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3F……ココが地下だと仮定するならB1と言うべきか? いいや、確定するまではオレの部屋を基準に、3Fとしておこう。
鬼の城塞攻略だが、ココでも問題となるのは数の暴力だ。
1Fの亡霊館と違って、武器を奪うことで弱化できる分まだマシだが、それでも囲まれたら終わりである事に変わりはない。
ならば、数の暴力には、数の暴力!
言葉は通じなくともある程度、意思疎通が可能ならば、脅すなり騙すなりして、2Fのゴブリンやコボルトを1Fのオークやオーガ共に嗾ければ良い!!
―――そんなふうに考えていた時期がオレにもありました。
結論から言うと……無理だった。
意思疎通は曖昧が故に、騙すことは難しい。
感情や意思が伝わるので、騙そうとする意思や悪意まで伝わるために嘘を付くことが不可能だった。
ならばと方針を変え脅してみると、こちらの方は上手く言った。
しかし、統率が全く取れなかった。
命じれば従うが、目の届かないところに移動した瞬間、指示を無視して好き勝手に動き始める。
それどころか、目の前にいても隙を見せれば命令を無視するありさまだ。
その場、その場での指示には従うが、間が空いたら命令忘れたように好き放題に動く。
これは鳥頭と言うより、後先を全く考えず刹那的に動く、自制心0の究極DQNと言うべきだろう。
ハッキリ言って使いものにならない。
それでも裏を返せば、数体を引き連れて敵に嗾けるくらいは出来る。
―――だが無意味だ。
どうやらモンスターの場合、種族が違っても、仲間意識はあるらしく。
上手く煽って嗾けても積極的に戦おうとはしないし、最悪、その場で敵味方が団結してオレを殺しに来る始末だ。
そして気づいた。考えてみれば、これまでモンスター同士が争っている様子を見たことがない。
上位者から下位者への暴力はあるが、ソレ止まりで殺人……殺モンスターまでには至らないようだ。
しかも不思議な事に、オレが睨みをきかせ下位者に、下克上を促しても、全く乗り気にならない。
虐げられた恨みつらみは有るようだが、それでも復讐しようとは考えないらしい。
コレは、モンスター独特の習性とでも言うべきなのだろうか? 解せぬ。
ともあれ結論として、数の暴力に数の暴力で対抗しようと言うオレの策は瓦解した。
そうなると打つ手は最早、一つしか無い。
戦ったら負けるのならば……戦わなければ良い。
ツチノコを食べて怒られた伝説の傭兵に倣い、侵略ではなく侵入を果たす。
そもそも、オレの目的は上層への移動であって、敵の殲滅ではない。
スタイリッシュで汚い忍者の如く忍べば良い。
だからオレは敢えて断言しよう……。
―――バレなきゃ良いんだよ! バレなきゃ!!
「……ブヒっ!?」
「……あ」




