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5.戦乙女の事件

キリシマはゲーム内でハルカと面識があった。ハルカもまたこだわりが強いタイプで、キャラ設定を非常に重んじておりキリシマに引けを取らないロールプレイヤー代表格のような存在だった。

一度パーティを組んでクエストに挑んだ際も、ハルカは仲間との会話にボイスチャットを一切使用せず、常に文字で決まった台詞の定型文を表示させて意思の疎通をしていた。そのことはキリシマも覚えていた。


しかしその日、ヴァロランドの仕業によりハルカを操作しているプレイヤーがあろうことか男性であることが明かされてしまう。

戦乙女(ヴァルキリー)のハルカは、

「都内在住の元高校教師。十数年前に女子生徒への性的暴行で逮捕されていた経歴があるろくでもない奴」

だと世間に公表されてしまったのだ。


瞬く間に戦乙女(ヴァルキリー)(フロワ)は解散となり、LSO内での一大事件として全土のプレイヤー達に知れ渡った。

そして、この事件を発端にヴァロランドの公開処刑も多くのプレイヤー達に認知され、


「ハルカがネカマ? 嘘だろまじかよ。ファンだったのに……」

「戦乙女のギルマス、ハーレム作りたくて自分も女子ですって偽って女の子集めてたってこと? 最低!」

「私もずっと騙されていました。気持ち悪いギルドをぶっ壊して救ってくれてありがとうございます」

「アンチとか言ってるけど、実はヴァロランドっていい奴らなんじゃないの?」

「AK様かっけー! アンタが素顔晒してよw」

「情報漏洩こわ……でも公開処刑は応援するわ。ハルカみたいなやつどんどん炙り出してくれ」


などとAKのチャンネルにも書き込みが殺到した。

あっという間に登録者数も増えに増えて膨れ上がり、最終的にヴァロランドによるLSOプレイヤー個人情報公開……断罪動画は大盛況となり、支持者は日本人プレイヤーの三分の一、約二万人以上に達したのであった。

日本サーバでの些細な出来事だったはずが異様な事態となり、これにはようやく本国の開発チームも動き始めた。

プレイヤー達が不安に思いながらも遊び続ける中、しばらくの間運営とヴァロランドのテロ行為はいたちごっこになった。

そうしてその結果、数か月続いた戦いの末、運営はヴァロランドの支持者たちに負けLSO自体の提供を終了させざるを得なくなってしまったのだった。


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