フブキの初仕事らしい。
最新話更新です!クエストは一体どんなものだったのか…。是非最後までお読みください!
「え?どうしてこんなに報酬金が高いんです?ただのモンスター討伐じゃないんですか?」
「うーん、そうだね。モンスター自体は強くない筈なんだけど…。依頼者がお金持ちなのかな。とりあえず問題ないと思うよ。」
ヘラグは何でもないかのように言った。ほんとに大丈夫かと不安になったが、あの報酬が貰えれば1ヶ月、いや2ヶ月は食べていけるだろう。
「よし!じゃあそのクエスト受けます!」
受付の人が依頼内容と報酬、身分の確認などを済ますと、契約書を書いた。内容は、任務を果たすこと、仕事を偽証しないこと、他者に不利益を及ぼさないこと、任務以外の生物、植物の駆除をしないことなどがあった。
「よし、フブキさん。そんなに遠くないから歩いて行こうか。」
「はい、ところで、依頼のモンスターってどんなやつなんですか?確か…『バーバリアン』でしたっけ?」
俺たちは受付所から出て歩き出した。
「あいつらはね、魔族の一種で比較的知性が高いんだ。それでいて人間に見た目が似ていて、捨てられた剣や鎧などの装備を着けているから、野蛮人って言われているんだ。普段は少数の群れで生活していて、さっきも聞いたけど群れ同士の争いのせいで凶暴化しているんだ。それで被害が出る前に…って。」
しばらく歩いていると木の裏から影がいくつか現れた。
「意外と早かったな。フブキさん、あれがバーバリアンだ。数は…5体ってとこか。フブキさん1人でも十分倒せる数だよ。頑張ってみてくれ。」
「はい…『武器商人』、ナイフ!」
俺は小ぶりなナイフを作り出した。
「そんで、オーナーを…俺に変えて…と、よし!」
手に馴染む感覚から、不思議と力が湧いてきた。
「どっからでもかかってこい!」
一斉に襲いかかってきたバーバリアンを次々に返り討ちにした。そういえばどうしてこんなにも身体が動くのだろう。転生前はニートで引きこもりで…思えば俺はこんな化け物相手に戦えるほど勇気があっただろうか。慣れたといえばそうなのかもしれないが、初めてディルと戦った時も緊張や恐怖はあまり感じなかった。
「おぉ、フブキさん、やっぱり強いですよ。うちの兵士でも敵わないですよ。」
ヘラグは笑いながら言った。どうやらバーバリアンはもう退けたらしく、辺りはバーバリアンが4体転がっていた。
「もう十分だと思うよ。帰って報告しよう。」
「ふぅ、そうですね。分かりました。」
先を歩くヘラグをゆっくりと追いかけていると、
―ガンッ―
右手に強い衝撃を受けた。反射的に見ると、逃げていたバーバリアンが飛び蹴りをしていることに気がついた。
「くっ!」
その勢いに手から離れた武器は遠くに転がっていってしまった。
「フブキさん!危ない!」
音に気がついたヘラグが振り向いて言った。飛び蹴りの勢いのまま俺を追い越したバーバリアンが、手に持った錆び付いた剣をこちらに振り下ろした。武器を作り出すのも、オーナーを変えるのも間に合わない。これは…受けるしかないのか…。そう思い、手を前に出した瞬間、バーバリアンの動きが突如止まった…。
最後まで読んで下さりありがとうございました!バーバリアンはどうしたのか…?是非次回もお読みください!




