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<12>

 ねーねーお兄ちゃん、彼女できたって本当? ……あはは、やっぱり?

 もう! 勝手に私のおやつ食べないでよ!

 だ・か・ら! お兄ちゃんはモテナイのよ!

 あれ? どうしたの? ……ぷっ 似合わない服きちゃって! きゃはは変なの!

 

 「ええい笑うな! コレでもブランド物なんだぞ!! 変Tシャツ言うな!!

  ―――ああ、夢か……」

  

 ちっ……いつの間にかに気を失ってたようだ。

 

 ―――状況は変わらない。

 

 気合一つでどうにか出来るほど甘い状況じゃないから当然だろう……。

 

 アレから何時間……いや、何日経ったのか分からないが、状況が改善する様子は無い。

 

 一縷の望みとして、救助隊か何かが助けに来る可能性がある。

 

 囚われているのがオレだけじゃないならば、警察や冒険者や勇者とかが助けに来てくれるかもしれない。

 

 もっとも、ココに囚われているのがオレと同じような状況。

 

 つまり、異世界から拉致された被害者だった場合、救助が来る確率は限りなく低かった。

 

 しかし、残された衣服や顔立ちを見るに、確実ではないが、囚われてるのは、この世界の住人である可能性が高い。

 

 そうだとすれば、この世界の住人は、この迷宮や被害者を放置せずになんとかしようとしているはずだ……。

 

 ならば後は、ただひたすらに耐えれば良い……。

 

 ………………って、冗談じゃない!

 

 思考を止めるな!

 希望を捨てるな!

 

 有るか無いか分からない救援を待ち続けてどうする!!

 

 仮に待ち続けるにも、現状維持なんて嫌過ぎるっ!!

 

 だが状況は最悪も最悪。

 

 拘束されて嬲られる続けてる今、喩え開放されてもろくに動けやしないだろう……。

 

 もっとも、その場合、早々に自害すれば良いだけなんで問題はない。

 

 そうなるとやはり、最低でも拘束を解く必要はある。

 

 拘束自体は大したことはない。首輪を付けられ、縄で括られてるだけだ。

 刃物が有れば容易に脱出出来る。

 

 その刃物も、鈍器や拷問具に紛れて、そこらに無造作に転がっているので刃物の入手に問題は無い。

 

 ―――問題となるのは、今のオレに“手”が無いことだ。

 

 比喩的な意味ではなく、物理的に無いのだからどうしょうもない。

 

 手がなければ足で! ……足も無い。

 

 手首足首は潰されてる。真っ先に潰された。

 

 手の届く範囲に無造作に武器を転がしてるのも、拾ったところで使いようがないどころか、拾うことすら難しいと分かっているからだろう……くっ、厭らしい真似をしやがってっ!

 

 今できることは、見ること、聞くこと、考えること……そして、呻くことくらいだろうか?

 

 ははは……どうしょうもねーや……。

 

 ほっといてくれれば衰弱して死ねるものの、シャーマンの回復魔法っぽい何かが邪魔をする。

 

 餓死しようにも、材料不明の糞不味い飯を、無理矢理に食わされ飲まされるので、不可能だ……。

 

 「ぐぎゃぐぐ……ぐぎゃあっ!」

 

 醜悪な面構えゴブリンが、(スタッフ)を振りかざし……ぐぎゃぐぎゃと呪文(スペル)らしきモノを唱える。

 

 言葉の意味は、死を呪う事で、怪我を遠ざけ、傷を癒やす事だと、なんとなく分かる。


 そりゃそうだろう、もうすでに何十回、何百回聞いたかって感じなのだから、わからない方がオカ……シ……イ……?

 

 

 ―――意味が分かる(・・・・・・)

 

 今のオレでも……呻くことくらいは出来る……“発音”は出来る……っ!?



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