3話
彼女は鼻歌を歌いながら歩いていく
僕は彼女の一歩後ろを一生懸命ついて行く。しかし、歩幅が違いすぎるせいか彼女は普通に歩いているが、こっちからするとひたすらジョギングしてるようで疲れてくる・・・・
「このままだと街に着く前に暗くなっちゃうな、ちょっと走ろうか‼︎」
「ワゥ!?(冗談だろ⁉︎)」
「行くよーー‼︎」
疲れている僕に追い打ちをかけるかのように彼女が全力で走り出す・・・
「ワォーーーン(人間に戻してくれーー)」
僕たちはなんとか走ったかいあり、夕方には街につくことができた。
「やっと着いたね〜」
「ワン・・・・(もう動けない・・・)」
「そうだ!名前決めてなかったね⁉︎宿に行ったら決めようね‼︎」
「ワンワン‼︎(僕は伊吹だ!)」
訴えかけてみるが伝わるわけもない・・・
なんとかして名前だけは伝えたい‼︎
彼女のことだから安易な考えでポチとか可愛い名前つけられたら最悪だ・・・・
「さぁ、宿を探そー」
彼女は歩き出し、僕はどう伝えればいいかを考えながら彼女の後を追った。
「お姉さん‼︎今夜ここの宿なんてどうだい?お姉さん可愛いからサービスしてあげるわよー‼︎」
ピンクのフリフリのスカートみたいなのを履いたおじさんがが話しかけてきた・・・
「え?本当⁉︎じゃあここにしようかな〜」
え⁉︎マジで言ってるのか⁉︎どうみても危ないやつだろ・・・
「ワンワンワン‼︎(待て待て‼︎どうみても危ないだろ‼︎)」
僕は彼女の服を引っ張りこの場から離れるように伝えようとする。
「なにどうしたの?ここ嫌なの⁇」
「あら〜可愛い召喚獣ね〜」
そう言っておじさんに抱き上げられ頬ですりすりされてしまう・・・
「ワンワン‼︎(ヒゲが痛い痛い‼︎)」
「召喚獣ってことは冒険者さんね!ならなおさら泊まっていきなさいここはそういう人が集まるところだから。」
「そうなんですか!ならここに決めます!」
「ガルルルル(いい加減はなせー)」
必死に抜け出そうと暴れるがこのおじさん力が強すぎる・・・・
「あらあら一丁前に威嚇しちゃって〜可愛いわね〜」
そう言って再び頬にすりすりされる・・・
「クゥーーン(ちくしょーー泣)」
「さぁ入って入って‼︎」
「はーーーい!!」
そうのまま僕たちは中へと連れて行かれる。






