<17>
復帰直後、いつもならパジャマ姿となる。
しかし、部屋が荒らされて、仕舞っておいたパジャマが奪われている状態では、パジャマが再設置されることもなく、必然的にオレはパジャマを剥かれた状態となる。
その結果。部屋を飛び出してから数分後、パンツしか履いてない事に気づき、すごすごと部屋に戻ると言う奇行種が誕生した。
と、とりあえず、新たに刻まれた青春の一ページを破り捨てながら、今後の展望を考えよう。
理屈は分からないが、復帰地点が自室しか無いなら、部屋の維持は必須だと思う。
そこでオレは、部屋の中からなんとか着れそうな状態の服を見つけ……って、妹に笑われた変なTシャツしか残ってないのかよ!?
ま、まあいい。玉ねぎ装備も無いし、オレも忍者じゃないから、すっぴんよりマシだ。
続けて補修できるところは補修しよう。
部屋に残ったガラクタ化した家具を、片っ端から部屋の外に放り出す。
するとあら不思議! 数分後には元通りの部屋に!! ……本気で摩訶不思議だが、今更なので考えまい。
しかし、復帰したのは部屋に残っていた分だけで、持って行かれたであろうモノはリポップしていない。
ならば次は、奪われたモノを奪い返す必要がある。
―――いや、正確には奪い返す必要もない。
所持者を打ちのめし、床に放置すればそれで良く、破損や汚損も考えなくてイイから気楽なものだ。
―――ゴブリンに履かれたパンツと考えると、リセットされてるとは言えども気分的にはアウトだが……深く考えたら負けだと思い込もう。
方針が決まり、オレは角材片手に……って、リセットしちゃったよ!?
流石に素手で挑むのは……いや、今ならオレも魔法を使える。
僅か二種類だが、攻撃魔法と回復魔法なので不足はない。……回復魔法の方は、まだ試してないが……たぶん使えるだろう。
さて、他に持っていくモノは……ああ!? ノート!!
慌てて机に向かい、地図を書き込んだノートを開くも……真っ白だった。
「……」
―――
――
―
部屋を荒らされたのは、オレが中途半端な対応をしたからだ。
ゲームで言うセーブポイントの様に安全地帯だと、無根拠に思い込んでいたのが敗因となった。
幸いなことに、オレの部屋にも鍵はある。普段はゴニョゴニョする時しか使わないので忘れていた。
理屈は不明だが、ドアの破壊は困難だ。
試したところ、迷宮の壁と同じく、打撃を加えても僅かに凹むだけだし、さらに数秒で復元される。
つまり出かけるときには鍵をかけると言う、当たり前のことをしてれば防げたわけで……ぐぬぬ。
まあいい、同じミスは二度しない。
……それはモンスターも同じなので油断もしない。
性急に攻略を進めようとせず、地盤を固めるべきだ。
幸いとい言うとおかしいが、3Fの鬼の城塞は、オレの再襲撃を警戒してるだろうから、当分は近づけない。
まあ、一週間も放置すれば警戒も少しは解けるだろうから、それまでは、この階層の完全攻略を目指すべきだな。
……そうだな。
魔法という新たな攻撃手段を得た今なら、いっそのこと敵の武器を片っ端から1Fのボス部屋に不法投棄しても良いな。
そうすれば、万が一、ドアを破られても武器を奪い返される心配はないからな……うん、悪くない。
それにだ、例のレアアイテム的な、紋章入りの剣も惜しまず使おう。
温存しておいて、結局使わない……使えなくなるのは、ゲームならともかく、現実ではただのアホゥってこった……。
敵を知り己を知れば百点危うからず……って事だ。
そう、読書感想文を書くときには、習ったように作者の思いを想像するのではなく、先生が求めている感想文を予想するのがコツって意味……あれ? なんか違わね!?




