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死に覚えゲーと言うものが有る。
具体的には、敵や障害物の行動や出現のパターンを覚えることで攻略する手法だ。
これは大半のシューティングやアクションゲームに該当する事柄だが、コレには条件がある。
それは偶然性の有無だ。
覚えゲーが成立するのは、相手の行動パターンが、毎回同じである場合。
または、限られたパターンしかない場合にのみ適用される。
また、ランダムでも、ある種の規則性が有れば、何度も何度も繰り返すことで予測が可能になる場合も多い。
いずれにせよ、無限コンテニューならば、いかな鬼畜ゲーであろうと……例え戦略の余地のない運ゲーでであろうと、いつかは攻略できるものだ。
ならばこそ、オレは絶望的な難易度の……この迷宮でも、なんとかなるっ!
……と、思っていたが、どうやら前提が間違っていたようだ。
理由は単純にして明快。
やり直すする度に、パターンを学習して対処できるのは……オレだけの特権では無かったって事だ……。
これは、ぼっちプレイ前提のオフラインではなく、オンラインだった。
画面の向こう側に居たのは、CPUではなく……人と言うか鬼だったと言うことだ……。
例えるならば……山賊プレイで、プレーヤーキラーしてたら、プレイヤーキラーキラーに待ち伏せされ返り討ちにあったって感じだ……。
具体的に言うと、外周部の巡回兵から根こそぎ武器を奪い、大幅な弱体化に成功。
そこで次はいよいよ本番の砦の攻略に乗り出そうとした矢先に、武器を持ったオークが一体、彷徨っているのを発見したのが終わりの始まりだった。
外周部の回収は終わったはずだが? まだ残ってたか……しかし、一体だけとは珍しい。
大抵は3~5体くらい一緒に活動してるものだが……まあいい、単体なら余裕だ。
おっと気づかれたか? はははっ馬鹿め退路を誤ったな! そっちは行き止まりだ!!
さて、いつものようにサクッと片付けて、ヒョイと回収して、ポイ捨てすれば……って、なにッ!?
―――少し考えれば気づけたはずだった。
行き止まりで袋小路に追い詰めたってことは……伏兵がいた場合。それは、そっくりそのまま跳ね返ってくるって事に……。
まんまと退路を塞がれ罠にハマったオレの顔はさぞや間抜けだっただろう。
それでもなんとか反射的に、オレは自害しようと、手持ちの剣で自分の喉を裂こうとしたが……、一手遅かった。
退路を塞いだ、なんかやたら強そうな、大剣持ちの荒ぶる戦の鬼人に、武器落としされ。ならばと、舌を噛み切ろうと口を開けた瞬間に、大剣の柄を口内にねじ込まれ、歯を根こそぎへし折られた。
こうして、自害する手段を失ったオレは、なすすべがないまま、城塞の中に連行されていったのだった……。




