勝者と敗者らしい。
最新話更新です!この戦いにも、終わりが訪れます…。是非最後までお読みください!
先程までの喧騒は、嘘のように収まり、辺りは荒廃した土地が残るだけだった。
爆発のあと、それが魔族軍の攻撃ではないことを知った彼らは、戦意を失った。それに追い打ちをかけるようにガリルは撤退命令を出し、敗北宣言をした。ガリルは爆発にディルが巻き込まれているのを知らないようだった。
俺は爆発の直前に走ってきたユンに爆発の原因を聞いた。
「教授は誰にも言うなって言ってたんですが…キーン教授のスキルは【魔力可視化】…魔力の流れや大きさを見ることが出来るスキルと、【冥土の土産】という死の直前に発動する、周囲を巻き込んだ爆発を繰り出せるスキルを持っていたんです…。それで、教授は…あいつと一緒に…。」
ユンは泣きながら言った。彼の秘策の…全力の一撃によって俺たちは助けられたのかもしれない。いや、もしかすると、少しでも早くガリルが撤退命令を出していれば2人とも無事だったのかもしれない。結局どうなるかは分からなかった。お互い損害も大きい。全て元通りにはならないだろうし、元の生活を送れるようになるのもかなり先のことになるだろう。俺は信号弾を空に放った。きっとこれを見て、戦いが終わり、防衛に成功したことがカリンや、国のみんなに伝わるだろう。そして直ぐに傷ついた兵士たちを助けるために、カリンやその他の回復魔法を扱える人などがやってくるだろう。そしたらまたすぐに騒がしくなる。それまで俺は静かにユンの傍にいることにした。太陽は沈みかけ、辺りを真っ赤に染め上げていた。
最後まで読んでくださりありがとうございました!ついに終わった戦いに、意味はあったのでしょうか…?是非次回もお読みください!