Side Story:兄弟の3日間〔3日目〕
最新話更新です!今回でサイドストーリーも終わり、1章完全完結(の予定)です!是非最後までお読みください!
キーンが目を覚ますと、既にディルは起きていて、何か作業をしているようだった。
「おー、起きたか。今な近くの野草を採って紅茶を作ったんだ。良かったら飲んでくれ。」
キーンの目の前には爽やかな香りを放ちながら湯気の立ち上る液体の入ったコップが差し出された。
「こんなことも出来たのか。」
「だてに森で生活してないからな。」
ディルはいたずらそうに笑った。キーンが紅茶を飲むと、温かさが全身に染み渡った。
「…はぁ、美味いな。いつもユン君の入れてくれるインスタントコーヒーだったからね。」
2人はのんびりとした時間を紅茶と共に過ごしたあと、火を消し森を出た。
「これから…兄さんはどうするの?今は見えないけど、魔族の血の魔力は…」
「なんかさ、転生したからか、血が無くなったんだ。魔族の。魔力を全く感じないんだよ。」
キーンは驚き、畳み掛けるようにきいた。
「じゃあ、兄さんはどうするつもりなの?また魔族のところに戻るのか?それとも、俺たちと生きるの…?」
「…俺は…キーンと…みんなと生きたい。」
「いいのか?あの…ガリルは、第2の親みたいなものなんだろ?」
ディルは少し考えたが笑顔で答えた。
「あぁ…いいんだ。それに…ガリルならそうしろって言うはずだから。」
キーンはゆっくりと頷き、
「一昨日信号弾があっちで飛んでた。きっとあっちだ。行こう。」
「あぁ…。なぁ、みんなは俺の事許してくれるかな。」
キーンは街の方へと歩き出した。
「どうだろうな…。だけど、俺は兄さんの弟だ。俺が兄さんを許してる、それだけで十分じゃないか?」
キーンの優しさにディルは照れくさそうに笑った。
「あぁ、そうかもな…。俺にはお前さえ、キーンさえ居てくれればそれでいい。」
2人はまたゆっくりと歩きだす。2人の選んだ未来へ向かって……。
最後まで読んでくださりありがとうございました!これからは兄弟はまた成長していくことでしょう。さて、次の章や、別のお話の作成に取り掛かろうと思うのでしばらくお休み致します。すいません!そんなに長くはないと思うのでお待ちいただければと思います。ではまた次回のお話で会いましょう。




