変わらない季節
掲載日:2023/03/28
4月。桜が舞い散り、春の匂いがする季節。
そして、別れと出会いの季節。
今回の春は、出会いの季節だ。
私はドアの前に立った。
少し、春の匂いがむず痒い。花粉症かな。
そしてわずかに聞こえたのは、私の心臓の音。何回も繰り返してるとは言え、やっぱり緊張と言うものは付き物らしい。
そして教室の中からは、生徒の声がした。
どれだけ大きくなったのかしらね。
そう思い、ドアを開けた。
ー ー ー
またまた季節が巡り巡って春がやってきた。うざったらしい位に春の匂いがする。
今回は、別れの季節。
この子達は次の夏が来る前に、それぞれの道へ旅に出て行ってしまうらしい。悲しいけれど、仕方ない。仕方ないわよね。
「あー!先生泣いてるー!」
そう1人の生徒が言うと、ぞろぞろと他の生徒達が集まってきた。泣かないでーなんて声も聞こえるけれど、
無理よそんなの、この前の春の時はまだあんなに幼かった癖に。本当にもう。
あーもう、何に怒ってるのかしら私。
嗚呼、目から水が止まらない。
でも、でも、これだけは伝えなきゃ。
「卒業、おめでとう。」
掠れた声で、そう伝えた。
この子達の旅の門出を祝う様に桜が踊っていたのを、私はきっと忘れる事なんてできないだろう。
この先の旅路に、沢山の幸せがありますように。




