表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rose, that of loneliness are silver kingdoms  作者: 劉抻(りゅうしん)
孤独の赤薔薇
5/15

有り合わせのビーフシチュー

ボクは彼を大広間に連れていき、椅子に座らせた。



「ほら……。」


テーブルの上にビーフシチューを置く。

冷凍庫から材料を引っ張り出して有り合わせのビーフシチューを作った


彼は隠しきれたとおもっただろうが、腹の虫が鳴いていたのはお見通しだ。


「…………。」

彼は固まってジッ、とビーフシチューを見詰めていた。


「何見てる。喰わないのか?」


「あっ、えと……ごめんなさい…その…」


「謝るな。どうした、腹が減ってないのか?どこか悪いのか?」


「あっ、すみません…あの、違います、どこも悪くないです、お腹も減ってますその、えっと……ごめんなさい」


謝るなと言ったそばから彼は謝っていた。


「……食べ方が分からない…とかか?」


「…はい……申し訳ございませんオレ…無知で…その……」


彼いわく日頃はパンと水のみ。

ラッキーな時は雇い主の食べ残しがもらえたそうだ。

彼はボクの顔色を伺いながら話している。

怯えは隠せていない、


「謝るな。すこし待ってろ。」


ボクは台所へ行くと自分の分も持ってきた。



「?」


「いいか、真似をしてみろ。こう持つ。」


『!はい』


彼はおぼつかない手つきながらも真似をする。


「出来ました」


「次はこうして、こう。」

口へ運ぶ動きをする。、


「んっと、こう…で、んっ!できまふぃた!」


ボロボロ溢しながらではあるが、一口頬張って嬉しそうに言う。


可愛い。


「くすくす…良くできました。」


少し笑いながら彼を誉める。


するとものすごく嬉しそうに笑った。


「ん゛む、んく」


コツを掴み出した彼はガツガツと、食べる。


「凄い食欲だな…」


そうとう腹が減っていたようで、すぐに空になってしまった。

ミルクも残さず口ひげをつけて美味しそうに飲み干す。

それでももの足りなさそうにしていたものだから、

つい、自分の分を与えると嬉しそうに食べた。


ミルクも新しく注いであげた。


「美味しいです、ご主人様!」


世話を焼くのも悪くないかもしれない。


ぐらりとボクの心が揺らいだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ