がはしる昨日みたいに襲われてしまったらどうするかと・・・
ドラゴンは徐々に近づいてくる。
僕はすぐに逃げれるようにと身構える。
ドラゴンがすぐ目の前まで来て短い腕を伸ばしてきて・・・・頭を撫でた?
「ガウガウ‼︎」
相変わらず何を言っているのかわからないが頭を撫でられそして、何かを置いていった。
「ワン?(爪?)」
「ガウガウガウ‼︎」
また、何か捨台詞的なのを吐いて主人のもとに戻っていった。
「シルが爪をあげるなんて珍しい〜」
「爪?」
「そう!それはドラゴンが友情の証として渡すんだよ。ほら、これ私の‼︎」
そう言ってメイは首から下げていた爪を見せてくれた。
「おーーー!良かったねラブ‼︎」
「ワン?(良かったのか?)」
「それ後で首にかけてあげるね‼︎」
なんであのドラゴンがくれたのかわからなかったが友情の証なら良かったのかな?
ギルドで思ったより時間がかかってしまったことから今日は宿にメイたちと戻ることになった。