蒼い瞳
「食べたら一緒に街へ行こう」
「嫌です」
いつもどおり即答か、抵抗は慣れてきた証拠だろう。
「服を買う。いつまでもボクの白いシャツでいたくないだろう?それにボクは君の趣味が分からないんだ。前買って来た服は嫌そうな顔で着ていただろう?」
「オレ、このままでいいです、」
「君と言う奴は‥本当に欲がないな‥」
「ここに住んでいられるのがオレの幸せです。ご主人様は優しいですし」
「ふん、君にそう言って貰えるとは光栄だな。」
嫌味のように鼻で笑い、言う。
「ふふっ」
口に手を当て笑う、愛くるしいのほか無い。
「服は必要だ、買いに行く。君も一緒にな。」
「えぇー!!」
「えぇーじゃない。行くと言ったら行く。」
「出たくない‥」
手を止めて俯いてしまった。いつもならここでボクが折れるとこだが今回は折れない
「行くからな。」
「はぁい」
彼は俯いたまま了解する
「‥君は…何故街に行きたくないんだ?上がり症なのか?それとも人見知り?教えてくれないか?」
ボクはふと思い聞く。
「オレ…やたら髪が‥青い‥から眼も、ゴブリンみたいに緑で、この町の人、皆髪の色が白銀とかだから目立つし‥その…」
彼はボクと並ぶと余計に目立ち仕事に影響が出ないかと心配してくれていたようだ。
「くだらない。ボクはもともと無駄に有名だ。」
ボクはもともと暗殺者他国では死神のレッドヘア。
ここらでは大富豪で不気味な屋敷に住む男。
仕事場では残虐姫。
女だということを知っている者は指で数えられる程しかいない
ボクにとっては面倒臭いの他ならないが。
「でも‥ご主人様」
「気にするな。」
ズバン。と言うとさっさと食えと促した。
買い物に行くと言ったら行く。
彼の為であり、ボクの為でもある。
気分転換には散歩は最適だ。