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真実の正義とは?  作者: パッションレジェンド
1/1

一話夢と夢

 俺は昔からヒーローが好きだった、悪から弱者を守り、悪を滅ぼす、そんなヒーローが俺の憧れだった、だが現実は違った、目の前では人が傷つき、うめき声をあげている、

俺は何もできない、無力な人間だ、力が欲しい、どんな事からもすべての人を守れる力が欲しいと……


一章、人生では目立たないというのも生き残るための一つの手ともいえます。


              1、夢と夢

目が覚めた。あたりを見回すとすでに日が昇り始めているのか窓から日の光が差し、うっすらと明るくなってきている。あたりには先ほどのような光景はなく静けさがある、すると何かヒヤッとするものを背中に感じ、「あぁ……」と小さくつぶやき、かぶりをふるった。

先ほどのいやな夢のせいでじっとりとTシャツが湿っている、

最近このようなことがよくある、夢は心の現れというがまさにその通りであろう。

俺は幼いころ、ヒーローになりたかった、だが、現実は無情だ、人間の限界や、社会的にヒーローは俳優という職業の副産物にしかないということ、この世はヒーローというものは架空の存在としか認識していないということで俺の夢は自然に消えてなくなりつつあった、あの日が来るまでは……なんて都合のいい展開が起こるわけがない、毎朝毎朝、、目覚めてはそんな偶然が起こりうるのではないかと期待はしているのだが、そのようなことが起きたためしがない、そんなこんなでもう高校2年になってしまい、いい加減夢を諦めようかと考えたこともあったが、あきらめが悪いのが取り柄の俺はあきらめない、絶対に!!

              

2、日常

古い校舎、外観は小汚いが内装はそうでもない、そして、個性的な生徒が多い、それがわが校、我男恋ナルシス高校だ、この男子高は昔から一風変わった生徒が集められる、

むろん俺のようなヒーローにあこがれるやつや、銃器が好きなやつや、兵法好き、そんなしょうもないやつばかり、だが俺はこんな学校が好きだ、いろんな専門家(世間ではオタクという)が集まる場所へ行き、話を聞く、それだけで世界を知れたような高揚感を味わえる、そんな事を考えているとふいに目の前から小さい男が歩いてきた、

その男はふくよかな体形をしていて、歩くたびにドスッドスッという鈍く、腹に響くようなおとがする。

「おぉ、ひろぉ!!おはよーさん」

太った男が明るく、しかしくぐもった声をかけてくる。

「おはよう!!今日も元気そうだな」

何気なく挨拶を返すが、こいつはHERO部に所属するポッチャリヒデちゃんこと富戸間ふとま 英雄ひでおである、もちろん本人にはポッチャリなどとは言ったことがないもし言ったらどうなる事やら、想像すらしたくはない、ちなみに俺はヒロちゃんこといちのつぎ 比呂ひろである、名前をちょっと変えればヒーロー、かっこいい名前だろ。

「おぉ、元気だぜぇ、そんなことよりもぉ聞いてくれよ、最近痩せちまってよ~……あぁ、もとからかぁ、はははははは」

「まったく、最近のおまえは冗談ばっかりだな、あんまり冗談ばっか言ってると信頼を失うぜ、わかってるだろうがヒーローは信頼が重要だぞ!!」

「あぁ、わかってるってぇヒーローの鉄則第一条ヒーローは信頼第一ってな」

ドヤ顔をしているがヒーロー部であるうえで、

必ず知っているはずのことなので軽く流す

「ああ、そういえば今日のHERO部はあいつが帰って来るぜ~」

「おぉ、何週間振だぁ? エイちゃんにあうのは」

驚いたような顔をし、遠い眼をする、菩薩のような目だ、

ここで一応エイちゃんについて少し説明をしておこう

エイちゃんの本名は池 英ゆ(いけ えいゆ)といい名前が変なのは親がポカを起こしたとしか言いようがない、もっとも本人は名前など、自分の美貌(?)にしか興味がないため、全く気にしてないようだが。

「確か……三週間くらいあってないよな」

思い返してみると自分磨きの旅に出るといいどこかへ羽ばたいていった。

いきなりだったので少しうろたえはしたが、エイちゃんの思考パターンを考えると

普通かなと思ってしまうのがおもしろいところだ

「あぁ懐かしいなぁ、早く会いたいよ」

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った。

「いけね、もうこんな時間か、じゃあまた部活でな」

そういうとヒデちゃんと別れ、階段を上り廊下を全力で走り、教室についた

「なんとか間に合った」

走ってきた俺を変な眼でクラスメイトは見てくるがいつものことなので

気にはしない、そしていつも通りのクラスに俺は溶け込んでいった


           3変化?

学校が終わり、部活へと向かう生徒のざわめきが聞こえ始める、

「よしっそろそろ行くか」

そういうと席を立ち、部室へと向かい、部室の前に立ち、

エイちゃんどんな顔しているのかな?そんなことを考えながら扉をあけると

そこに待っていたのは驚愕の光景だった

「久しぶりですねえひろっち~」

ある男は手に持った手鏡からこっちを覗いている。

そいつは長身だが、その長身さえもオマケにしか見えないような整った顔をしている。

「ひさしぶりだな、エイちゃん、元気そうで何よりだ」

エイちゃんは俺に対してあまり嬉しそうな顔や返事はせず、

鏡を見てはひたすらにやにやしている、まったく呆れたやつだ、久しぶりの驚異のナルシストぶりにため息すらもでてこない。

「それにしても自分探しの旅に出るって言ってたけどよ、帰ってきたからには何か見つけたんだろう?」

ふとした疑問が頭をよぎったので思わず聞いてしまったが、

こいつは鏡で自分を堪能しているときに邪魔をすると機嫌が悪くなると思い出し、

やってしまったと内心ひやひやしながら少し付け足しておいた

「も、もちろんお前のことだからまた新しいイケてる何かを見つけたんだろ?」

すると、エイちゃんは待ってましたと言わんばかりに鏡を閉じて目を見開き、語りだした

作戦は無事成功したようだ

「そうなんですよ~聞いてください!!昨日偶然見つけたのですが見てください、この私の均整のとれた耳たぶを!!自ら舐めることができないのがとても悔しいところですが、見て、なでるだけでも十分とも言えるようなこのフォルム、あぁ何と美しいことでしょう、私はなんて罪びとなんだ、こんなに美しいものをいくつも所有している自分が恐ろしくなってきます、それにしても……」

どうやら、見えない罠にはまっていたようだ、いわゆる地雷というやつだな

こうなってしまったエイちゃんはもはや核兵器でも止められないというほどしつこい、

ああ、早く終わってくれないか、そう思っていると

ガラガラっという音がし、扉が開かれた、天使だ、天使がこの空間に舞い降りた、

無神論者の俺でもそう感じさせるほどのタイミングで何者かが扉をひらいてくれた、あなたの次にすることはこのナルシスエイちゃんを止めることですよ~と切実に祈った

天使は想像の産物と同じようにふくよかでおらっしゃった

「ふおぉー、ムぐむぐ、エイちゃんひさびさだなぁー」

天使の正体はなんとフライドチキンをむさぼるヒデちゃんだった……

昔からトーク王といわれるヒデちゃん、

きっとおれを助けてくれるはずだ、簡潔に話をまとめ上げてくれるはずだ、そう信じたい

「久しぶりですね、ヒデっち、いいところに来ました、私の新しく見つけたこの……」

「なんだぁー?久々に会ったってのにぃまたくだらない話をしているのかぁ?」

唐突に話をきるヒデちゃん、だめ、ぜったいだめ、もう、何でもいいから話を止めてぇぇぇぇぇぇ

一瞬、間があった、この空白の一瞬が怖い

「あぁ?てめえそれはまじでいってんのか?おらぁ」

始まってしまった……恐れていた事態がついに現実のものになってしまった。

ああ今日はいい天気だな……

「てめえはよぉ、俺のすばらすぃぃ肉体美の話をくだらねえとか言ってくれちゃてるけどなあ、てめえは鏡見たことあんのか?そのデブとしか言いようのない、脂肪の詰まった腹をよぉ」

エイちゃんはキレると言動と性格が変わるんです、

ああ~、今日って何の日だっけ?……平和の日だ、そうだ、そんな日だった、そう信じたい、いや、そうであってほしい。

「ふぅ~君は知らないのかい?僕の体は普通体型っていうんだよ、君は知らないだろうから教えてあげるけど君みたいなひょろっちい体よりも普通のほうが癌になりにくいんだよ、わかるかい?ぼくぅ」

頭の中でガーンという音が響き渡る

「くくく、ははははは、てめえはマジに鏡見たことないようだなてめえは生活習慣病で死ぬぜえ、うわははははは」

エイちゃんは笑いすぎて涙が出ている、そこまで笑うことはないとは思うが関わりたくない……

「ふん、大体君はいつ……」

………………………………一時間経過…………………………………

あああああああああああああああああああああああああああああああああああ

もう駄目だ、我慢の限界だ、おれの堪忍袋のなんとやらが熱を持ってはじけ飛んだ

「うるぅせぇえええええええええ、てめえらぁ黙って聞いてりゃあここはてめえら見てえなチンピラが喧嘩するような場所じゃねええええええ」

そういうと二人は、静かになった、

そのままおとなしくなると思ったが、それは鯉が竜になるというほどあり得ない話だった

二人は一瞬、無表情になり、その後見たこともない恐ろしい形相で微笑んできた……

死んだ、そう思った、実際おれは無間地獄ともいえるような長い時を二人に罵倒されつづけた、もういやだ、神様、僕を助けてください……

        4変身

今までいろいろあったがこれほどまでこいつらのことを呪いたいと思ったことはない、

だが、心の広さや器の大きさに定評のある俺は、もうすでにこいつらの行った愚行を

許しつつある、そして、時は進み、大手銀行の前にいる、もちろん、銀行強盗等の物騒なことをしようというわけではない、もちろん、ヒーロー部の活動というわけだ、活動と一言でくくってはいるがその内容は様々で、普通のものから奇妙なものまで様々な活動を取り扱っているわけだ、そして今、現在進行形でヒーロー部一行でパトロールをしているのだが、こいつらからはやる気が全くと言っていいほど感じられない、ヒデは食い倒れの旅的要素を醸し出しているし、エイちゃんは相変わらず鏡を見ている、

こいつらといると目立ちたくなくても目立ってしまう、まったくもって迷惑極まりないやつらである、

「おまえらさあ、もう少し緊張感とかやる気ってもんをだしてくれよ、それによー、そんなに目立っちまったらよー、ヒーローの鉄則第10条に引っかかるだろうよ」

「へぇーい」

「わかりましたよ」

二人はそっけなく返事を返し、目立たないように努力を始めたようだ。

先ほど何気なく言ったが、ヒーローの鉄則とは、俺たちが部を作ったときに決めたヒーローが破ってはいけないだろうというものを勝手に決めてしまったもんである、ヒーローの鉄則略してヒロ則、確か、前にも第一条を公言したと思うがヒロ則は全部で10条ある、これは俺たちがヒーローを研究、まっとうする上で最低限必要な規則、心がけ、etc……

これがないと、正義は悪人にでも狂人にでもなりえる

正義は守るべきものがない時、悪魔に心を揺さぶられ、

そして、何もかもを失い、闇に堕ちる

制約なき力に正義なし、これが俺らの心がけというわけだ

まあそんなこんなで俺らはヒロ則第10条

ヒーローは素顔を知られてはいけないという制約を

再確認しながらもパトロールを再開した、

雑踏を耳に感じながら歩いているとふと、ほかにも感じる何かがあった、

………………視線だ

やはり俺たちは何もしていなくても目立ってしまう、それもそうであろう、イケメンに食い倒れ、そして、その中の一般人(?)という奇抜なパーティでは不思議に思わないほうが変人であろう、もう気にはしないいや、気にしてはいけないだろう……。

町には様々な人が行きかい、さまざまな目的をもち、それぞれが行動している、それはまるでコンクリートというキャンパスに人間という絵の具をあしらった芸術のように感じられる、人間の人生も芸術のようだが、ときに、蛇道ともいうべきか、水彩画のコンクルールに油彩画を提出するような暗愚なアクティビティをする輩が存在する、それは世間では犯罪といい、それをするものは同じ人間でありながらまるで、ゴキブリのような扱いを受けるようになる、人間は、自分と違うものを忌み嫌い、隔離するものである、

ヒーローとはそのようなものたちを発見し、罪が小さいうちに鉄槌を下す、それが仕事なのである。

ざわめきの中、何かが聞こえた気がした、

後ろの二人を見るとどうやら聞こえたらしく軽く準備運動をしている

声と、人々ざわめきから推測すると大体2~300mくらい先の角をまがったところのようだ。

「よし、いくぞ、」

「「準備万端、いつでもいける。」」

それを聞くと、息を大きく吸った、

「正義の光を求めし時、正義の光は汝を照らす、いくぞ、我らが、ヒーロー、変身!!」

言い終える頃には着替え(マスクをかぶり、上着を脱いだだけ)は終了していた。

全身タイツに覆面、これぞヒーローと言わんばかりの昔ながらの服装である

三人は同時に駆け出した、

こうして時間は過ぎていく、何も変わらない日常がゆっくりと、ゆっくりと……


ニ章、世界には知らないことがたくさんありますが、ヒーローのことなら結構知っているつもりでした。


        1、変わるものと変わらないもの

少年は何を感じ、ヒーローを目指したのか、その答えを知る者は世界で一人しかいない、他人には、人の心を読むことはできない、ヒーローもその例の一つである、

心は時に自分さえも欺く、

今日は全くついてない、朝からいやな夢は見るわ、正義(?)狂人どもから罵倒を浴びせられるわ、まったくもって付いていない、だが今日はそんな事件など塵にも等しいくらい小さく見えるようなことが起こった。

俺の人生はこのこれによって大きく変わっていくとそう信じていた。

「うおおおおおぉおおぉぉぉぉおぉまてええええええええい」

俺は今、三件同時に起きたひったくり犯の一人を追いかけている、残りの二件はエイちゃんとヒデちゃんが追いかけていることだろう、俺が推測するにこいつらは頭がいい、一人がまずひったくりを起こし、周囲の人間があっけにとられているうちにほかの二件を同時に起こす、手際の良さからおそらく常習犯であり、もっとも、たちの悪いやつらであることは間違いないはずだ、まったく、今日はついてない。

さびれた町の路地裏を右へ、左へ縦横無尽に逃げていく犯人を追いかけつつ、何か引っかかるものがあった、なんだ、何がおかしい、逃走経路か?いや、こいつ、まったく息が切れてない、そして、気づいた時には広場のようなところにおびき寄せられたようだ。

そして、犯人は立ち止まり、振りむいた、その顔は青白いが息は全く切れていない、

こいつ、なにものだ?

「やっと、あきらめたようだな、お前えは」


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