表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/53

<34>

 「ふはははははっ! これは愉快じゃ! まさか斯様な手で不死の魔人(ノスフェラトゥ)を討伐しようとはっ!!」

 

 静謐な研究塔。その最上階に哄笑が響く。

 年甲斐もなく、子供のように老魔術師は笑い転げる。

 

 手に持つスマートホンに映し出された映像。

 

 迷宮に仕掛けた術式と連動し、迷宮に配置された兇手(ユニット)を介して中継させることでリアルタイムでの表示を可能とする。

 

 これは、偶然と必然が生み出した邂逅。

 

 老魔術師と異郷の少年の思惑は擦れ違い……そして、運命は流転する。

 

 「……はっ……ぜー……は……くくくっ……実に懐かしい」

 

 笑い疲れ肩で息をする老魔術師。笑いは拷問に使われるほど体力や気力を奪い取る。

 魔術によって生命を強化し延命しているとは言え、老体には堪えた。

 

 ふらつく身体を支えるように、老魔術師は椅子に深く座り。天井を仰ぎ見て遠い目を浮かべる。

 

 脳裏に浮かぶ、勇者との旅の思い出を振り返り苦笑を漏らす。

 

 しかし郷愁の念に囚われること無く、老魔術師は目の前で起きた事象の分析を始める。

 

  「―――ふむ、しかしコレ(・・)は盲点じゃったな……。

  

  関節の可動域に干渉しないように、精密な障壁を構築すれば防げるじゃろうが……初見ではワシでも対処は無理じゃ。

  

  ―――しかし、面白い! 実に良い!!

  

  彼の勇者(ヴィクティム)と言い、彼の少年(サブジェクト)と言い。実に突飛な発想と行動をするものよ……真に興味深いのぉ」


 老魔術師が思い返すのは、先ほど見た戦い。

 死闘と言うには滑稽で、決戦と言うには道半ば……それで有りながら重要な転機と成りうる。駒と駒の戦いであった。



 

 関節技(サブミッション)を極められ、苦痛に喘ぐ魔人は、少年を振り払らう。

 

 見た目こそ痩躯だが、魔人の腕力は決して低くはない。

 なぜならば、強化魔法(リーインフォース)が自身に掛けられているからである。



 人の身を捨て、魔に墜ちた魔人の妖力(オド)は大きい。

 

 魔人に限らず、魔に属するモノは総じてオドが高い傾向にある。

 

 オドの量が十分に有るならば、わざわざ魔力マナに干渉せずとも、独力で魔法行使することも可能となる。

 

 それが、魔術(ウィザードリィ)の対となる妖術(ソーサリィ)

 

 妖魔と総称される魔物の持つ特殊な能力を体系化したモノであり……人外にのみ許された秘術(アート)である。

 

 魔術と異なり、妖術は外より内に作用するのが特徴で、自己の身体強化は、基本的な妖術であった。

 

 

 人は魔術しか使えないのに、妖魔は魔術も妖術も使うことが出来る。

 

 これは人類にとって大きなハンデキャップとなり、真っ向勝負で、人は人外には勝てないとされる由縁でもあった。

 

 その証左として、魔人は、少年の決めた関節技を、純粋な膂力(パワー)の差で跳ね除けたのだ。

 

 しかし、崩れた体勢と、傷めつけられた傷が癒えたわけではない。

 

 そのため、魔人は再び少年から間合いを離そうと考え、実行に移した。

 

 ―――だが遅い。

 

 振り向くことより、距離を話すことを優先したが……それでも遅かった。

 

 魔人の背後から、少年が飛びかかり首を捕らえた。

 

 窮鼠に噛まれ狼狽したモノと、徹頭徹尾、必死だったモノとの差が勝敗を分けた。

 

 ―――首挫き(チョークスリーパー)

 

 それが決まり手となり、魔人は意識を手放したのだった……。

 

 


 魔法名やモンスター名などが一定ではないのは、語り手が違うからです。

主人公視点での名称は、主人公が便宜的にと外見イメージから適当につけた名前です。


 世界的に一般的なのは、老魔術師視点で語られる方です。


 ただし、地方や時代によっても呼び名は微妙に変わり、異名や別名も普通にあります。


 世界観的に、良い意味でも、悪い意味でも“日本語”がベースです。


 老魔術師と主人公の会話が成立するのは、方言や俗語的な差異はあれど……使われてる“言語”が“同じ”だからです。

 それ故に、老魔術師と主人公で、モンスター名の齟齬が少ないのです。


 この辺りの詳細設定もありますが……現時点では無意味ですので、解説は割愛します。



 結局のところ何が言いたいかというと―――


 こまけぇこたぁいいんだよ!!(AAry


 ―――って、ことです^^



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ