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<7>

 くっ……殺せ!

 

 ―――え? あ、ちょまて!?

 

 え? え? オレ食われるの? 性的な意味で!? ちょちょちょ!? アッー!!

 

 「オレは女騎士でも姫騎士でもねーよっ!!?」

 

 布団を跳ね除け飛び起きる。

 弾む息を整え、辺りを見渡す。

 

 見慣れたオレの部屋だ。

 だが、隅っこに無造作に積まれた武器が、悪夢は終わったが、真の悪夢は終わってないことを示す。

 

 ふぅ……。

 

 諦めと安堵の入り混じったため息をついて、オレはベットから降り、いつものように装備を整える。

 

 ドアから出ようとして、思い出したように机に向かい。ノートを開き筆記用具を取り出す。

 

 前回のチャレンジで分かったことを整理しよう。

 

 上の階層。便宜上3Fとするが……ソコはこれまでいた2Fとは違うようだ。

 

 壁などの作りは大して変わらないが、構造が根本的に違う。

 

 具体的に言うと、外周部はこれまでと大差ない、広いようで狭い通路だが。

 内部は、かなり広い空間があり。さらに天井部分がかなり高くなっている。

 

 そして、その広場は、無骨な作りだが西洋の城。それも城塞とか呼ばれる類の城のような構造になっていた。

 

 城の周りは塀に囲まれ。四方には物見櫓が立ち。

 外から観察した限りでは、5階建てのようだ。

 

 そして最悪なことに、上の階に続くであろう階段は……その城塞の向こう側にしかないようだ。

 

 ―――これは困った。

 

 城塞に要るモンスターの構成は、おおよそこんな感じだ。

 

 番犬 コボルト

 歩兵 オーク

 兵長 ゴブリン

 門番 一角の鬼面(オーガ)

 騎兵 二角の鬼面(オーガス)

 将校 三角の鬼面(オーガスト)

 

 意外なことに、オークがゴブリンを従えているのではなく、ゴブリンがオークを従えているようだ。

 

 元いた場所の2Fでは、オークがゴブリンを引き連れてるように思えたんだが……階層によって違うのだろうか?

 

 だがまあ、分からないでもない。

 この城塞の構成を見る限り。オーガが主として支配してる区域ならば、恐らく同族か、それに近い立場であるゴブリンが、オークより立場が上でも不思議ではないだろう。

 

 しかしそれ自体はどうでもいい。

 

 総数が多く、組織だって動いているのは厄介だが……これまでのようにトライ&エラーを繰り返せば、いずれ突破できるだろう。

 

 ―――お持ち帰りされなきゃの話だがな!

 

 そう、厄介なのは2Fと違ってこいつらは、オレを生け捕りにしようとしてくる。

 

 理由は……娯楽だ。

 

 捕まって連れられた部屋を見て、オレは絶望したね。

 

 どうみても人間としか思えない男女が、様々な意味で……オモチャにされてたのだから……。

 

 オレ以外にも人間がいた喜びや驚きもあったけど、それどころじゃなかった。

 

 どうやら、ゴブリンの中に、魔法を使えるタイプが要るようで、そいつが、傷の治療をすることで拷問の無限ループが成立してるようだ。

 

 そして今から、オレがそこに仲間入りする……冗談じゃない!?

 

 オレは、最後の力を振り絞って、隠し持っていたカッターナイフで首を掻ききり自害(セルフ・クリティカル)したのだった。

 

 そんなわけで、安易に特攻して捕まった場合。

 今回は運が良かったが……自害(エクソダス)しそこねた場合……。

 

 ソレを考えると、これまでのような特攻!(トライ) 玉砕!() 大喝采!!(エラー) を繰り返す気にはなれない。

 

 さあて……マジでどうしたものか?

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