第43話: 「蘆名領檜原攻撃!…俺の隻眼、初戦で勢い示すぜ!」
「おいおいおい!不動明王みたいに俺の隻眼、もっと強くなるぞ!」天正13年5月、米沢城(山形県米沢市)の広間。伊達藤次郎政宗が刀を手にキレ気味に叫んでいた。当主として伊達家を相続し、愛姫と結婚したばかりの政宗は、朝飯を食べながら戦の準備を進めていた。刀を腰に差した姿は決意に満ち、家臣たちが遠巻きに「当主の初戦だ」と呟き合っていた。
近くで片倉小十郎が汗だくで手をバタバタさせていた。苦労人の顔には疲れがにじんでいる。「殿!朝からそんな大声で叫ばなくても分かりますよ!少し落ち着いてください!」と叫ぶが、政宗はニヤリと笑い、「落ち着く?小十郎、不動明王みたいに俺の隻眼が強くなるんだ!蘆名領檜原(山形県東田川郡)を攻めるぜ、勢い示すぜ!」と言いながら刀の柄に手を置く。小十郎が「うわっ!」と飛び退き、「胃が……朝からですか……」と呴く。
「殿、小十郎の言う通りよ。結婚で忙しかったんだから、少しは静かにしなさい。私だって応援してるんだから」と、片倉喜多が穏やかな声で諫める。小十郎の姉は、政宗の肩を軽く叩いて落ち着かせようとする。「喜多!応援なら蘆名攻め見てくれよ!不動明王見た俺の隻眼、天下獲る初戦だぜ!」と政宗が叫ぶと、喜多はクスクス笑い、「殿が元気ならそれで十分よ。愛姫ちゃんも心配してるわ」と言って微笑む。愛姫が静かに現れ、「藤次郎政宗、戦は慎重に。私も支えます」と微笑む。
その時、広間の奥から義姫がドスドスと足音を立てて現れた。長い髪を結い上げた姿は威圧感たっぷりで、手には扇子を握り潰す勢いで持っている。隣には小次郎がちょこちょこついてくる。「藤次郎!小次郎!朝から騒ぐんじゃない!」と義姫が一喝すると、政宗が刀を手に持つ。「母ちゃん!小次郎!俺、ただ飯食ってるだけだぞ!」
「飯だと!?お前が蘆名攻めるなんて聞いて呆れてきたよ!当主がそんな下賤な真似するなんて、あるまじき行為だ!」と義姫がまくし立てる。「母ちゃん、下賤じゃねえよ!不動明王みたいに俺の隻眼で天下獲るんだ!檜原攻めて勢い示すぜ!」と政宗が返すが、義姫は扇子を振り上げ、「天下だと!?未熟で戦うだけじゃ伊達家の恥だ!品位を持て!」と叫ぶ。
輝宗が穏やかに現れ、「義姫、政宗が檜原を攻めるなら、少しはいいだろ。愛姫殿もいるし、家族で支えよう」と言う。政宗が「父ちゃん、母ちゃん、俺の隻眼で初戦勝つぜ!」と叫ぶと、義姫が「藤次郎!品位を持て!戦うなら無駄死にすんな!」と怒鳴る。愛姫が静かに言う、「藤次郎政宗、戦は必要でも命を大切に。私も信じます」と微笑む。輝宗が「政宗、勢い大事だ。家族で支えるぞ」と穏やかに笑う。
義姫が「勢いだと!?お前、未熟で戦うだけじゃ伊達家の危機だ!勝つなら少しは認めるさ」と反発するが、政宗が「母ちゃん、俺の隻眼で決断するよ!不動明王みたいに強くなるぜ!」と返す。藤五郎がニヤニヤしながら飛び込んできた。「殿、檜原攻めるのか!俺も一発かましてやろうぜ!」と叫ぶ。「藤五郎、お前は黙れ!戦なら品位持て!」と義姫が怒鳴る。綱元が勢いよく飛び込んできた。「殿、檜原なら俺も混ぜてくれよ!不動明王みたいに勝つぜ!」と笑う。「おお、綱元!お前も仲間なら最高だ!檜原攻めて勢い示すぜ!」と政宗が返す。
左月が馬に乗ったまま現れ、「殿、檜原か。わしも馬で一蹴するか。義姫様にまた飯抜きにされますぞ」と言う。「左月じいちゃん!馬で来るなら最高だ!家族と仲間で初戦勝つぜ!」と政宗が返す。5月、政宗は蘆名領檜原へ兵を進め、急襲で勝利を収めた。家臣たちが「殿の隻眼、すげえ」と呟く中、政宗が「小十郎、次は大内だ!準備しろ!」と叫ぶ。小十郎が「胃が……少し楽に……」と呴く。
義姫が「藤次郎!勝ったなら少しは認めるさ!でも品位を持て!」と怒鳴るが、輝宗が「政宗、元気でいいな」と微笑む。愛姫が「藤次郎政宗、初戦の勝利、私も嬉しいです。次も慎重に」と微笑む。喜多が「殿と愛姫ちゃん、頑張ったね」と微笑む。藤五郎が「母ちゃん強いな」と笑い、綱元が「殿、初戦最高だぜ!」と叫ぶ中、物語の第四十三歩が、こうして賑やかに刻まれたのだ。
……とはいえ、初戦で勢い示すのも大変そうだな、と政宗は思ったんだけどな!




