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【19万PV突破!】精霊たちと話せるので、転生先で聖女になりました  作者: 高梨美奈子


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SS エフィ・クラヴィス辺境伯令嬢

エフィ視点のSSになります。

読まなくても、本編に影響はありません。

王国の盾と称されるクラヴィス辺境伯家は、代々、王家に連なる者たちを守護する役目を担ってきた名門である。


エフィ・クラヴィス。


その長女として生を受けた彼女は、幼い頃から、己に流れる血の使命を、疑うことなく受け入れていた。

そして同時に――その期待に応えるだけの才を、早くから示していた。


座学、実技。

どの分野においても、彼女は常に頭一つ抜けていた。

その実力は、歴代でも類を見ないものだと評されるほどであった。


やがて、その才に惚れ込んだ王家の人間たちが、次々とエフィの力を求めるようになる。

近衛、護衛……あるいは……“陰”として。


誰もが羨むほどの名誉ある誘い。

そして名誉ある地位を約束されていた。


――だが、エフィは決して首を縦に振ることはなかった。


王妃を前にした時でさえ、彼女は静かに目を閉じると、首を横に振った。


(魅力的な誘いなのは、分かる。

皆が私の力を必要としてくれていることも……)


だが、胸の奥に、どうしても拭えない感覚があった。


(……ダメだ。

光が、見えない)


力を求められ、人と会うたびに。

エフィの心は、少しずつ疲弊していった。


(この人も……違う)


そうして彼女は、やがて“声”を聞くようになる。

澄んだ、静かな呼び声――精霊の声を。


そして彼女は、王立学院精霊科への進学を選んだ。





入学後も、その才能は群を抜いていた。

誰かと競う意識すら持たぬまま、気づけば成績表の最上段に名を連ねている。


当然のように首位を走り続け、当然のように首席の座を守ったまま、中等部へと進級する。

周囲がどれほど努力を重ねようとも、その位置が揺らぐことは、ついぞなかった。


周囲の視線は、いつしか畏敬から諦観へと変わっていった。


(……皆、この程度なのね)


自覚はあった。

己が優れていることも、周囲との隔たりも。

だが、それを否定する材料は、当時の彼女の周りには存在しなかった。


自分が“選ばれる側”であること。

その自覚が、いつしか慢心へと変わりかけていた、その時――。


天狗になりかけていたエフィの鼻を、容赦なく折る者が現れた。

留学先から帰国し、中等部より精霊科へ編入してきた一人の少年。


その名は――エリアス・グラン侯爵令息。

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