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「ふむ、難儀なことよ」
なんとかなった。
「聖騎士が弱い者いじめして良いのか?」 ……とか。
「神の使徒が懺悔を聞こうともしないのか?」 ……とか。
「オレは仏教徒で、邪教徒じゃない!」 ……などなど。
色々と呼びかけて、とりあえず剣を仕舞って貰うことに成功。
続けて、オレの現状や思惑を伝え。先に進む許可と、出来れば手を貸してくれないか聞いてみた。
「そちらの事情は理解した。
いや、よくわからん部分も多いが、目的は理解できた」
あれ? なんか雲行きが……。
「しかし、真核を破壊される訳にはいかぬ故、引き返すならば良し。さもなくば……」
「えーと、壊したらなんで駄目なのか教えてほしいんだけど」
「……よかろう。無知蒙昧な子羊を導くのもまた、信徒の役目だ」
こうしてオレは色々と聞いた。
途中雑談や脱線もあったけど、概ね概要は理解できた。
どうやら、真核を破壊すると迷宮は崩壊するらしい。
彼の言い分を聞くと、彼らは迷宮の製作者に真核の守護役として雇われてる。
雇われてるというか……生かされてると言い換えたほうが正しいっぽい。
つまり、真核の破壊=彼らの死となる。
ああ、そりゃ協力は出来ないし、むしろ妨害して当然だな……。
「どうすりゃいいんだよ……」
「知らぬ」
「なんとかならないの? 神様なんでしょ?」
「我が主の権能は“未来視” 神族とて万能に非ず。
―――職能に合わぬ事は、そこらの凡人と変わらぬ」
うわ、神様のくせに使えね……。
しっかし、本当に困った。
室内で騎乗戦闘するようなアホだけど、実力は確かだし、性根も悪くはなさそうだ……。
トライ&エラーを繰り返せば、いつかは突破できるだろうし、それ以前に、上手く口車に乗せて出し抜いた方が早い。
でも、ダンジョンコアを壊すと、こいつが死ぬってのが拙い。
モンスターや、ノスフェラトゥみたいな奴ばっかりだったら気にしないんだが……。
あれ?
そういや爺さんに聞いた話と少し違うな?
爺さんは確か、ダンジョンコアを破壊すれば、オレは開放されると……あれ?
よく思い出してみよう……。
解放?
>「うむマジじゃ。お主が現状から逃れ、元の世界に還るには、それしかないのぉ」
逃れる?
帰る?
なにか微妙だけど、重大な齟齬があるような気がしてきた。
状況が状況だった事と、魔術師ギルドのお偉いさんだったからなんとなく信用してたけど……もしかしてオレ、騙されてる?
「……」
騙されてるとまではいかなくとも、利用されてるのは間違いないように思えてきた……。
ちょうどいいや、この際だし、自称・聖騎士に相談してみよう!




