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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

誕生日の前日

作者: YOU X
掲載日:2012/12/15

これって、残酷な描写に入るんですかね?


入らない気するけど、一応チェック付けときます!

気が付けば、明日に迫った誕生日。


でも、そんなもの、僕には関係ない。


誰も言わってくれる人がいない誕生日なんて、普通の人何も変わらない。






急に聞こえたクラクションと、大きなブレーキ音が鳴り響き、僕の視界は暗くなった。


思いのほか痛みもなく、簡単に立ち上がることができた。


しかし、目の前に転がっているそれを見て、今の状態が普通じゃないことに気付く。


「・・・いったい、何が?」


目の前には、真っ赤な僕が倒れている。


それを見下ろすような位置に、僕は立っている。


確かに地面は足についている。


風も感じることができる。


しかし、呼吸と心臓が止まっていることには、なかなか気付く気になれない。


「・・・死んだのか?」


周りの人は、僕の体を通り抜けて転がっている僕の抜け殻に集まってくる。


こうしていても仕方ない。


「・・・どこに行こうかな?」


僕は、行き先を考えずに、ただ足を進めていった。






僕の両親は、僕が小学5年生の時に事故で死んだ。


僕は、伯父に引き取られ、高校2年生の今まで面倒をみてもらっていた。


でも、僕には分かる。


伯父は、好きで僕の面倒をみているんじゃない。


当たり前だ。


ニセモノの子供に、ホンモノの愛を注げるわけがない。


内気な僕は友達もつくれず、また、それを相談でいる相手もいないまま、


今日、死んだ。






無意識歩いてきたが、まさかここに来るとは思わなかった。


気が付くと、校門の前に立っていた。


思い出も何もないこの高校。


なぜここに来たのかは分からない。


だけど、だからといって他に行くところもない。


「・・・」


僕は、校舎の中に入って行った。






初めて人を好きになったのは、中学2年生の夏。


ミサトさんという女の子だった。


明るくてやさしい、とてもいい人だった。


でも、明らかに自分とは釣り合わない。


そんな僕だったけど、気が付けば、ミサトを追いかけてこの高校に来ている。






「おい、待て!」


急に呼び止められ、僕は立ち止まった。


「君達、ネクタイはどうした?」


僕を呼び止めた男子は、僕ではなく、近くにいた生徒に声を掛けたみたいだ。


「でも、別に校則じゃないし、集会のときだけ着けたらいいだろ?」


「それだから、うちのクラスの成績が下がるんだ!」


相変わらず、委員長は・・・


委員長は、イチイチ細かいことに首を突っ込んでくる。


同じクラスの人に対しては、特に厳しい。


僕も同じクラスだから、小さいことで、委員長には何度も怒られた。


だから、この高校では、一番多く僕に話しかけてくれた人かもしれない。


「ネクタイと成績は何が関係あるんですか?」


「気が緩んでるってことだ!普段からしっかりしてないと、大事な時にもしっかりできないんだ!」


「もう、分かったって、面倒くさい・・・」


「あ、ちょっと待て!」


「まだなんかあるんですか?」


「今うちのクラスの生徒集めててな!教室に来い!」


「なんで?」


「来れば分かる!」


「理由ぐらい教えてくれたって!」


「いいから来い!」


この、委員長の強引なところも、いろいろ大変だった。


そして、うれしかった・・・


ところで、うちのクラスの生徒を集めてるっていうのは、どういうことだろう?


僕も行った方がいいのか?


まあ、今行っても何も出来ないのだが・・・






誕生日は毎年やってきた。


伯父の家族は、毎年、笑顔でシャッターを切った。


僕は、毎年、無理やりの作り笑いで、写真の枠に収まっていた。


でも、写真の数が増えるたびに、僕の心の穴も増えていった。


だって、この人たちは僕の親じゃない。


僕に気を使う。


僕は、本気で叱ってほしかった。






廊下を歩いていると、向こうから、あの人が歩いてきた。


「・・・ミサトさん」


つぶやいても、今の彼女には聞こえない。


「ミサ~、全員集まったって~!」


遠くから、同級生の声が聞こえる。


ミサトさんの友達。よく一緒にいた。


僕もあれぐらい仲のいい友達が欲しかった。


あだ名で呼びあえる友達が・・・


「そう、じゃあ、私たちも戻ろうか!」


「うん!」


そのやり取りを、ただ突っ立って見ていたが、僕は大事な事に気が付いた。


「・・・全員・・集まった」


当然、このつぶやきも聞こえない。


2人は駆け足で階段を上って行った。


僕のことなんか忘れて・・・


委員長の話からすると、うちのクラスで何かが始まるのだろう。


僕のことなんか忘れて・・・


結局そうだ。


みんな僕のことなんてなんとも思ってない。


もしかしたら、これは今日が初めてじゃないのかもしれない。


みんな、僕のことなんか忘れて、ときどき集まってるのかもしれない。


いつも、仲間はずれだったのかもしれない・・・


僕は・・・



僕は・・・・・・






伯父は、今日の朝も、笑顔で送り出してくれた。


一度も『おはよう』も『行ってきます』も言ったことがない僕。


それなのに今日も『行ってらっしゃい』と言ってくれる。


伯父だけじゃない。伯母もだ。


いつも朝ごはんを用意してくれる。


週に一回は、朝からカレーが出てくる。


どこで知ったのか知らないが、僕の好きなチーズが入っているカレー。


『いただきます』とも『おいしい』とも言わない僕の目の前に、


毎朝、笑顔で朝食を運んでくる。


なんで・・・


なんでそこまでするんだろう・・・


愛想もない僕に。


本当の子供じゃない僕に。






僕は走った。


泣きながら走った。


「なんで・・・なんで・・・」


頭の中で生前の記憶が暴れまわる。


下らないことも、大事な一歩も、すべてが頭の中を廻り出す。


「全員じゃない・・・」


やっと着いた目的地の扉を勢いよく開くと、全員がこちらを向いた。


「おお!?どうしたんだ!こんな時間に!」


息を切らした僕は、後ろを振り向いたが、誰もいない。


この人は、僕に向かって話しかけている。


この人だけじゃない、みんな僕の方向を見てる。


そして、何人かの生徒が、教室の中心を隠すように、立ち上がる。


「忘れ物?私が取ってあげるよ!席、ここだっけ?」


「ああ、先生なら、さっき呼び出しされて、職員室に行ったと思うぜ!」


僕は、少し落ち着きを取り戻した。


そして、この人たちが隠してるものが気になった。


「それ・・・何?」


「それって・・・どれ?」


「それだよ、その真ん中のやつ!」


「ん?これ?これは・・・」


「何もない!」


委員長がイキナリ割って入ってくる。


「何もないなら見せて!」


「何もないのに見ても仕方ないだろ!」


「何もないなら見ても問題ないでしょ!」


「見ても利益もないんだ!」


「その辺にしとけば?」


ミサトさんも入ってきた。


「だけど!」


「いいじゃん!ちょっと早いけど!あ、反対側持ってくれる?」


ミサトは教室の真ん中から、何かを広げて持ち上げた。


壁になっていた生徒たちが退くと、そこにはカラフルで大きな紙があった。


「せーの!」


ミサトさんの合図で、全員が叫んだ。


『お誕生日おめでとう!』


その言葉は、紙にも書いてあり、さらには、生徒たちの寄せ書きまであった。


「本当を明日渡そうと思ってたんだけど、ここまで来られたら隠しようがないからね!」


ミサトさんは、笑いながら僕に行ってくれた。


僕は広げてもらっている紙に近づき、寄せ書きを読んでいく。


『いつも黒板綺麗にしてくれてありがとうね(^^)』

『文化祭の出し物の小道具、あれメッチャカッコよかったわ!ありがとうな~!』

『たまには笑えよ(笑)』


「この企画、ミサが考えたんだよ!ちゃんとお礼言っときなよ!」


「・・・ミサトさん」


目から流れるもので、視界がぼやける。


息が安定せず、言葉が震える。


みんな・・・


みんな僕を見てくれてた・・・


「・・みんな・・・ありがとう」


ここにいるすべての人間が、その時笑顔だった。


僕も含めて。




僕は、歩いて扉に向かう。


「どこ行くの?」と聞かれたので、「トイレ」と残してった。


流石に最後がこれじゃ、カッコ悪い・・・


「みんな、本当にありがとう!」


「別にイイって!たまにはこういうのも楽しいし!」


「みんな、次は俺の誕生日も頼むぜ!」


「アホか、お前もやり出したらキリがねぇだろ!第一、もう終わった奴どうすんの?」


そして、クラスはいつも通り盛り上がっている。


これならいい。


これならみんなも・・・


僕が教室を出るとき、悲しそうな顔の先生とすれ違った。


もしかしたら、呼び出しというのは、僕のことかもしれない。



でも、どうでもいいんだ。





僕は、1人じゃないから。

期末考査終わったんで書きました!


やっぱスッキリする!


文章書くって楽しいですね^^


まあ、自己満足なものしか書けませんが・・・


ここまで読んで下さった方、ありがとうございます^^

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