2話
あれから彼女は一方的にいろいろ喋り続けた。
彼女の名前はクロガネ・サクヤ今年16歳となった彼女は昔からの夢だった冒険に出ることとなった。
そこで両親は彼女を守るための存在召喚獣を召喚することを決心し、彼女に召喚させたところ瀕死の俺と犬がやってきて合体させたらしい・・・そこまでは理解できた。
だけど、僕は今非常に焦っている。なぜなら、冒険は今日から行くんだよと言い出したからだ‼︎
異世界にやってきて、目が覚めたらなにが起きたかを一方的に説明されそしてすぐ旅立つなんて心の準備なんかできたもんじゃない‼︎
しかも犬だぞ‼︎魔物なんかと戦え言われた日には死を覚悟するしかない・・・
「ほら!なに震えてるの?早く行くよ」
「ワンワン‼︎(お前に僕の気持ちがわかるかーー!!)」
「全くーオシッコは我慢しなくていいんだよ?」
「ワン〜(違うわ〜‼︎泣)」
そのまま彼女に抱っこされて外へと連れ出された・・・
「気をつけて行くんだよ」
「元気でなサクヤ!」
「うん!行ってくるねパパ、ママ‼︎」
「召喚獣、サクヤを頼んだぞ‼︎」
「ワン‼︎(無理です‼︎)」
「いい返事だ‼︎行ってこい‼︎」
「ワォン・・・(もうダメだこりゃ・・)」
「それじゃあ行ってきまーす‼︎」
僕はもうどうにでもなれという気持ちで走る彼女を追うことにした。