仲直りしたそうだ。
最新話更新です!これにて1章【兄弟喧嘩】完結です!是非最後までお読みください!
2人が抱き合っているのを見ていると、その後ろから1つの人影が見えた。
「…あの……こんにちは……。」
俺はその人影の正体が誰か分かった途端、武器を取り出そうとした。それをキーンは手を前に出し止めた。
人影の正体はディルだった。
「フブキ君、大丈夫だ。…兄さん、話してくれ。」
あぁ、と言うとディルは俺たちに真っ直ぐ目を向けた。
「皆さん、本当にすいませんでした…!!本当に…どう償えばいいのか分かりません。ですが…俺は魔族に助けられた身だったんです。それで、戦うしかなく…。フブキさんも、ユンさんも突然襲いかかったりして申し訳ありませんでした…。」
心からの言葉だった。彼の目には悲しい光が灯っていた。
「みんな、実は俺たちふたりはユン君に助けられたんだ。」
「…てことはやっぱり成功していたんですか!?」
ユンがきいた。
「あぁ…袋の中に入ってた、あの石のおかげでね。」
俺はすぐさま、あの石を思い出した。そう、あの同世界転生石を。
「魔力の形と動きを見たら直ぐに分かったよ。良く創ったもんだ。ほんとに…自慢の助手だよ…。」
どうやら、あの爆発で石が壊れ、効果を発揮したようだ。
「あとそれから…気がついたら俺と兄さんが全く見覚えのない所にいてね、遠くに信号弾が見えたからたどり着けたよ。ありがとう。」
「それなら、どうして3日も経ってから来たんですか?」
キーンが笑顔で答えてくれた。
「兄弟ふたり、積もる話があるってもんだろう?それに、久しぶりにあの森に行っていたんだ。また2人で狩りが出来るとは…思ってもいなかったよ。」
キーンはディルに微笑みかけ、ディルはそれに応えた。
「あ、でも、確かディルさんには魔族の血が流れているんですよね…?いつかはまた彼らの元に行かないといけないんですよね…。」
ユンはディルに遠慮がちにきいた。
「それがですね…転生したら、魔族の血がなくなったらしく、体の動きは鈍くなったんですが、魔族の魔力が感じなくなったんです。なので、これからは人間として…生きていこうと思います!」
俺たちは驚きと共に、不安や嬉しさなど、複雑な気持ちになったが、キーンが誰よりも嬉しそうにしていたので、俺たちは彼らを信じることにした…。
最後まで読んでくださりありがとうございました!やはり兄弟は仲良くないとですね。次回もお読みください!




