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27.整えてゆく

「わっ、わわ! ご主人さま?! これって……」

「我が以前使用していた物だが、今の貴様のレベルで扱える装備だ」

「ご主人さまのお召し物ですか?! 自分めがそんなものを頂くわけには……」

「四の五の言わず付けてみろ、ルタ」

「は、はい! かしこまりました!」


主のお古と聞いてほんのり頬を染め、貰った装備品を一度抱き締める。嬉しそうにしてからルタはその場で着替えを始めた。


魔法攻撃に耐性を持つ薄紫のローブに絹のブラウス。新品同様のブーツは、使わなくなった後も修理に出したりキリシマが自分で修復をしていた物。呪文の対象を分かりやすくできる指揮棒サイズの短い杖。

キリシマはいつも自分と同じ魔法職の新人がギルドにやってくる度にこうして自らお古を分け与えていた。何だかんだで面倒見がいい男なのだ。


「ど、どうでしょうか……?」


着替えたルタがゆっくりと顔を上げる。

やつれた惨めなホームレスだった彼は、まるで西洋風のリアルな等身大着せ替え人形のような変身を遂げていた。質の良い装備を整えさせ、髪をとかして綺麗にしたルタはよくみれば中性的な美少年だった。


「これは僕から餞別に。MPの上限を少しアップする指輪です」

「ほ、本来おもてなしをしなければいけないご友人さまにまで……自分めにこんなに良くして頂いて……よろしいのですか?!」

「キリシマさんが言う通り、ルタくんも僕らの仲間だからね。これからの活躍に期待しています」


バーレッドが仕上げにと小さなエメラルドがはめられたリングを彼の中指に通す。


「わあああ。すごい。きれい! 宝石なんて初めてで……どうもありがとうございます!」

「どういたしまして」


素直に感動し喜ぶルタ。NPCとしてあり得なかったプレイヤー服への衣装替えに上機嫌になってその場でくるくると回り、自分の姿を確認する。

まさに灰被り(シンデレラ)が一夜の魔法でお姫様になったかのような変身ぶりだ。その様子には彼だけではなくキリシマもバーレッドも感心し互いに満足そうに微笑んだ。


「なんだか懐かしいですね。この感覚」

「ああ。まるでギルドに新入りが来たときのようだな」


ルタを連れて道を歩く。市場で仕事をしていたNPCたちも、ベテランの冒険者二人で両脇をかためて歩く美少年の突然の降臨に二度見三度見をしながらみとれるほどであった。






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