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小大名出身の俺が疱瘡で苦しんで独眼になったけど豊臣や徳川と渡り歩いて仙台の大大名になっちゃった件について  作者: 《本能寺から始める信長との天下統一》の、常陸之介寛浩


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第20話: 「竺丸と一緒に夢見て!…俺の隻眼、家族で天下獲るぜ!」

「おいおいおい!不動明王みたいに俺の隻眼、もっと強くなるぞ!」天正9年、米沢城(山形県米沢市)の庭。人取橋(福島県本宮市)の戦いから数週間経ったある夕暮れ、伊達梵天丸が木刀を手にキレ気味に叫んでいた。立石寺(山形県山形市)で不動明王に憧れ、小源太との勝負で仲間との絆を深めた勢いで、庭で木刀を振り回している。庭の柵には木刀の傷が目立ち、家臣たちが遠巻きに「また始まった」と呟き合っていた。

 近くで片倉小十郎が汗だくで手をバタバタさせていた。苦労人の顔には疲れがにじんでいる。「殿!昨日小源太殿と勝負したばっかりなのに、そんな大声で叫ばなくても分かりますよ!少し落ち着いてください!」と叫ぶが、梵天丸はニヤリと笑い、「落ち着く?小十郎、不動明王みたいに俺の隻眼が強くなるんだ!今日は竺丸と一緒に夢見て、天下への夢がもっとでかくなるぞ!」と言いながら木刀を振り回す。小十郎が「うわっ!」と飛び退き、「胃が……またですか……」と呻く。

「殿、小十郎の言う通りよ。小源太と勝負したんだから、少しは休みなさい。私だって応援してるんだから」と、片倉喜多が穏やかな声で諫める。小十郎の姉は、梵天丸の肩を軽く叩いて落ち着かせようとする。「喜多!応援なら俺と竺丸の夢見てくれよ!不動明王見た俺の隻眼、家族で天下獲るんだ!」と梵天丸が叫ぶと、喜多はクスクス笑い、「私は勝負より見守る方がいいよ。殿と竺丸ちゃんが元気ならそれで十分」と言って微笑む。梵天丸はムッとして木刀を柵に叩きつけた。

 そこへ、竺丸がニコニコしながら庭に走ってきた。梵天丸の弟が、ちっちゃい木刀を手に持って叫ぶ。「兄ちゃん!小源太と勝負したって!?今度は俺と一緒に夢見ようよ!」と笑う。「竺丸!お前、いいぜ!不動明王みたいに俺の隻眼でお前と天下獲る夢、でかくするんだ!」と梵天丸が返す。竺丸が「兄ちゃんの隻眼、カッコいいから俺も一緒に夢見たいんだ!天下獲ろうね!」とニヤリと笑う。二人が木刀を手に持って庭で向き合うと、小十郎が慌てて叫ぶ。「殿!竺丸殿と夢見るなら木刀はやめてください!俺の胃がまた痛くなりますよ!」

「小十郎、うるせえ!竺丸と夢見るなら木刀でいいだろ!家族なら強くなるんだ!」と梵天丸が返す。小十郎が「胃が……もう勘弁してください……」と呻く。

 そこへ、時宗丸がドカドカと庭に飛び込んできた。幼い従兄弟は木刀を手にニヤニヤしている。「殿、竺丸と夢見るって!?俺も混ぜろよ!足軽より面白いぜ!」と叫ぶ。「時宗丸!お前は後ろでいいぜ!今日は竺丸と俺の夢だ!」と梵天丸が返すが、時宗丸は「何!?俺だって足軽斬ったんだぞ!竺丸より夢でかいって!」と反論する。「殿が主役です!時宗丸殿は突っ込む前に考えてください!」と小十郎がツッコむが、時宗丸は「うるさい!」と笑って木刀を振り回す。柵に新たな傷が増え、小十郎が「胃が限界です……」と呻く。

 小源太が勢いよく飛び込んできた。梵天丸と同い年の幼馴染、小源太は目をキラキラさせ、小さな木刀を手に持っている。左月の息子だ。「殿!竺丸と夢見るなら俺も混ぜてくれよ!不動明王みたいに強くなる!」と叫ぶ。「おお、小源太!お前も仲間だ!竺丸と一緒に夢見て、俺の隻眼で天下獲るぜ!」と梵天丸が返す。そこへ、鬼庭左月が馬に乗ったまま現れ、渋い声をかける。「殿、竺丸殿、小源太までか。わしも馬で夢見るか。義姫様にまた飯抜きにされますぞ」と言う。「左月じいちゃん!馬で来るなら最高だ!家族と仲間で不動明王みたいに強くなるんだ!」と梵天丸が返す。「小源太、お前は落ち着け!馬と夢見る前に暴れるな!」と左月が諫めるが、小源太は「殿と一緒なら負けねえ!」と木刀を振り回す。

 その時、庭の奥から鋭い声が響いた。「梵天丸!竺丸!何!?今度は夢見て勝負だと!?」義姫だ。梵天丸の母ちゃんが、ドスドスと足音を立てて現れる。長い髪を結い上げた姿は威圧感たっぷりで、手には扇子を握り潰す勢いで持っている。「母ちゃん!俺、竺丸と一緒に夢見て不動明王みたいに強くなるんだ!」と梵天丸が木刀を下ろすと、義姫が一気にまくし立てる。「不動明王だと!?お前が弟と木刀で夢見てるって聞いて飛んできたよ!大名の若殿がそんな下賤な真似をするなんて、あるまじき行為だ!」

「母ちゃん、下賤じゃねえよ!不動明王みたいに俺の隻眼で天下獲るんだ!竺丸と家族なら強くなるだろ!」と梵天丸が返す。「家族だと!?足軽と斬り合い、竺丸と木刀で遊び回るのが家族か!品位を持て!」と義姫が扇子を振り上げるが、声は少し柔らかい。

 竺丸がニコニコしながら言う。「母ちゃん、兄ちゃんの隻眼、不動明王みたいでカッコいいよ!俺と一緒に夢見たら天下獲れるって!」

「竺丸、お前までか!梵天丸、弟を巻き込むな!」と義姫が一喝するが、輝宗が穏やかに現れる。「義姫、梵天丸と竺丸が一緒に夢見るなら、少しはいいだろ。お前も雉肉汁くれたんだし、家族大事だぞ」と言う。「輝宗!お前が甘やかすからこうなるんだ!だが……竺丸と夢見るなら、まあ少しは認めるさ」と義姫が目を逸らす。「父ちゃん!母ちゃん、少し分かってくれたなら最高だ!俺の隻眼、竺丸と天下獲るぜ!」と梵天丸が叫ぶ。義姫が「天下獲ると!?梵天丸、調子に乗るなよ!」と扇子を振り上げ、梵天丸が「うるせえ!」と笑う。

 喜多が穏やかにフォローする。「義姫様、殿と竺丸ちゃんが元気でいいですね。私も嬉しいですよ」と言う。「喜多、お前は優しすぎる!厳しくしないとダメだ!」と義姫が返す。小十郎が慌てて言う。「義姫様、殿と竺丸殿が夢見るなら俺の胃が……胃が痛い俺が言うのも何ですけど、少し落ち着いてください!」

「小十郎、お前は胃のこと気にしてろ!この子が元気なら少しはいいが、品位は忘れるな!」と義姫が返す。時宗丸がニヤニヤしながら言う。「母ちゃん、殿が竺丸と夢見るなら俺がカバーするよ!足軽斬ったくらい平気だ!」

「時宗丸、お前も黙れ!お前まで足軽斬ってたら許さん!」と義姫が怒鳴る。左月が渋く笑う。「義姫様、小源太は元気なだけですな。わしも竺丸と夢見るなら馬で突っ込みますよ」と言う。「左月、お前までふざけるな!この家、どうなるんだ!」と義姫が叫ぶ。

 輝宗が穏やかに言う。「梵天丸、竺丸と一緒に夢見るのはいいが、家族を大事にしろよ。お前が元気なら俺は嬉しい」と笑う。「父ちゃん、もちろんだ!竺丸も俺の家族なら不動明王みたいに強くなるぜ!」と梵天丸が返す。竺丸が「兄ちゃん、俺だって負けねえよ!家族なら天下獲れるって!」と笑うと、梵天丸が「竺丸、お前、最高だな!俺の隻眼、家族で天下獲るぜ!」と叫ぶ。小源太が目を輝かせて言う。「殿、竺丸と夢見るなら俺も家族だよ!一緒に強くなろうぜ!」

「小源太、お前も最高だな。父ちゃん、母ちゃん、竺丸、みんなで俺の隻眼、強くなるぜ!」と梵天丸がニヤリと笑う。

 そこへ、虎哉が飄々と現れ、「梵天丸、家族と欲が膨らんだな。執着は捨てなさい」と言う。「虎哉じいちゃん、執着が俺の燃料だよ!竺丸と一緒に夢見て、俺の隻眼もっと強くなるぜ!」と梵天丸が返す。輝宗が「夢がでかいな」と微笑み、義姫が「品位だけは忘れるな」と呟き、喜多が「殿と竺丸ちゃん、良かったね」と笑う。小十郎が「胃が……」と呻き、時宗丸が「母ちゃん強いな」と笑い、小源太が「殿、頑張れ!」と応援する中、物語の第二十歩が、こうして賑やかに刻まれたのだ。

 ……とはいえ、家族で天下獲るのも大変そうだな、と梵天丸は思ったんだけどな!



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