表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
川里俊生シリーズ  作者: 川里隼生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/15

くじたろうとバス運転手

2009年2月1日。長崎バスの運転席に、一人の男がいた。男の名は川里俊生。去年の10月に長崎バスに入社した。主に田上から神の島を結ぶ路線を担当している。


2109年1月31日。海の都小学校は土曜日で休みだ。朝早くからゴジラくんが遊びに来た。と言っても発明品を自慢しに来たのだろうが。

ゴジラくんは大きめの目覚まし時計を2つ出した。

く「これは何?」

ゴ「何に見える?」

く「目覚まし時計」

ゴ「残念、これ小型タイムマシン」

悪い予感がする。


川里のバスは宝町に着いた。きょうは曇っている。ここから多くの高校生が乗って来るのだが、みんな黙っている。長崎南高校の生徒たちだ。


僕はマシンを操作していない。操作したのはゴジラくんだ。

く「また誤作動?」

ゴ「またとは何だ!」

ゴジラくんによると、どうやら世界移動ワールドジャンプ)が起こったらしい。2人とも無事だが、タイムマシンが壊れてしまった。


バスは南高裏門前に着いた。生徒たちは黙って降りている。マナーがいいとも言えるが、川里にはそれが異常に見えた。


ところで、ここはどこだろう。道行く人がノーリアクションということは、去年の夏に旅行に行ったところだろうか?

なんて考えていると柱にぶつかった。僕らが読めない漢字が書かれていた。

く「みなみ・・・うら・・・」

ゴ「もん・・・」


川里が田上に着いたときだった。いきなりバスの屋根で小さな爆発が起き、パラシュート付きの紙が落ちてきた。

川「犯行予告 破壊して変えろ 60 神の下 東京 大阪 ヒント:鍵の半分は3」


僕らがしばらく坂道を登っていると、バスがあった。

く「お邪魔しまーす」

中に入ると、男が何か読んでいた。

く「どうしました?」

川「わああああ!」

そこまで驚かなくても・・・。


9時24分。川里にとって見覚えのある奴が来た。

(いや、それより今はこれをどうするかだ。多分イタズラだろうが、あいつがいると何かありそうな気がする。いっそ話しかけてみるか)

川「犯行予告」

く「えっ?」


僕は初めてこの人と会話した。どうやら犯行予告があったらしい。ゴジラくんはずっと外でタイムマシンをいじっている。

く「数字の前の破壊しろって?」

川「破壊・・・壊す・・・壊す・・・割る?」

く「割り算ってこと?」

川「ヒントの半分が3なら・・・60÷3=20、言い換えると、3×20=60」


川里にひとつの記憶が蘇った。川里が小学3年生のとき、ニュースであった・・・。

川「有毒ガスじゃない?」

く「えっ何で?」

川「3月20日・・・地下鉄サリン事件があった日だ」

く「ほほう、じゃあ爆弾はどこ?」

川里はしばらく考えてひらめいた。

川「お客様は神様です・・・」

く「は?」

川「大阪に伝わる経営理念だけど・・・神の下・・・あっ!」

そう言うなり川里がイスの下を調べ始めた。

川「あった!あったぞ!」


く「犯人は近くの高校に通っている学生だった。宝町の歩道橋から改造した花火を落としてバスに乗り、イスの下に不審物を仕掛けた。あの人の推理はひとつ間違っていた。仕掛けられたものは、ただの筆箱。みんな黙っているのに耐えられずにやったらしい。」

ああ、ナレーションって疲れる・・・。


川里は普段の仕事に戻った。あの事件は誰にも話していない。きょうも南高の生徒たちは黙っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ