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ヒーリングはアレだが、ファイアショットの方はソレナリに使えた。
威力はインプすら一撃で倒せないくらい弱いが、それでも小石を全力で投げつけたくらいは有り、射程も同程度だ。
―――なら投石した方が速くね? ……とも思ったが、そもそも、迷宮に小石なんて落ちてなかった。
例え落ちていても、ファイアショットなら、打撲と火傷の二種類の傷を追わせることが出来る分、こっちの方が使える。
それに何より……“魔法攻撃”で有ることが重要だ。
物理攻撃の効き難いモンスターへの唯一の対抗策だと言っても良い。
そんな訳で、さっそく活用してみる事にした。
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「我は人生を呪……おっと、アブねっ!?」
迫り来る豪腕を避けるため、詠唱を中断。脇をくぐり抜けるように飛び込みからの前転を決め、勢いを殺さないように上手く立ち上がると、振り返らずにそのまま走って距離を取る。
ある程度、距離を取ったところで立ち止まり。詠唱しながら振り返り、ドスドスドスと重低音を響かせて迫り来る巨体に照準を合せるように指を動かし、魔法陣を宙に刻む。
「―――火を放てっ!」
身体の中の魔力が動き、描いた方陣が淡く輝いて弾ける。撃ちだされた火の弾丸は目標に直撃するも……怯ませることは出来なかった。
クソっ……ノックバックしてくれれば少しはマシなんだが……まあいいさ、着実にダメージは重ねてる。
少しでも削れるなら、削って削って削り切れば良いっ!
―――そう、オレの戦いはこれからだっ!
微妙に打ち切りっぽいフラグを立てながらも、地道にヒット&アウェイを繰り返し……オレは遂に動く銅像の撃破に成功した。
倒した後、走り回ったせいで疲労困憊。しばらく動けなかったが……問題は無い。
どうやらボス部屋には、他のモンスターは入ってこないらしく、ボスが復活する気配も無かったからだ。
ふぅ……しかし、なんとかなったな……。
3Fの攻略が困難に成ったが、代わりに1Fの攻略が可能になったのだから結果オーライと前向きに考えよう。
ゴーレムを倒した時点で、床に描かれた魔法陣っぽいものも消えてるし、奥の扉も開くようになった。
それにボスっぽい奴を倒したんだから、この先に何があるのか非常に楽しみだ。
例え行き止まりでも、ソレはソレでオッケーだ。なぜならば、出口は上だと確定する。
―――とは言え、3Fの攻略に詰まってる現状。ベストなのは1Fに出口が有ることだが……さあ、どうだ?
体力も回復し、部屋に転がっていた残骸から、使えそうな盾を見つけたのでソレを拾ってから、オレは扉に向かった。
詠唱し過ぎで喉が痛いが……先が気になるし、下手に引き返してボスがリスポーンしたら二度手間でしかない。
しかし、MP的な縛りは無くても、喉にダメージが来るってのは想定外だったな……。
もしかしてキャンディーでMPが回復するタイプのゲームって、のど飴的な意味だったのか!? ……ねーな。
く……結構重いな、この扉。
肩で押すようにして、体重かけて……良し、開いた!
さあて、何が出るか……げっ!?
扉を開け放ったオレの目に飛び込んできた光景は、燭台に照らされた、赤絨毯が敷かれた屋内を思わせる通路だった。




