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小大名出身の俺が疱瘡で苦しんで独眼になったけど豊臣や徳川と渡り歩いて仙台の大大名になっちゃった件について  作者: 《本能寺から始める信長との天下統一》の、常陸之介寛浩


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第18話: 「時宗丸と木刀勝負!…俺の隻眼、仲間と天下獲るぜ!」

「おいおいおい!不動明王みたいに俺の隻眼、もっと強くなるぞ!」天正9年、米沢城(山形県米沢市)の庭。人取橋(福島県本宮市)の戦いから数週間経ったある午後、伊達梵天丸が木刀を手にキレ気味に叫んでいた。立石寺(山形県山形市)で不動明王に憧れ、左月との馬での勝負で家臣との絆を深めた勢いで、庭で木刀を振り回している。庭の柵には木刀の傷が目立ち、家臣たちが遠巻きに「また始まった」と呟き合っていた。

 近くで片倉小十郎が汗だくで手をバタバタさせていた。苦労人の顔には疲れがにじんでいる。「殿!昨日左月殿と馬で勝負したばっかりなのに、そんな大声で叫ばなくても分かりますよ!少し落ち着いてください!」と叫ぶが、梵天丸はニヤリと笑い、「落ち着く?小十郎、不動明王みたいに俺の隻眼が強くなるんだ!今日は時宗丸と勝負して、天下への夢がもっとでかくなるぞ!」と言いながら木刀を振り回す。小十郎が「うわっ!」と飛び退き、「胃が……またですか……」と呻く。

「殿、小十郎の言う通りよ。左月殿と勝負したんだから、少しは休みなさい。私だって応援してるんだから」と、片倉喜多が穏やかな声で諫める。小十郎の姉は、梵天丸の肩を軽く叩いて落ち着かせようとする。「喜多!応援なら俺と時宗丸の勝負見てくれよ!不動明王見た俺の隻眼、負けねえぞ!」と梵天丸が叫ぶと、喜多はクスクス笑い、「私は勝負より見守る方がいいよ。殿が元気ならそれで十分」と言って微笑む。梵天丸はムッとして木刀を柵に叩きつけた。

 そこへ、時宗丸がドカドカと庭に飛び込んできた。幼い従兄弟は木刀を手にニヤニヤしている。「殿、左月じいちゃんと馬で勝負したって!?今度は俺と勝負しろよ!足軽より面白いぜ!」と叫ぶ。「時宗丸!お前、いいぜ!不動明王みたいに俺の隻眼で勝つんだ!」と梵天丸が返すが、時宗丸は「何!?俺だって足軽斬ったんだぞ!お前より俺が強いって!」と反論する。「殿が主役です!時宗丸殿は突っ込む前に考えてください!」と小十郎がツッコむが、時宗丸は「うるさい!」と笑って木刀を振り回す。柵に新たな傷が増え、小十郎が「胃が限界です……」と呻く。

 梵天丸がニヤリと笑い、「時宗丸!お前、俺の仲間なら勝負だ!不動明王みたいに俺の隻眼で天下獲る力になるぜ!」と木刀を構える。時宗丸が「仲間なら俺が勝つぜ!足軽斬った俺の方が強いって!」と構える。二人が庭で向き合うと、小十郎が慌てて叫ぶ。「殿!時宗丸殿と勝負なら俺の胃がまた痛くなりますよ!やめてください!」

「小十郎、うるせえ!時宗丸が仲間なら俺の隻眼で勝つんだ!お前も見とけよ!」と梵天丸が返す。小十郎が「胃が……もう勘弁してください……」と呻く。二人の木刀がカチンとぶつかり、時宗丸が「うわっ!」とよろける。「殿、やるじゃねえか!」と時宗丸が笑うと、梵天丸が「時宗丸、お前もやるな!仲間なら強くなれよ!」と返す。

 その時、庭の奥から小源太が勢いよく飛び込んできた。梵天丸と同い年の幼馴染、小源太は目をキラキラさせ、小さな木刀を手に持っている。左月の息子だ。「殿!時宗丸と勝負なら俺も混ぜてくれよ!不動明王みたいに強くなる!」と叫ぶ。「おお、小源太!お前も仲間だ!時宗丸と一緒に勝負して、俺の隻眼で最強になるぞ!」と梵天丸が返す。そこへ、鬼庭左月が馬に乗ったまま現れ、渋い声をかける。「殿、時宗丸殿、小源太までか。わしも馬で混ざるか。義姫様にまた飯抜きにされますぞ」と言う。「左月じいちゃん!馬で来るなら最高だ!仲間ならみんなで不動明王みたいに強くなるんだ!」と梵天丸が叫ぶ。「小源太、お前は落ち着け!馬と勝負する前に暴れるな!」と左月が諫めるが、小源太は「殿と一緒なら負けねえ!」と木刀を振り回す。

 その時、庭の奥から鋭い声が響いた。「梵天丸!時宗丸!何!?今度は仲間で勝負だと!?」義姫だ。梵天丸の母ちゃんが、ドスドスと足音を立てて現れる。長い髪を結い上げた姿は威圧感たっぷりで、手には扇子を握り潰す勢いで持っている。隣には竺丸がちょこちょこついてくる。「母ちゃん!竺丸!俺、時宗丸と勝負して不動明王みたいに強くなるんだ!」と梵天丸が木刀を下ろすと、義姫が一気にまくし立てる。「不動明王だと!?お前が仲間と木刀で勝負してるって聞いて飛んできたよ!大名の若殿がそんな下賤な真似をするなんて、あるまじき行為だ!」

「母ちゃん、下賤じゃねえよ!不動明王みたいに俺の隻眼で天下獲るんだ!時宗丸も仲間なら強くなるだろ!」と梵天丸が返す。「仲間だと!?足軽と斬り合い、時宗丸と木刀で遊び回るのが強さか!品位を持て!」と義姫が扇子を振り上げるが、声は少し柔らかい。

 竺丸がニコニコしながら言う。「母ちゃん、兄ちゃんの隻眼、不動明王みたいでカッコいいよ!時宗丸と強くなったら俺も嬉しい!」

「竺丸、お前までか!梵天丸、弟を巻き込むな!」と義姫が一喝するが、輝宗が穏やかに現れる。「義姫、梵天丸が時宗丸と勝負して強くなるなら、少しはいいだろ。お前も雉肉汁くれたんだし、仲間も大事だぞ」と言う。「輝宗!お前が甘やかすからこうなるんだ!だが……時宗丸とやるなら、まあ少しは認めるさ」と義姫が目を逸らす。「父ちゃん!母ちゃん、少し分かってくれたなら最高だ!俺の隻眼、時宗丸と天下獲るぜ!」と梵天丸が叫ぶ。義姫が「天下獲ると!?梵天丸、調子に乗るなよ!」と扇子を振り上げ、梵天丸が「うるせえ!」と笑う。

 喜多が穏やかにフォローする。「義姫様、殿と時宗丸が元気でいいですね。私も嬉しいですよ」と言う。「喜多、お前は優しすぎる!厳しくしないとダメだ!」と義姫が返す。小十郎が慌てて言う。「義姫様、殿と時宗丸が勝負なら俺の胃が……胃が痛い俺が言うのも何ですけど、少し落ち着いてください!」

「小十郎、お前は胃のこと気にしてろ!この子が元気なら少しはいいが、品位は忘れるな!」と義姫が返す。小源太が目を輝かせて叫ぶ。「殿、時宗丸と勝負なら俺も混ぜてくれよ!不動明王みたいに強くなる!」

「小源太、お前までか!左月、お前の息子だぞ、なんとかしろ!」と義姫が怒鳴ると、左月が渋く笑う。「義姫様、小源太は元気なだけですな。わしも時宗丸と勝負なら馬で突っ込みますよ」と言う。「左月、お前までふざけるな!この家、どうなるんだ!」と義姫が叫ぶ。

 輝宗が穏やかに言う。「梵天丸、時宗丸と勝負するのはいいが、仲間を大事にしろよ。お前が元気なら俺は嬉しい」と笑う。「父ちゃん、もちろんだ!時宗丸も俺の仲間なら不動明王みたいに強くなるぜ!」と梵天丸が返す。時宗丸が「殿、俺だって負けねえぜ!仲間なら天下獲れるって!」と笑うと、梵天丸が「時宗丸、お前、最高だな!俺の隻眼、仲間で天下獲るぜ!」と叫ぶ。竺丸がニコニコしながら言う。「兄ちゃん、時宗丸と強くなったら俺も嬉しいよ!」

「竺丸、お前、最高だな。父ちゃん、母ちゃん、時宗丸、みんなで俺の隻眼、強くなるぜ!」と梵天丸がニヤリと笑う。

 そこへ、虎哉が飄々と現れ、「梵天丸、仲間と欲が膨らんだな。執着は捨てなさい」と言う。「虎哉じいちゃん、執着が俺の燃料だよ!時宗丸と勝負して、俺の隻眼もっと強くなるぜ!」と梵天丸が返す。輝宗が「夢がでかいな」と微笑み、義姫が「品位だけは忘れるな」と呟き、喜多が「殿と時宗丸、良かったね」と笑う。小十郎が「胃が……」と呻き、小源太が「殿、頑張れ!」と応援する中、物語の第十八歩が、こうして賑やかに刻まれたのだ。

 ……とはいえ、仲間と天下獲るのも大変そうだな、と梵天丸は思ったんだけどな!



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