4話
変なおじさんに連れられて入った宿は案外普通の宿だった。
食事するスペースで食事をしながら冒険者が何人も集まって話している。
彼女も打ち解けるのが早くそこに混ざって話している。
僕はというと、他の召喚獣と共に置かれこれから食事をするところだ・・・
僕の前に置かれた食事はなんというか・・・ドックフードみたいなものだった・・・
これ食わないといけないのか・・・
他の召喚獣は美味しそうに食べているけど・
僕は暫くそれを見つめていたまま食べるか食べないかを葛藤していた。
暫くすると、他の召喚獣が僕の方に寄ってきて何か言ってくる・・・
「ガウガウガウ⁇」
え?このドラゴンみたいなのなんて言ってきてるんだ・・・・
「ワン?(なんて言ってるの?)」
「ガウガウガウガウ‼︎」
ダメだ・・・・会話にならない・・・
僕は無視することにして再び葛藤した。
すると、ドラゴンみたいなのは無視されたことに怒ったのか襲いかかってきた。
「ガーーーーーー‼︎」
「ワォン⁉︎(嘘だろ⁉︎)」
こんなドラゴンみたいなのに勝てるわけない‼︎
僕は襲いかかられ倒れてしまう、そこにドラゴンが更に襲いかかってこようとした時
「こら‼︎シルなにをしているの⁉︎」
ドラゴンみたいなのの主人がやってきて止められた。その人はサクヤと同じくらいの歳に見えた。
助かった・・・・
「大丈夫⁉︎」
サクヤも気がついてやってきた。
「ごめんなさい!私のシルが襲いかかったみたいで・・・」
「いえいえ!怪我してないみたいだから大丈夫だよ‼︎」
「ワンワンワン‼︎(大丈夫じゃないわ死ぬかと思ったわ‼︎)」
「ほら!あんなに元気だもん笑」
「良かった〜」
「ドラゴンが召喚獣だなんてすごいね!」
「まだ幼体なんだけどね」
「それでも凄いよ‼︎」
あれはやっぱりドラゴンだったのか・・・
「貴方のは見たことないようなのだけどなんなの?フェンリルでもなさそうだし⁇」
「わかんない!儀式で出てきた‼︎」
「そうなんだ・・・名前は?」
「うーーんまだ決めてないんだよね。良かったら一緒に決めない?」
「いいの⁉︎名前は大切だよ?」
「いいのいいの〜‼︎」
やばい・・・名前が決められちゃう⁉︎
何もいい方法が思い浮かばない‼︎
そうこう考えている間に彼女達は元いたスペースに戻ってしまった・・・
僕は再び召喚獣のスペースに置き去りにされた・・・・
「ガウガウ!」
さっきのドラゴンが近づいてきて何やら一言言い残して遠くに行ってしまった・・・
そして僕は思った召喚獣の世界にも馴染めず人間とも会話できない。
僕はこの世界で孤独なのではないのかと・・