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目と目が逢う~瞬間……隙だと気づいたので、オレは咄嗟に目撃者の首を撥ねた。
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鬼の城塞に来るのも二週間ぶりである。
感慨も懐かしさも無いが……トラウマは有る場所だ。出来れば二度と来たくはなかったが通り道だからしょうがない。
気配を殺し、足跡を忍ばせ、オレの潜入は上手く言った。
見つかっても騒がれる前に仕留めれば問題は無い。死体を処理する必要もないので楽は楽だ。
問題は倒した敵がリポップしたら侵入がバレるってことだ。
しかし、それまでに最低でも3時間程度の猶予は有る。
タイムリミット前に城塞を通り抜ければ、ミッションコンプリート。オレの勝ちだっ!
城塞の中は遮蔽物や小部屋も多く、隠れてやり過ごすには最適の環境だった。
それでも何度か見つかり、始末する羽目になったのはオレが蛇では無いのだから仕方がない。
―――蛇だとしても、オレはゴリ押しスタイルだったので、結果は大差ない気もするが気にしてはいけない。
いずれにせよ、鬼の城塞の半ば。折り返し点を超える事ができた。
行幸だったのは、ココのボスだと思われる鬼人王を瞬殺出来た事だ。
下層から上層へ。順路を逆走しているのが功を制したのか、期せずして玉座の背後を取ることが出来た。
玉座と言ってもソレはさほど豪華でもなく、背後から首を狙えた事も大きな要因となり、暗殺はあっけなく成功。
オーガはムキムキの強靭な肉体の持ち主だが、鋼の強度を持つわけでは無い。
これが黒曜石の槍や錆びた剣程度なら、軽傷で済んだかもしれないが、オレが使っているのは紋章入りの良い剣だ。切って切れないはずがない。
そうは言っても、正面から戦えば勝機は低い。
例え包丁を持ってようと、一般人が、正面から戦ってプロレスラーに勝てるか? って話だ。
しかも相手は素手じゃない。
文字通り鬼に金棒的なごっつい武器を持っている。
火力的にも間合い的にも負けてる以上、普通なら勝ち目の無い相手だった。
それを苦労せずに撃破出来たのだからラッキーだと言わざるを得ない。
―――しかし幸運はソコまでだった。
王の近くには、側使えがいるものだ。ソレはモンスターでは変わらないらしい。
玉座の間……いや、作戦会議室か?
どちらでも良い、つまりこの場に近衛兵が居たってことだ。
怒声が上がり、敵襲が告げられる。
因縁の有る強敵だったが、王が殺られ浮足立った隙を付いて、今度は強行突破に成功。
そうしてなんとかその場から逃れることは出来たが、城塞は……オレは触ったこともないが……蜂の巣を突いたが如く騒がしくなった。
ヤバイヤバイヤバイ! 囲まれたら終わる!!
さっきは運が良かっただけだ。
オーガウォーリアは強敵も強敵だ。身体能力は元より根本的に技量が違う。
真っ向勝負でオレが勝てるビジョンが見えない。
追いつかれたら……次に遭遇したらアウトだ。
遠距離から、接近前に魔法で仕留めるのも火力的に難しく、接近戦は論外。
オレがゴーレムに勝てたのは、相手がでくの坊で、戦術も無く、動きもトロかったからであり……マッチョで機敏な戦士と比べるほうが間違っている。
リアルな鬼ごっこデスカ……そうですか……ええい、意地でも逃げ切ってやるっ!




