おとなって
* *
なにを 追って 生きるのかしら
生の神秘から 生まれて
空を知り
海を知り
そして 愛と 涙を 知った
束縛された 道
でたらめな おとな
それから なにを 得たのだろう
自由が欲しい そう願うことを教えた
空に 浮かぶ 雲
海に 遊ぶ かもめ
それは 自由を教えた
自然は 尊い
でたらめな おとなは 尊いものを知らず
自由を知らず
教えることもできずに 次への踏み台にされる
悔やめばいいさ 憎めばいいさ
そんな 己の ちいささを
自由を知らない おとなたちよ
空は
海は
自然だよ
あれが ほんとの 自由だよ
報酬なんか いらない
自由を追って 生きているから
* *
海よ
あなたは なにを 訴えたいの
よごれた 人間に
むかしは 紙くずもなかった
あきかんも なかった
きたないものなんか なんにもなかった
そんな むかしに もどりたいのかい
海よ
あなたは なにを 訴えたいの
* *
みんな ともだちだったら
心を開いて 話せる ともだちだったら
でも
風が 思い思いに とんでいくように
雲が ゆきさきも 告げずに 旅立つように
広い 宇宙へ 散ってしまう
* *
淋しくて
窓をあけてみても
秋みたい 春になるのに
心だけが 寒くて
山の松が いつものように 深い緑で包んでんでる
枯れ枝の みのむしも
土の下のカエルも
一人ぼっちの 冬を終えて
みんなの春に とび出すのに
淋しくて
秋みたい 春になるのに




