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<6>

 迷わず逝けよ? 逝けば分かるさっ!

 

 迷いに迷った末、脳内に響いた幻聴に唆され、勢いで行動したが……普通に散った。

 

 ―――魔物の巣(モンスターハウス)

 

 ソコに有ったのは、鬼人の城塞(オーガ・フォートレス)だった。


 

 ―――

 ――

 ―


 

 ほんの僅かだが、上階から空気が流れてきてる事に気づいたオレは、上を目指すことにした。

 

 

 そして階段を登った先にあった十字路を、左手の法則に従い左折。

 しばらく進んだところで、二体のオークと遭遇。

 

 優先すべきは地理の把握とばかりに、強引に突破して全力逃走。

 

 ゴブリンは足の長さ(コンパス)の差で、圧勝。

 インプは素早いが、持久力が無いので、普通に逃げきれる。

 コボルトの場合、足が速い上に追跡能力が高いので逃げ切るのは困難。

 ―――と言っても、コボルトは臆病な性質なので、飼い主(マスター)? である、ゴブリンやオークを排除すれば逃げ出すので、さほど脅威ではない。

 

 そして、オークの場合。体格はオレより良く、図体に見合った筋力の持ち主でかなりの強敵だ。

 

 だが、見た目から予想できるが……DEBUだ。

 ぽっちゃりとか、ふとましいとか、マシュマロなんちゃらって言葉で誤魔化せないほどブーデーだ。

 

 確かにパワーは有るが、スピードが無い。

 さらに、スタミナも無ければ、知能も足りない。

 

 それでも正面から戦えば脅威だが、逆に言えば正面から戦わなければどうとでもなる程度の相手だ。

 

 ―――それが油断だったのだろうか?

 

 流石に死亡数三桁超えた今のオレに、死に戻り前提の行動に忌避感は無い。

 

 いやまあ、痛いは痛いし、苦しい事は変わらないが……所詮は一過性のモノだから我慢できるってわけだ。

 

 そんなこんなで、下手に闘うよりも、逃げて未知の道を調べた方が良いと判断しての強行突破だったが……失敗した。

 

 後ろから追ってきたオークは振り切ったが、次の交差点で出会った多くのオークズにボコられた。

 

 ボコられたまでは規定の範囲内で、ある意味予定通りだったが……ボコられた後、殺されずにお持ち帰りされたのは予定外だった。

 

 え? 拉致られた!?

 

 え? え? オレ食われるの?

 

 むしゃむしゃされるのは嫌だなぁ……いっそ自害するか?

 

 無抵抗状態のオレをオークは無造作に担ぎ上げ、その(ネスト)に運びこむ。

 

 いやいや、コレはピンチでチャンスだ。

 

 情報を集める格好の機会だ……なあに、経験上。この負傷具合(ダメージ)なら数時間でオレは死んで帰れる(リスポーン)。キツイのも少しの我慢だ……。


 痛みと腫れで霞む視界の中、オレは必死に情報を集めようと辺りを見渡した。

 

 広い空間に、高い天井。

 複数構造の構造物に、(ウォール)と言うか、(フェンス)

 歩哨のように巡回するオークと、ゴブリン。

 一際大きな構造物の前で、門を守るように立っている有角で赤色肌の漢(オーガ)

 

 ―――ああ、これ城塞(フォートレス)だ。

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